リード数2倍超えの事例も!タクシー広告の効果最大化のポイントをノバセル中野氏が解説


Webマーケティング施策のPDCAを回す中で、さらに多くのユーザーへとリーチするためにタクシー広告を検討するBtoB企業は少なくありません。タクシー広告は、Webだけでは到達できないユーザーにリーチできる上、テレビCMのようなマス媒体の広告と比較して低コストで出稿できることから、興味を持っている担当者も多いことと思います。

一方で、タクシー広告はWebマーケティング施策と比べれば効果の可視化がしづらく、「投資対効果を最大化できるのか」といった不安から、実施に踏み切れないケースもあるかもしれません。

本記事では、前回解説した「テレビCM」編に続き、ラクスル株式会社で「ノバセル」のマーケティングを担当されている中野竜太郎様(@qtaro_marketing)による寄稿で、BtoB企業がタクシー広告に取り組むべき理由や、効果を最大化するためのポイントについて紹介していきます。

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解説をするのはこの人!

ラクスル株式会社
ノバセル事業本部 マーケティング部
中野 竜太郎 氏

Twitterアカウントはこちら:@qtaro_marketing

2017年、楽天株式会社に入社後ECコンサルタントとして200社以上を担当。その後、個人事業主でメディア運営、占い師、広告運用、マーケティング支援を行う。

2019年よりSaaSのマーケティング部門立ち上げを経て、2021年1月よりラクスルに参画。ノバセル事業のマーケティングを担当している。

目次[非表示]

  1. 1.タクシー広告の種類
  2. 2.タクシー広告の特徴は、そのターゲットが「BtoB企業のターゲット層に近い」こと
  3. 3.BtoBサービスにおけるタクシー広告成功事例①(ferret One)
  4. 4.BtoBサービスにおけるタクシー広告成功事例②(ノバセル)
  5. 5.タクシー広告の効果を最大化するためのWebマーケティング施策
  6. 6.仮説を持ったうえで、自社のターゲットに有効な施策を

 

タクシー広告の種類

タクシー広告はその名の通り、タクシー内に設置されているサイネージ上に表示させる広告です。大きく分けて2種類の媒体が存在します。

日本交通系のタクシーを中心とする株式会社IRISの「TokyoPrime」と、個人タクシーを含む東京都内のタクシーを中心とする株式会社ニューステクノロジーの「GROWTH」です。

広告枠は基本的なプランで1枠30秒で、1週間単位から出稿できる仕組みですが、それぞれ一回で表示される広告の枠数が異なり、表示方式にも特徴があります。詳しくは各社の最新版の媒体資料を参照ください。

基本プランの30秒の広告枠の他、タイアップ形式(インタビューなど)の動画コンテンツを制作する「メディア枠」という広告メニューもあり、訴求内容や施策に合わせて出稿することが可能です。


タクシー広告の特徴は、そのターゲットが「BtoB企業のターゲット層に近い」こと

タクシー広告を実際に見たことがある方であれば、「BtoB企業のCMが多く流れている」と感じたことがあると思います。事実、現在(2021年執筆時)もferret One(フェレットワン)の広告をはじめとする多くのBtoBサービスのCMが放映されています。実は、ここにタクシー広告ならではの特徴が現れているのです。

タクシー広告はオールターゲット向きの広告ではなく、特にBtoBサービスに相性がよい広告とされています。なぜなら、タクシーに乗車する人の多くは、「富裕層や経営者を始めとする決裁者層に近い」とされているからです。

各社の媒体資料によると、大型のオフィスビルにタクシー専用の乗り場を設けていたり、利用者の多くがビジネスシーンに関連したユーザーであることがわかっています。BtoBビジネスのターゲット層に近いユーザーがタクシー広告に接触する確率が高く、極端な言い方をすれば「BtoBに強いターゲティング型の認知広告」とも言えるでしょう。

上記で、タクシー広告のターゲットがBtoB向けサービスのターゲットに近いことを理解したものの、具体的にどういった効果が得られるのか、気になる方もいらっしゃると思います。

以下では、BtoB向けサービスのタクシー広告出稿の効果について、ノバセルがサポートした「ferret One(フェレットワン)」の出稿事例と、「ノバセル」の自社事例の2点を用いて解説していきます。


(中野氏)


BtoBサービスにおけるタクシー広告成功事例①(ferret One)

ferret Oneは2020年の秋に第一弾の放映を開始し、関東圏に配信エリアを絞り込み、5週間の出稿を実施しました。

その結果、タクシー広告開始前と比べて、指名検索数2倍、リード数2倍、商談数1.5倍となり、当初同社が想定していた目標を達成することができています。



施策の詳細についてはferret Oneの川鍋様が執筆された記事を参照していただくとして、この記事では、代理店側の視点で客観的に見たferret Oneのタクシー広告の成功要因を解説したいと思います。


