
第3章:中規模(4~5名)~大規模組織(6名以上)の現状と課題|BtoB調査レポート2025【運用体制編】
はじめに
マーケティング組織を拡大し、「ようやく人が増えてチームらしくなってきた」と感じる一方で、「人数は増えたはずなのに、なぜか以前より動きづらい」「メンバー間の連携がうまくいかず、属人化が進んでいる気がする……」というお悩みを抱えているマーケターも多いです。
ある程度の人数規模(4名以上)になると、実行リソースが増えるメリットがある反面、組織ならではの新たな壁にぶつかるのが常です。特に、メンバーが増えるほど「戦略と現場の分断」や「連携の希薄化」といったリスクは高まります。
本章では、中規模(4〜5名)および大規模(6名以上)の組織でBtoBマーケティングに携わる担当者の調査データをもとに、組織拡大に伴って発生する「リアルな課題」と、それを乗り越えて成果を出している組織の「共通点」を分析しました。
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- この記事で分かること
- 人が増えても楽にならない?組織規模ごとの「属人化」と「分断」の実態
- それでも「4名以上のチーム」が強い理由。データで見る圧倒的なメリットとは?
- 成果を出す組織が実践している「外部連携」と「ルール整備」のポイント
サマリー
「忙しくて全部は読むのは大変…」という方に向けて、各調査データの重要なポイントをまとめました。関連する章へのリンクもつけておりますので、気になるところだけでもぜひ詳細をお読みいただき、マーケティング活動にご活用ください!
中規模~大規模組織の最大の壁は「人材育成」と「属人化」
4名以上の組織が抱える課題のトップは「人材の育成が追いついていない(46.3%)」でした。さらに「ツールやナレッジが属人化している(40.9%)」という回答も多く、組織拡大に伴う教育と標準化の壁に直面している現状が明らかになりました。
4名以上の強みは「実行力」。少人数は複数施策が実行できない
4名以上の組織では「施策を並行して進められる(53.3%)」ことが最大の強みです。一方で、もし3名以下になった場合は「複数チャネルの施策を並行して運用すること(45.9%)」が最も困難になると予測されており、リソース減が実行スピードに直結するリスクを抱えています。
組織として整備すべきは「連携不足」と「戦略の分断」
今後改善すべき点として、「チーム間の情報共有や施策の連携が不足している(43.8%)」や「戦略と現場の実行が分断している(39.3%)」が上位に挙がりました。特に戦略の分断を感じている組織では、評価や測定の仕組みも定着していない傾向があります
成果のカギは「外部パートナー」との連携
成果を出している組織が挙げた要因の第1位は「外注パートナーとの連携(38.0%)」でした。社内リソースだけにこだわらず、外部の専門性をうまく取り入れる体制づくりが成功の近道です。

⓫中~大規模組織が抱える主な課題について
マーケティングチームの人数が増えることは、実行力が上がる一方で、新たな組織課題を生むきっかけにもなります。4名以上の中規模・大規模組織では、具体的にどのような壁に直面しているのでしょうか。
Q. | 現体制(4名以上)においての課題はありますか? |
|---|---|
A. | 「人材育成(46.3%)」と「属人化(40.9%)」が2大課題に |

