展示会はリードジェネレーションの大チャンス!成功するための4つのポイント
展示会への出展はBtoB企業にとって多数の新規リードを獲得できる大きなチャンスです。もちろんそれだけではなく、商品・サービスの認知度向上や企業のブランディング、来場者と直接話しながらニーズを探るなど、さまざまな効果を期待できます。
この記事では、BtoB企業が展示会に出展するメリットと、出展を成功させるために絶対はずせない4つのポイントを解説します。
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解説をするのはこの人!
河村 和紀(かわむら かずき)
株式会社ベーシック マーケティングマネージャー新卒で入った外資系人材紹介会社から、創業期の株式会社ベーシックに転職。サイト運用・商品企画・新規事業立ち上げなどに幅広く携わるなか、イチから手掛けたイベントが、累計来場者数70,000人を超える日本最大級の規模に成長。社長のムチャ振りで担当することになったBtoBセミナーは、今や開催200回以上を数え、気が付けば月に何度も登壇する日々を送っている。
Twitterのアカウントは@Kawamura_KZK
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BtoBマーケティング施策として、展示会に出展すべき理由とは?
展示会への出展は準備に時間がかかるうえに、拘束される人員も多いもの。Webマーケティング施策を中心に取り組んでいる企業としては、参加を尻込みしがちです。では、BtoB企業が展示会に出展するメリットとは、なんでしょうか?
リードジェネレーションに有効
Webサイトからのリード獲得は基本的にユーザーが自発的に資料請求や問い合わせをするのを待つしかありません。ですが、展示会では自社ブースに興味のありそうな人にこちらからアプローチすることができます。来場者も、営業を受ける心づもりがあるので、声のかけ方次第で大量のリードを獲得可能です。
Webサイト上で個人情報をフォームに記入して問い合わせをするよりも、ブースで名刺交換するほうがハードルが低いのも、リードを集めやすい理由です。その分見込みの薄いリードも多いという問題はありますが、すでに名刺交換をしているのでフォローやナーチャリングによって接点を持ち続けやすいという利点があります。
オンライン施策では出会えないターゲットと接点を持てる
どんなにオンライン施策をがんばっても、オンラインで接点を持てるのはオンラインでの情報収集に長けた人たちだけです。「インターネットはよくわからない」という理由でオンラインでの情報収集をしない層とは、決してオンラインで出会うことはできません。そして、そういう層が決裁権を持っていることも多いものです。
展示会ではオンラインでは出会うことができない層と接点が持てるので、オンライン施策とは別チャネルとして活用できると有効です。
展示会出展に向いているのは、どんな企業?
展示会への出展に向いているのは、「人員が豊富にいて、営業力がある企業」です。
展示会は直にターゲットユーザーと接触して話をしながら商品やサービスを知ってもらうので、営業力が勝負のカギとなります。営業力があれば、トークの中で商品・サービスの魅力を訴求でき、有効にアプローチできるでしょう。また、基本的に一対一で話をするので人員が豊富にいるほうが無駄なく対応できます。
逆に言うと、少数精鋭でインバウンド営業(Webサイトなどでユーザーからの接触を待つタイプの営業手法)をメインに行っていて対面での営業力に自信がない企業は、展示会にはあまり向かない可能性があります。
展示会の準備・当日・出展後までの流れは?
