MA(マーケティングオートメーション)って何ができるの?導入のポイントと改善事例

マーケティングオートメーションって何ができるの?導入のポイントと改善事例


MA(マーケティングオートメーション)とは、これまで手作業で行っていた見込み顧客へのメール送信や有望な見込み顧客の抽出を、テクノロジーで自動化するツールです。

BtoB業界は非常にMAと相性がよいといえます。その理由をはじめ、MAでできることや実際の活用事例、失敗から学んだMA運用の注意点を解説します

【関連資料】MA導入で失敗しないために!​​​​​​​BtoBマーケティングでの、MA導入のタイミング

  BtoB向け!Webマーケの体制構築における、MA導入のベストなタイミング 時に「魔法のツール」とも呼ばれるMA (マーケティングオートメーション) ツールは、社内の体制が不十分なまま導入しても、活用しきれなくなってしまいます。MAツールの導入に適した時期とは?本書では、MAツールので成果を上げるための前提ポイントや、デジタルマーケティングの体制を作る「順番」などを解説しております。 Webマーケティングツール『ferret One』


目次[非表示]

  1. 1.そもそもMA(マーケティングオートメーション)とは?
  2. 2.MAで自動化できることの例
  3. 3.なぜBtoB企業にはMAが適しているのか
  4. 4.MA活用事例 ーferret Oneチームの現状ー
  5. 5.MA活用事例 ーferret Oneチームの過去の失敗談ー
  6. 6.まとめ:MAは便利だが、成功には人間の思考力が必要不可欠


そもそもMA(マーケティングオートメーション)とは?

MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)はマーケティング活動の一部を自動化すること、およびそれを実現するためのツールです。

あらかじめ条件を設定しておくと、それに応じて自動でメールを送信したり、通知を表示したりできます。人が介在しないので「うっかり忘れ」を防止でき、浮いた労力を別の業務にあてることができます。

BtoBでのMAは、主に見込み顧客を発掘して育成し、受注見込みがあるリードとして営業部門に渡すまでの領域(デマンドジェネレーション)を担います。デマンドジェネレーションは次の3つのプロセスに分かれています。

  • リードジェネレーション:見込み顧客を集める
  • リードナーチャリング:見込み顧客を育成する
  • リードクオリフィケーション:見込み顧客を選別し、ランク付けする

この3つのプロセスを効率化してくれるのがMAなのです


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MAで自動化できることの例

MAで自動化できることの一部をご紹介します。このほかにも、ツールによってさまざまな機能があります。

見込み顧客とのコミュニケーション

BtoBの見込み顧客は検討期間が長く即購入することが少ないので、長期的に信頼関係を築く必要があります。MAを導入すると見込み顧客とのコミュニケーションを自動化できます


<MAで自動化できることの例>

  • ホワイトペーパーをダウンロードした顧客へ、セミナーの案内メールを送る
  • 重要なページを複数回閲覧した顧客がいたら、サービス案内メールを送る
  • 資料請求したユーザーへ架電するように、営業部へ通知する
  • 商談後、営業担当から顧客へフォローメールを送る


有望な見込み顧客の自動抽出

有望な見込み顧客の条件を設定しておくと、条件に合う見込み顧客を自動抽出できます。役職や所属会社の規模などの属性データのほか、特定のWebページ閲覧やメール開封などの行動をトラッキングして条件に加えることも可能です。


なぜBtoB企業にはMAが適しているのか

なぜBtoB企業こそ積極的にMAを導入するべきなのでしょうか。その答えはBtoBビジネス特有の購買行動が関係しています。

BtoBの顧客の特徴は「検討期間の長さ」です。BtoCのような衝動買いはほぼありません。長い検討期間に忘れられず検討対象であり続け、検討材料となる情報を提供し続けて他社より抜きん出るには、継続したコミュニケーションと信頼関係の構築が不可欠です。


