30,000サイトを解析してわかったWebサイト構築・改善必勝法!
2019年10月に開催された「BtoB企業必見!データ活用Webサイト構築・改善セミナー」。これまで30,000社ものWebサイトを分析してきた株式会社WACULとferret Oneの共催で、両社のWebサイト改善のハウハウが大公開されました。
2月18日には、2回目の共催となる「データ活用 Webサイト構築・改善セミナー」が行われます。それに際して、大好評だった1回目のセミナーの様子をお伝えします。
株式会社WACUL マーケティング部長
松尾 龍(まつお りょう)横浜国立大学卒業後、楽天株式会社へ入社、営業・ECコンサルタントのマネージャーを歴任。 2015年オンサイト株式会社に入社し、大手食品メーカー・大手化粧品メーカーなどをクライアントとして、 ECサイトの基盤構築からブランディング戦略の立案、マーケティング全般支援などを実施。 2018年株式会社WACULに参画し、事業開発責任者・マーケティング部長に就任。
株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 マネージャー
河村 和紀(かわむら かずき)創業期の株式会社ベーシックに入社。フランチャイズ業界を中心に、Webコンサルティング業務を行う。2017年5月、ferret Oneのマーケティングマネージャーに就任。月間広告費を「150万円削減」しながら、お問い合わせを「3.7倍」に伸ばすことに成功する。現在はその実践ノウハウをセミナーなどを通して発信中。
BtoBビジネスでは、潜在層へのアプローチが重要!
河村:弊社のサービス「ferret One」はおかげさまで導入企業300社を超え、多くの企業様にご活用いただいております。ferret Oneの機能をご存知ない方に簡単にご説明しますと、BtoBマーケティングを行う上での制作から運用までオールインワンで賄えるマーケティングツールです。
今回のセミナーでは、これまで300社以上のWebマーケティング支援を通じてわかったことをお伝えします。
その前に、まず皆様に知っていただきたいことがあります。実は、BtoBビジネスにおいては「買い手は営業との接触前に意思決定の57%を済ませている」という事実をご存知ですか?
これはどういうことかと言うと、御社の営業が買い手に会う前に、顧客はすでに購入する / しないの意思決定をほとんど済ませているということを意味しています。
検討するつもりはないが、まあとりあえず話だけでも聞いてみようか…という気持ちは皆様も一度は経験はあるのではないでしょうか?
そのため、比較検討の早い段階(=潜在層)で買い手へのアプローチが必要になってくるのです。では、なぜBtoBビジネスではこのようなことが起きるのでしょうか?それは、BtoCとBtoBビジネスの両者には大きな違いが存在するからです。
BtoBとBtoCの違いは「◯◯」という感情!
河村:BtoBビジネスとBtoCビジネスの違いは多くありますが、大きく分けると以下の3点にまとまります。
①検討期間
身の回りの日用品や嗜好品を想像していただければと思うのですが、BtoCの商品は価格も比較的安価なものが多いです。そのため購入までの期間が短期間になる傾向があります。
対してBtoBの商品は比較的高額な商品が多く、また購入者も必ずしも使用者と同一人物であるとは限らないため購入までの期間が長期間になる傾向があります。
つまり、BtoBビジネスは長期戦のため、ユーザーの検討段階に合わせて継続的に興味関心を持ってもらうような施策が必要なのです。
②購買の際に重視される点
2つめの違いは、機能の使いやすさや実績の有無です。BtoBの商品の場合、社内に複数の意思決定者が存在することが多く、その方々に対して導入のメリットを理解してもらうため必要があります。その際に必要なのが機能の使いやすさや実績の有無なのです。
③態度変容
最後は態度変容です。態度変容とは、どういった気持ちになったら買ってもらえるのか、という感情の動きのことを指します。
BtoC商品でしたら泣きたいから映画を見たい、美味しそうだから食べたいなど、喜怒哀楽の変化が購入までの鍵となります。しかし、BtoBでは商品が比較的高価であり、なおかつ購入までの意思決定者が複数いるため「衝動買い」というのが基本的にありません。
この3点において鍵となるのが信頼するという感情です。「この商品なら自社の課題を解決できそう」「この企業だったらきっと大丈夫」という信頼をいかに獲得できるかに購入への意思決定がかかっています。これがBtoBビジネスとBtoCビジネスにおいて大きな違いだと言えるでしょう。
では、一体どのようなWebサイトであれば買い手の信頼を獲得できるのでしょうか?次にその方法を解説します。
BtoBビジネスのWebサイトの型化と情報構造とは
河村:では、一体どのようなコンテンツがあれば買い手の信頼を獲得できるのでしょうか?