注目ポイント | 01 |
「人材の育成が追いついていない(46.3%)」が最多。急拡大する組織ほど育成がボトルネックに
注目ポイント | 02 |
「ツールやナレッジが属人化している(40.9%)」も高く、人が増えても知見が共有されていない実態が浮き彫りに
人が増えても楽にならない?「属人化」のジレンマ
4名以上の組織における最大の課題は「人材の育成が追いついていない(46.3%)」でした。チーム拡大のために採用を進めても、教育体制が整っておらず、新メンバーが戦力化するまでに時間がかかっている様子がうかがえます。
次いで多かったのが「ツールやナレッジが属人化している(40.9%)」です。「あのツールは◯◯さんしか使えない」「過去の施策データがどこにあるか分からない」といった状態が続き、人数が増えたメリット(ナレッジの蓄積や効率化)を活かしきれていない組織が多いことがわかります。
【分析】6名以上の組織は「戦略と実行の分断」リスクが急増
さらに、組織規模を「中規模(4〜5名)」と「大規模(6名以上)」に分けて分析すると、抱える課題の質が変化していることが明らかになりました。
分析の結果、「ツールやナレッジの属人化」については、中規模(41.7%)でも大規模(40.4%)でもほぼ同率で高い数値を示しており、組織規模に関わらず多くの企業が抱える普遍的な悩みであることがわかりました 。
その一方で、規模拡大によって顕著な差が出たのが「戦略と実行が分断されている」という課題です。中規模組織ではわずか5.2%だったのに対し、大規模組織では13.0%と約2.5倍に急増しています 。
6名を超えてチームが大きくなると、戦略を立てるリーダー層と、実務を行うメンバー層の距離が物理的・心理的に離れてしまい、「何のためにこの施策をやるのか」という意図が現場まで正しく伝わらなくなるリスクが高まると言えるでしょう。
⓬/⓭中規模以上(4名以上)の強みと少規模化のリスク
次に、マーケティング組織が4名以上の中規模・大規模体制になった場合にどのようなメリットがあるのか、また反対に人数が減った場合にどのようなリスクが懸念されるのかを見ていきましょう。
Q. | 複数名(4名以上)でのマーケティング運用体制の強みを感じる点は? |
|---|---|
A. | 「施策を並行して進められる(53.3%)」が最多。実行スピードとリソースに余裕 |

Q. | 今より少人数の体制になった場合、難しくなると感じることはありますか? |
|---|---|
A. | 「複数チャネルの施策を並行して運用すること(45.9%)」が最多 |

注目ポイント | 01 |
4名以上の強みは「実行スピード(53.3%)」と「専門性(45.9%)」の両立
注目ポイント | 02 |
少人数化すると「スピード(42.6%)」だけでなく「質(41.3%)」の維持も困難になる
「実行スピード」と「質の担保」の両立が中規模組織の最大の武器
中規模以上の組織(4名以上)において、半数以上の企業がメリットとして挙げたのが「施策を並行して進められる(53.3%)」点です。 1人あたりの負担が軽減されることで、複数のチャネルを同時に動かす余裕が生まれ、結果として「検証と改善のスピードが早い(38.4%)」といった成果につながりやすくなります。
また、「各分野の専門性がある(45.9%)」や「内製でも一定の質を保てる(43.0%)」といった回答も上位に入りました。 人数が増えることで分業が可能になり、外部リソースに頼りきりにならずとも、社内にノウハウを蓄積しながらクリエイティブやコンテンツの「質」を担保しやすくなる点が、4名以上の組織における大きな強みといえます。
少人数では「複数チャネル運用」と「クオリティ維持」に限界
一方で、もし現在の体制が3名以下になった場合、約半数の企業が「複数チャネルの並行運用(45.9%)」が困難になると回答しています。 リソースが減れば手数が減るのは当然のことですが、同時に「施策の質や一貫性を保つこと(41.3%)」への懸念も強く示されています。
少人数体制では、目の前の作業に追われて「分析や改善の振り返りを行う余裕がなくなる(40.1%)」というリスクも高く、成果を伸ばすためのPDCAサイクルが回らなくなる恐れがあります。 組織規模は、単なる作業量だけでなく、施策の「質」と「スピード」、そして「改善のサイクル」を決定づける重要な要素であることがわかります。
⓮組織として整備すべき点について
次に組織として今後改善・整備すべきだと感じている課題について掘り下げていきます。
Q. | 組織として改善・整備すべきだと感じる点はありますか? |
|---|---|
A. | 「ツールや業務の属人化(44.2%)」や「チーム間の連携不足(43.8%)」が上位 |

注目ポイント | 01 |
組織の課題は「個人のスキル」よりも「仕組みと連携」にある
注目ポイント | 02 |
「戦略と実行の分断」を感じる組織は、9割以上が評価・測定に迷っている
多くの組織が直面する「属人化」と「連携」の壁
組織が拡大するにつれて、メンバー個人のスキル不足よりも、組織的な連携や仕組みに関する課題が浮き彫りになってくるようです。
調査結果によると、最も多くの回答を集めたのは「ツールや業務が属人化しており、引き継ぎが困難(44.2%)」でした。次いで「チーム間の情報共有や施策の連携が不足している(43.8%)」が挙がっており 、特定の担当者に業務が依存してしまうことや、メンバー間での情報分断が組織の大きなボトルネックになっていることがわかります。
【分析】「戦略と実行」の分断は、現場に深刻な迷いを与える
さらに課題の内容を深掘りして分析すると、より深刻な実態が見えてきます。 以下の図は、抱えている課題と「今後取り組みたい改善項目」の関連性を示したものです。