しかし、長期間のコミュニケーションをすべて人力で行うと多大なコストがかかり、抜け漏れなどのミスも発生します。そこをカバーするのにMAが適しているのです。

ですから、BtoCの企業でも中長期的なコミュニケーションが必要な業態の場合はMAの導入を考えるとよいでしょう。実際に不動産や人材系の企業ではBtoCでもMAを導入しているケースが見られます。


MAを導入するべきではないケース

逆に、BtoB企業でもMAを導入すべきではないケースというのも存在します

MAは業務の一部を自動化できますが、それ以外の環境が整っていないとコストばかりがかかって威力を発揮できません。以下に紹介するのはMA導入にはまだ早いと思われるケースの例です

  • プロダクト戦略/マーケティング戦略が明確になっていない
  • リード数が少なく、人力でも十分対応できる
  • リードジェネレーション、ナーチャリングに使うコンテンツがない、作れない
  • 滞りなくオペレーションに対応できるチーム体制が整っていない

このような場合、MAを導入するよりもまず戦略を立ててコンテンツやチームを準備し、一定以上のリード数を確保するのが優先です。


MA活用事例 ーferret Oneチームの現状ー

ferret OneチームではどのようにMAを活用しているのか、事例としてご紹介します。

まず、現在ferret Oneチームで行っているMA活用法の一部をご紹介します。メール送信の自動化や提案チャンスの通知で、顧客とのつながりをより密にすることが可能です。


ホワイトペーパーをダウンロードした人にメールを自動配信

ホワイトペーパーをダウンロードする際にメールアドレスを入力していただいているので、啓蒙系のコンテンツを継続的にメールで配信しています。手作業で配信するのは手間がかかりますしミスやうっかり忘れの可能性もあるので、配信作業はMAで自動化しています。

どのホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーにもほぼ同じ内容のメールを配信していますが、見込み度の高いホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーのみ、次に必要となる情報を予想してシナリオを組み、最適化した内容を配信しています。こういった条件による分岐も可能です。


過去に問い合わせなどの接点のある人が特定ページを訪問したら通知

過去にMQL化(問い合わせ、資料請求、無料デモ希望)または商談化の段階まで進行したものの受注には至らなかった人が、後にferret Oneの重要ページ(料金ページ、問い合わせフォーム、資料請求フォーム、事例など)を訪問した際はセールスチームに通知されるよう設定しています。

重要ページを閲覧しているということは、再びferret Oneに興味を持ってくれている可能性が高いです。通知がきたら架電してコンタクトを取り、もし電話がつながらなくてもメールを送り、ニーズが生まれたタイミングを逃さないようにしています。


失注した際には次の提案時期を入力しておき、その時期に通知

商談が成立せず失注した際、再度提案ができそうならば次の提案時期を決めてMAに入力。そして、その時期がきたら通知されるよう設定しています。

こういったスケジュールを手動で管理していると忘れてしまったり見落としたりが発生しますが、通知がくるようにすれば間違いなく再提案ができます。また、スケジューラーなどのツールを使うよりも顧客情報や前回提案情報へのアクセスがスムーズです。


MA活用事例 ーferret Oneチームの過去の失敗談ー

こうしたMAの活用法が現在の形に落ち着くまでは、実は多くの失敗や試行錯誤の繰り返しでした。中でも多くの人がつまづきやすいと思われる失敗談を「こうすればよかった」という反省とともにご紹介します。


ランク付けの手法のひとつ「スコアリングモデル」

冒頭で説明した通り、MAではリードクオリフィケーション(見込み顧客の選別、ランク付け)を自動化し、有望な見込み顧客を自動抽出できます。選別やランク付けのために用いられる手法のひとつが「スコアリング」です

スコアリングでは「料金ページを閲覧したら10点、事例ページならば5点」「フォームから問い合わせをしたら50点」「一定の役職以上ならば加点」と行動や属性ごとに点数を決め、その積み重ねで見込み顧客をランク付けします。点数の集計はMAが自動で行ってくれますが、どの行動を何点にするかの配点は人間が決めて設定しなければなりません。