実際に展示会に出展するにはどのような準備をして当日に臨み、どのようなアフターフォローをしたらいいのか、時系列に簡単にまとめました。初めての方は参考にしてみてください。
- 展示会出展の目的・ゴールの明確化
- 出展する展示会の選定
- ブースや販促ツールの用意、集客
- 当日オペレーションの設計
- 出展期間中に状況把握&改善
- 獲得した名刺にフォローメールや電話
1. 展示会出展の目的・ゴールの明確化
まず、「何を目的として展示会に出展するのか」「展示会への出展で何を達成したいのか」を明確にします。「企業全体のブランディングのため」と「特定商品のリード獲得のため」では、出展すべき展示会も当日のブースの構成も変わってきます。
2. 出展する展示会の選定
前ステップで決めた目的に合わせて、テーマや客層を考慮して、出展する展示会を選びます。どの展示会に出展したらよいか決めかねる場合は、次のように情報収集をするとよいでしょう。
- 展示会に出展したことのある企業の知り合いに、その展示会の様子や成果を聞く
- 顧客ターゲットが似ている企業の知り合いにヒアリングする
3. ブースや販促ツールの用意、集客
ブースのレイアウトやデザイン、当日使う販促ツール(チラシや資料、ポスター、動画など)を制作します。ブースデザインは入口からの導線を考慮し、目に入りやすいよう気をつけましょう。既存顧客への招待状送付、SNSやメルマガでの告知も行います。
4. 当日オペレーションの設計
当日のオペレーションについて、次のようなポイントをあらかじめ決めておきましょう。
- 何人で運営するか
- 役割分担はどうするか
- 名刺やアンケートの保管方法
なお、人員に余裕をもたせ、当日の状況に応じて役割を柔軟に変更できるようにしておくと安心です。
5. 出展期間中に状況把握&改善
出展期間中は事前に決めたことをただこなすのではなく、状況を見ながら改善を行います。
- 来場者の反応によってメッセージを変える
- 人の流れが滞らないようブースの動線を変える
- 人員配置の見直し
また、目標に対する数値も毎日集計しましょう。
6. 獲得した名刺にフォローメールや電話
展示会が終わっても気を抜いてはいけません。名刺交換して終わりでは意味がないので、必ずメールや電話でアフターフォローしましょう。
展示会を成功に導くために重要なポイントとは?
展示会で成功するためには、重要なポイントが4つあります。
- 目的とKPIの明確化
- メッセージ設計
- 細やかなオペレーション設計
- ブースの位置とサイズ
ポイント1:展示会での目的とKPIの明確化
展示会の流れでも書きましたが、何よりも先に行うべきなのが目的とゴールの明確化です。
マーケティング活動の最終目的は、突き詰めると「売上拡大」になりますが、それでは目的達成までが非常に遠くなってしまいます。そこまでの中継地点となる、展示会に近いところまでブレイクダウンした目的とKPIを設定しましょう。
例えば、まだリリースして間もない商品であれば「ニーズ調査のためにできるだけ多くの新規リードを獲得する」、ある程度ターゲット層が定まっているならば「サービスとのマッチ度が高い●●というニーズのある見込み顧客を見つける」などの目的を設定します。
目的と同じくKPIも、最終的な売上だけではなくその手前の指標も置くと展示会の効果測定をしやすくなります。展示会で獲得したリードが最終的にどのくらいの売上につながったかの結果が出るまでには時間がかかりますが、「当日商談数」「後日アポ獲得数」「名刺獲得数」などをKPIとして設定しておけば、早ければ当日のうちに効果測定でき、翌日以降のオペレーション改善にも活かせるでしょう。
ポイント2:メッセージ設計(来場者に合っているか、差別化できているか)
どんな客層が来場する展示会なのかによって、刺さるメッセージは異なります。Webサイトやパンフレットに掲載しているキャッチコピーや説明文をそのまま流用しても伝わりづらい場合があるので注意しましょう。
以前、私たちferret Oneが展示会に出展した際にも、事前に入念に考えていたメッセージが全く刺さらなかった経験があります。当時の失敗について、少しご紹介します。
普段の商談でささるメッセージと、来場者にささるメッセージは違う
先日出展した展示会で、「ferret OneはWebマーケティングのオールインワンツール」というフレーズを使っていました。普段の商談では、お客様の反応がよいフレーズだったからです。にも関わらず、展示会の来場者にはまったく刺さりませんでした。なぜなのか?