特筆すべきは、「戦略と現場の実行が分断している」と感じている企業です。この課題を持つ企業は、ほぼ全ての項目において高い改善意識を持っており、特に「施策の評価や成果測定が定着していない」に関しては91.7%もの企業が改善が必要だと回答しています。戦略と実行が乖離していることで、現場は何を基準に評価すればよいのかわからず、大きな迷いが生じているといえます。
また、「情報共有が難しい」と回答した企業の69.2%「施策の優先順位・意思決定ルール」を整備したいと考えている点も注目です。情報がスムーズに流れないことが、結果として意思決定の遅れや曖昧さにつながっていることが読み取れます。
⓯成果につながる要因について
最後に、実際に成果を出している組織が「要因」として挙げているポイントを見ていきましょう。ここから、BtoBマーケティング組織が目指すべき「勝ちパターン」が見えてきます。
Q. | 現在の成果につながっている要因だと感じる点はどこですか? |
|---|---|
A. | 外注パートナーとの連携(38.0%)」が最多。次いで「役割分担(37.6%)」 |

注目ポイント | 01 |
成果の鍵は「個のスキル」よりも「誰とどう連携するか」にある
注目ポイント | 02 |
「外部パートナー」の活用が、社内リソースの限界を突破する最良の手段
成果を出している組織は「連携」と「役割分担」を重視している
成果につながっている要因のトップ3を占めたのは、いずれも「組織体制」や「連携」に関する項目でした。 第1位は「外注パートナーとの連携(38.0%)」、僅差で「役割分担と体制の構築(37.6%)」、「営業/他部門との密な連携(37.2%)」が続きます。
この結果から、成果を出している組織ほど、特定のスーパープレイヤーや特定のツールに依存するのではなく、「誰とどう協力するか」「どのように役割を分けるか」という体制づくりに注力していることが読み取れます。 施策の高度化やコンテンツの質を追求する前に、まずは土台となる「連携フロー」や「役割定義」を整えることが、結果として成果への近道となっているようです。
外部パートナー活用は「作業代行」から「課題解決の手段」へ
特に注目すべきは、最多回答となった「外注パートナーとの連携」です。 中規模以上の組織においては、社内リソースだけで全てを完結させようとせず、不足している専門性やリソースを外部で補う動きが顕著です。
現在では、単なる作業代行だけでなく、戦略設計のコンサルティング、特定の施策に特化したプロ人材、ツール活用の伴走支援など、支援サービスの形も多様化しています。自社の課題に合わせて、こうした外部リソースをミニマムな単位で賢く活用できるかどうかが、組織の実行力を左右する大きな分かれ目になっているといえるでしょう。
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まとめ
本章の調査データから明らかになった、中規模~大規模組織(4名以上)におけるマーケティング運用の「課題」と「解決のヒント」をまとめます。
1. 「リソース」は足りても「育成」が追いつかない
4名以上の組織では、実行リソースはある程度確保できていますが、その分「人材育成」や「属人化」といった組織課題が深刻化しています。人が増えれば解決するわけではなく、教育コストやナレッジ共有の仕組み作りが急務となっています。
2. 連携不足の正体は「戦略と実行の分断」
「情報共有が難しい」「優先順位が決まらない」といった現場の混乱の根本には、「戦略と実行の分断」があります。ここが分断されていると、現場は「何を基準に判断すればいいか」を見失い、結果として成果測定や改善PDCAも機能しなくなってしまいます。
3. 勝ち筋は「外部パートナー」を巻き込んだチーム作り
成果を出している組織は、すべてを内製で頑張るのではなく、「外部パートナー」や「他部門」を巻き込んだ体制構築に成功しています。施策の高度化を目指す前に、まずは「誰とどう連携するか」という役割分担を整理し、不足するピースを外部リソースで補うことが、組織の限界を突破する鍵となるでしょう。
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