この際、たくさんの加点要素を用意すればするほどスコアリングが上手くいくかというと、必ずしもそうではありません。仕組みが複雑になればなるほど、その配点が正しいかどうかの検証が難しくなるからです。


スコアを細く設定しすぎることの落とし穴

これは実際の失敗談ですが、私たちはMA導入のタイミングで仮説を立て、もろもろのスコアを定めました。そこから実際に運用し、その後の案件化率、受注率を鑑みて修正が必要だと判断。しかしながら、スコアリングの仕組みが複雑すぎて各要素とスコアの検証のために、膨大なデータ分析をしなければならないという状況になってしまいました。各要素の重み付けをしっかりやろうという意識が強すぎて、「設定した配点を振り返って評価し、改善・改修を行っていく必要がある」という視点が抜け落ちていたのです。


MA導入時にいきなり複雑なスコアリング設定をするのではなく、まずは評価や検証がしやすい範囲で設定し、徐々に改善しながら細かく設定していくようにしたほうが、結果的に有効なスコアリングができるようになると感じました。また、次に記載するトリガーモデルの導入も検討することをおすすめします


スコアリングモデルとトリガーモデル、適切なものを選択すべき

MAがアクション(メール配信、セールスへの通知など)を起こすための条件には「スコアリングモデル」と「トリガーモデル」があります。


スコアリングモデルとは

トラッキングできる行動や属性に細かくスコアを付けて積み上げていき、一定スコアを超えたらアクションを起こす仕組みです

たとえば、有望な見込み顧客(ホットリード)をスコアリングモデルで自動抽出する場合、「スコアが一定値を超えたら有望と判断してホットリードのリストに入れる」といった設定をします。

スコアリングモデルは細かく条件を設定できるため、より細かな行動を元にリードの見込み度合いを判断できます。また、スコアの設定方法によっては、顧客行動によってニーズや課題感の強さまで判断できるかもしれません。しかし、そのぶん仕組みは複雑で、適切なスコア設定をするには膨大なデータの蓄積が必要です。前項でも書きましたが、検証の手間やコストも多くかかります。


トリガーモデルとは

何かアクション(動作)があった場合に、感知してアクションを起こす仕組みです

たとえば、有望な見込み顧客(ホットリード)を自動抽出する場合、トリガーモデルならば「特定のページ(料金ページや規約ページなど)を閲覧したらホットリードのリストに入れる」という風になります。


複雑な設定が必要なスコアリングモデルに比べて、トリガーモデルはシンプルです。シンプルな条件設定しかできませんが、その分不適切な部分がすぐわかるので検証・改善しやすいという利点があります。PDCAを早いスパンで回せるということです。どちらが良い/悪いというものではなく、それぞれ良い点/悪い点があります。

MAを利用する際には、どちらのモデルが適しているかを判断して条件を設定していかなくてはいけません。社内にデータサイエンティストのようなデータ分析が得意な人材がいる場合を除き、初めてのMA導入であればまずトリガーモデルでの運用から始めてみるとよいと思います。


まとめ:MAは便利だが、成功には人間の思考力が必要不可欠

MAはマーケティング活動の一部を自動化できる便利なツールです。一定条件による自動メール送信や有望な見込み顧客の自動抽出など、これまで人力で行っていた多くの作業を自動化することができます。

ただし、MAは導入すればすべてが上手くいく魔法のツールではありません。そもそも導入すべきかどうか、導入したらどのような形態で運用していくかは、きちんと「人間が」見極めて判断しましょう。

また、MAを導入するには、活用できるだけのまとまったリード数(見込み顧客)が必要です。現時点でリード数に課題がある場合は、まずはリードを増やす施策を行いましょう。たとえば、Webマーケティングの見直しを行ったり、展示会で名刺獲得をしたりといったことが挙げられます。

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One Tip編集部
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