単刀直入に答えを申しますと、「検討までに必要な情報とアクションが揃っているコンテンツ」が買い手の信頼獲得に繋がります。
具体的には以下の三点にまとまります。
①サービス紹介が詳細にあること
- そのサービスは誰のどんな問題を解決するのか
- 専門性は担保されているのか
- 最新情報なのか
- 価格は?初期費用は?
- 本当に自分たちの課題を解決できるのか
社内にいる複数の意思決定者を全員納得させるためには、御社のサービスでの強みは何かを端的に相手側に提示しなければなりません。その際の社内稟議に必要となるサービスの情報を詳細に載せましょう。
②事例が豊富にある
BtoBの製品はその高価さゆえに、「自社と同じ課題をもつ企業はいるのか?導入したことで利益は出せているのか?」という疑問を持たれることが多いです。そのため、根拠となる事例集を用意しましょう。
この際、事例集が少ないと、「このサービスは特定の課題にしか解決できないのだろうか?」と思わせてしまうので数と種類には注意しましょう。業界×課題感×職種を網羅するため、12社以上がベストと言われています。
③詳細な情報を得られる場所がある
サービスは理解した、事例も自社とぴったりだ、もう少し知りたい!となった瞬間に、ニーズにあった資料や問い合わせ窓口がないと、そのまま離脱…となってしまい、非常にもったいないです。
そうならないよう、弊社では「詳しく聞ける場所」として下記をおいております。
- 資料DL
- セミナー
- FAQ
- お問い合わせ
結論として、BtoBサイトで買い手の信頼獲得をするためには、上記のあげた3つのポイント
①サービス紹介が詳細にある
②事例が豊富にある
③詳細な情報を得られる場所がある
を意識してWeb上で再現すればいいのです。これは、優れた営業担当が自然と行なっていることなので皆さんにも見覚えのあることではないでしょうか。
これらの情報を入れるには最低でも13ページ必要ということがわかります。
しかし、ただ型にはめて情報を入れればいいというわけではありません。重要なのは情報構造が整っているかどうか、つまり目的と目的に沿ったコンテンツで構成されているかどうかです。
たとえば、「トップページの目的とはなんですか?」と聞かれたら皆さんはどう答えますか?
ユーザーは必ずしも商品名を検索してトップページに流入するとは限りません。そのため、なんのサービスなのか、なんの課題を解決するのか、どんな企業が導入しているのかを知りたいと思います。これらが「目的」と呼ばれるものですが、それを満たすのが「コンテンツ」です。
トップページは一番ユーザーが見る確率が高いページです。そのためユーザーの感情を考えてコンテンツを構成しなければ、ユーザーは「Webサイトと自分の求めるものはミスマッチを起こしている」と感じる可能性が高く、離脱につながります。
実際、数あるWebサイトのうち83%はユーザーと欲しい情報とミスマッチを起こしているという統計もあります。そうならないように情報構造の「型」を守りつつ、ユーザーの感情の動きには常に注意してWebサイトを構築していきましょう。
失敗は大前提、高速PDCAサイクルのススメ
河村:一般的にどんな優秀なチームでも成功率は30%であり、あのGoogleですらも10~15%程度と言われています。
そのため「これをやれば必ず成果が出ます!」と言う施策はなく、打ち手は常に3~5倍打つ必要があります。
ferret OneのWebサイトを例にお話しましょう。僕はマーケティング部に2017年度から所属していますが、ferret OneのWebサイトはそれ以降4回変わっています。
特に2019年からが顕著で、2019年2月時点と2020年1月現時点の比較がこちらです。
見出しが変わったことが一目瞭然でお分かりいただけると思います。
また、現在はferret Oneの直感的に使える使いやすさを一目でわかってもらうため、動画を組み込んでいます。
現在の状態になるためにテストを繰り返し、この一年だけでver7.1~7.4まで制作しました。
このように、マーケティングの施策と言うのは基本的に一回では成功しません。2ヶ月もあれば施策はガラッと変えることができます。わからないからと放置していたら、気付いたときには競合に抜かれていた…そんなことだって十分にありえます。BtoBマーケティングでの成功の近道は、PDCAをいかに高速に、かつ適切に回していくかどうかなのです。