このフレーズは商談でお会いする人たち、つまりWebマーケティングツールを探している人やferret Oneに対してある程度理解がある人に対しては、有効なフレーズでした。しかし、展示会でブースの前を通りかかるのは当然サービスのことを知らない人ばかりですし、ITリテラシーにもバラつきがあり「Webマーケティング」と言ってもピンとこない人もいます。「何なのかよくわらかない」「うちには関係ないサービスだ」と思われて素通りされてしまったのです。
他社との違いを明確にする
展示会翌日はメッセージを設計し直し、「BtoB専門 Web集客・マーケティング支援サービス」というメッセージに変更しました。
マーケティングの専門知識がない人でもピンとくるよう、「集客」という単語を入れました。また、「BtoB専門」と言い切ってしまうことで、BtoB向けのサービスを探している人たちに「自分たちが求めているサービスがあるかも」と興味を持ってもらえるケースが増えました。
来場者の方は多くのブースをご覧になっています。「さっき見たブースとは何が違うの?」と言われたときに、他社との違いを明確に伝えられるフレーズも用意しておくことも重要です。
来場者の客層に合わせ、かつ他のブースとの差別化ができているメッセージ設計にしたことが功を奏し、展示会1日目と打って変わり、2日目にはたくさんの来場者の方々にferret Oneを知ってもらうことができました。
■この時の様子は別の記事に詳しくまとめています
3日間で2,000件以上のターゲットリード獲得!ferret Oneが展示会で実施した「鬼速PDCA」とは
ポイント3:細やかなオペレーション設計
オペレーションルールを細かく決めて運用することで、キャッチやその後の流れがスムーズになります。
3分で説明できるトークスクリプトを用意
ferret Oneが展示会に出展した際は、キャッチ担当が3分以内にサービスの説明をできるようなトークスクリプトを用意しました。これがあれば、急な増員や配置転換で新しいスタッフが入った際も無理なく対応できます。
また、このトークスクリプトの中には3分の中でセールス担当に引き継ぐかどうかを見極める「判断ポイント」を設けました。
例えば、弊社のサービス「ferret One」はBtoB向けのサービスなので、BtoCのお客様をセールス担当に引き継いでしまうとお互いに時間の無駄になってしまいます。そこで、キャッチの段階でBtoBのお客様ではないと判断した方には「BtoBに特化しているサービスなので」とご説明し、セールス担当にはつながないというルールを徹底しました。
人の流れを予測して設計する
ブース周辺の人の流れを予測し、人が多く流れてきそうな方向に人員を多く配置するとオペレーションがスムーズになります。もちろん当日の人の流れが予測と異なるようならば、それに合わせて柔軟に変更する必要があります。
また、他ブースのセミナーの時間をチェックしておくことも重要です。セミナーの終了時間に多くの人が一斉に流れてくることが予想できるので、それを加味して人員スタンバイする必要があります。
ポイント4:ブースの位置とサイズ
出展位置を選べるようであれば、視認性がよく人の流れも多い角コマがオススメです。
コマを大きくとらないと角を選べないので、いい位置を取るためにはできれば2コマ以上で出展したいところです。逆に0.5コマのようなコンパクトすぎるサイズは、周りのブースに埋もれて視認性がガクンと落ちてしまいます。
また、入り口近くのブースはおすすめできません。「会場に入ってすぐに目につくからよいのでは?」と思うかもしれませんが、来場者は会場に入ってすぐ立ち止まるよりも、色々なブースを見るために奥へ入っていってしまいます。
やむを得ず入口近くになった場合は、社名や商品ロゴの入った紙袋やビニールバッグを配布するのがおすすめです。来場者はチラシや資料を整理するためにもらっていってくれます。袋は1つか2つあれば十分なので、入り口近くで渡せるほうが有利です。中にあらかじめ自社の資料を入れておくこともできます。
まとめ:展示会はWebとは違う客層開拓のチャンス
展示会は、オンラインとは違う層のリードを大量に獲得できるチャンスです。対面セールスに自信があれば、ぜひ出展を検討してみてください。
注意すべきポイントは4つ。
- 目的とKPIを明確にすること
- 客層に合っていて他ブースと差別化できている訴求メッセージを用意すること
- キャッチや商談をスムーズにできるようにオペレーションを設計すること
- ブースの位置とサイズに気を配ること
です。
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