弊社が提供するferret Oneは、簡単にページのレイアウトや編集ができるCMS機能と、BtoBマーケ施策が簡単に実行できる機能を備えたWebマーケティングツールです。
▶︎導入3ヶ月で150万円のコスト削減、お問い合わせ4倍になった事例を見る
また、「マーケ未経験なのですが、大丈夫でしょうか?」と言うご質問をいただきますが、多くの導入企業様はゼロからのスタートです。また、そのような企業様向けのオンボーディング(伴走)プログラムもご用意しています。
▶︎サイトが活用できない状態から脱却!自社でPDCAを回せるチームになった事例を見る
弊社ではこのように300を超える導入事例からわかったことをノウハウとして提供しております。ご状況に合わせたご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
▶BtoBマーケティングのノウハウとツールをパッケージで提供!「ferret One」
WACULが終わらせたい「デジタルマーケティングの悪しき慣習」とは
松尾氏:河村さんからは、BtoBサイトはすでにある型を元に制作し、施策のPDCAを多く回すことが大切と言うお話をしていただきました。
ここからはサイト制作ではなく、運用の方を話を移していきたいと思います。
WACULはこれまで3万ものWebサイトを、また私自身リード獲得からCSまでを担当している中で数多くのWebサイトを見てきました。デジタルマーケティングを監修している中で感じているW
ebサイトの穴やWACULが蓄積してきたノウハウを本日はご紹介します。
ここで皆様に一つ問題です。
「人材紹介」のサイトにおいて「会員登録型」と「求人検索型」のどちらの方がCVが高いと思いますか?
正解は会員登録型でした。
その原理をご説明します。そもそも人材サイトのWebページを開いたユーザーは、自分の条件に適した求人情報を求めています。なるべく早く自分に合った情報を得る=エージェントに探してもらうために会員登録をしましょうという導線を設計すれば、行動を促しやすいというのは想像がつきやすいと思います。実際、求人検索型に比べて会員登録型のサイトは約2~3倍もCVが違うという結果があります。
対して求人検索型では、自分から求人情報を探さなければいけません。「なるべく早く自分に合った情報を得る」というニーズに応えられていないために離脱率が上がってしまうのです。
これらの「勝ちパターン」のノウハウは実は10年前からわかっていることでした。しかし、実際はゆうに62%もの人材紹介サイトが求人検索型を採用しています。大手人材紹介企業でさえ、昨年度に会員登録型から求人検索型のWebサイトに変更してしまいました。
なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?
それは、施策のPDCAの結果を残さなかったことでデータが何もない状態となり、引き継いだ担当者がまたゼロからPDCAを回すはめになるという、初心者が永遠に再生産されるシステムが原因だからです。
また、そのような状況であればあるほど、これを使えば爆発的な成果が伸びます!という「夢のツール」に飛びつきやすくなります。そしてますます、初心者から抜け出せなくなるのです。
松尾氏:弊社ではこれを「デジタルマーケティング業界における車輪の再開発」と呼んでいます。
車輪の再開発というのは「広く受け入れられ受け入れられている技法を知らずに同様のモノを一から作り出す」という意味の慣用句です。最初に取り上げた人材紹介業界でも申し上げましたが、デジタルマーケティングには「勝ちパターン」が存在します。
弊社WACULが目指したいのは「勝ちパターンを踏まえて誰でも80点を取れる世界」です。弊社のサービスであるAIアナリストでは御社の同じタイプの成果を出せているサイトを比較し、改善のためのベストプラクティスをご提案致します。
今回はその中でもアクセス解析からCVRを改善させるBtoBサイトでの勝ちパターンについて解説致します。
Googleアナリティクスにおいてみるべきデータはたった5つ!
松尾氏:お客様からはよくこのようなお悩みを聞きます。
・見られるデータが多すぎて、何を見たらいいかわからない…
・見ているといつの間にか時間が経っているが、改善には繋がっていない…
・なんとなく見ているが、もっといい使い方がある気がする…
全体的に、Googleアナリティクスの機能の多さに対して適切に使いこなせていないという声をよく聞きます。実際、Googleアナリティクスのメニューを数えてみると100個を超えているので、わからないというのも無理はありません。
しかし、弊社はGoogleアナリティクスを使ったサイト改善にはたった5つのデータを見ればいいと判断しています。それは以下の5つです。
チャネル・ランディングページ・すべてのページ・次のページ・デバイスカテゴリの5つです。AIアナリストが行った1,000件以上の改善実績のうち、96%がこの5つのデータに基づいて改善していました。
では、これらの5つのデータを使ってどのようにアクセス解析を行っていくのかをこれから解説していきたいと思います。
これがわかれば大丈夫!アクセス解析の必勝法!
松尾氏:アクセス解析は3つのステップに分けられます。
STEP1 大通りを見つける
まず最初に、大通りと呼ばれる訪問数が多い領域を特定しましょう。これによって、優先すべきページが明確になります。マーケターは特に、新しいページなど気になってしまうデータばかりに注視してしまう傾向にありますが、訪問者が一番多いページの改善を行うことで、より本質的な改善を行うことができます。
この大通りがどこにあるのかはチャネルとランディングページとデバイスを解析することで、掴んでいきましょう。
この三つを解析することで、どこからWebページの流入が起きているのか(=チャネル)、最初に表示するページはなんなのか(=ランディングページ)、それらはどのデバイスでの表示なのか(=デバイスカテゴリ)がわかります。最終的にこの情報を以下のような図にまとめるとわかりやすくなります。
弊社の場合ですと、自然検索におけるDesktopの「記事詳細」と「トップ」が大通りと判明しました。
STEP2 改善箇所の特定
大通りを見つけたら、次は改善すべき箇所をさらに特定しましょう。特定のパターンは3つあります。
・経路良い分析
こちらは、経由をすればCVR(コンバージョンレート)が上がるページを特定し、改善していくというパターンです。
ここでGoogleアナリティクスで見るべきデータである、「すべてのページ」「次のページ」の出番です。流入元×入口×デバイスで分けた経路の中で「訪問数は少ないが、CVRが高い(=次のアクションを起こしてくれる)ページ」を特定し、訪問数を伸ばせるように改善していきましょう。
経路を分析する際は、このようなバブルマップを作成するとデータがわかりやすく可視化できます。PowerPointなどで簡単に作成できますので、ぜひご活用ください。この丸の大きさがCVの数を表しています。
・経路悪い分析
こちらは先ほどとは逆の、経由をしたらCVRが下がるページを特定し、改善していくパターンです。手順は全く一緒で、ここでも見るべきデータは「すべてのページ」「次のページ」です。
すべての経路の中から「訪問数が多いものの、CVRが低い(=次のアクションを起こしてくれない)ページ」を特定し、CVRを伸ばせるように改善していきましょう。
・フォーム誘導分析
こちらでは、訪問数は多いもののフォーム誘導率が低いページを見つけて改善していくパターンです。ここで見るべきデータは「デバイス」「すべてのページ」「次のページ」です。
これらのデータをページごとで集計し、フォームを通過率は高いものの誘導率が低いページを特定しましょう。
STEP3 アクション後の効果検証
最後にこれまでの分析と改善がどれだけの効果をあげているのかを検証していきましょう。こちらの方法はABテストと前後比較の2つあります。
どのチャネルからの流入なのか、変更の前後のCV数の遷移はどうだったのかなど前提の条件を揃えて比較してあげることで、改善が本当に効果があったのかどうか正しい判断が可能になります。
こうすることで、SNSで爆発的に拡散されたなどの変数を加味することができ、たとえABテストをしなくとも効果の検証ができるのです。
弊社サービスのAIアナリストはこれらのデータを自動的に分析、報告をしてくれる機能を兼ね備えています。わかりづらい部分もCSと一緒に並走することで、着実な改善、運用を行うことができます。
初回の分析は無料で行なっていますので、ぜひ一度お問い合わせ頂ければと思います。
▶ferret One セミナー一覧はこちらから