①タクシー広告からWebサイトへ訪れたユーザーの受け皿が用意されていた

ferret Oneは、Webマーケティングの支援を行っている企業です。そのため、既に自社のWebマーケティング施策が充実しており、Web広告のLPからオウンドメディアまで、タクシー広告をきっかけに訪れたユーザーの受け皿がきちんと用意されています。受け皿となるWebサイトや広告LP上に入力フォームなどのコンバージョン導線があることによって、指名検索数の向上(認知)だけでなく、リード数と商談数の増加を実現できました。


②ターゲットのニーズを的確に捉えたクリエイティブを用意できた

上記に加えて、ターゲットユーザーのニーズと悩みを明確に捉えており、「誰でもすぐにサイトが作れる。結果を出せる。」という明確なメッセージを動画クリエイティブに落とし込むことができています。

特にタクシー広告は乗車ユーザーに決裁者や富裕層が多く、訴求メッセージはもちろん、彼らの興味を引きつけるようなクリエイティブ設計が必要です。

ノバセルがferret Oneへご提案を行った際も、定量調査とn1分析(※)を行った上で、事実に基づく訴求内容をベースに考えていました。闇雲にクリエイティブを作るのではなく、ターゲットを捉えたクリエイティブにこだわることが重要です。

※n1分析:顧客を「集団」としてではなく「個人」として捉えたうえで分析する手法のこと


BtoBサービスにおけるタクシー広告成功事例②(ノバセル)

次に、 ラクスルが提供している運用型テレビCMのサービス「ノバセル」のタクシー広告成功事例について解説します。

ノバセルでは、3週間のタクシー広告出稿を行いました。


その結果、放映前と比較しリード獲得は2.7倍、指名検索数は2.2倍、コンバージョンは3.3倍を達成することができました。

定量調査とn1分析を行いクリエイティブを制作し、自社のノウハウをお客様へのご提案に活かす検証も兼ねてタクシー広告施策を実施しています。

また、Webサイト上にもタクシー広告に出演いただいている黒谷友香さんの画像を追加し、タクシー広告から訪れたユーザーが迷わずコンバージョンできる設計にしています。その結果、上記のようなBtoBの事業会社として魅力的な成果に繋がったのです。

(ノバセルのWebサイト)


タクシー広告の効果を最大化するためのWebマーケティング施策

ここまで、ferret Oneと、弊社のノバセルの成功事例を解説しました。次に、タクシー広告に取り組むうえで「放映して終わり」にせず、「効果を最大化」するためには、何から取り組めば良いのかについても触れていきます。

上記の成功事例の2社に共通していますが、タクシー広告に取り組む前提として「Webマーケティング施策にしっかり取り組んでいること」が重要です。タクシー広告を出稿すれば、自ずとサービス名や企業名の指名検索が上昇します。しかし、検索数が伸びても、そこからタクシー広告で訴求したクリエイティブと一貫性がなければ、ユーザーはお問い合わせなどの次のアクションを起こすことができません。まずは、受け皿となるページを準備することが大切です。

タクシー広告をきっかけとしてWebサイトでコンバージョンすることもありますが、ほとんどの場合はタクシー広告に接触後、リスティング広告やSNS広告などWeb広告に接触してコンバージョンするという傾向が強いです。

そのため、認知から獲得までのファネルを整理した上で、「タクシー広告×Web広告」の掛け合わせを意識したマーケティング戦略設計を行うことをおすすめします。


また、Web上のコンバージョンポイントで、フォームに「タクシー広告を見ましたか」という設問を組み込みつつ、インサイドセールスのヒアリング時やフィールドセールスの商談時にも確認を取ることで、効果の可視化に繋がるでしょう。


仮説を持ったうえで、自社のターゲットに有効な施策を

この記事では、タクシー広告の特徴から事例、そして効果を最大化するために意識すべきことについて解説してきました。

タクシー広告はBtoB向けサービスを提供する企業にとって、メリットが大きい媒体の一つです。ただし、タクシー広告は手段の1つに過ぎず、出稿すれば必ず成功するものではありません。検討にあたっては「誰に何を伝えるか」と「目的」を整理した上で、タクシー広告が適切なら手段として選択すべきです。

タクシー広告の出稿は自社のターゲットに対して有効なのか、効果が見込めるのか、仮説を持った上で取り組んでみてください。

ノバセルでは自社の広告出稿の経験を踏まえ、広告出稿の目的の整理や分析からサポートを行っております。初めての取り組みで悩まれた際は、ぜひお気軽にご相談ください。



以上、ラクスル株式会社 ノバセル事業本部の中野様に、タクシー広告の効果的な活用方法についてご紹介いただきました。ラクスル様のタクシー広告の例が、皆さまの施策の参考になりましたら幸いです。

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One Tip編集部
One Tip編集部
One Tipは、Webマーケティングツール「ferret One」から生まれた、「リード獲得の打ち手が見つかるメディア」です。 BtoBマーケティングにかかわる人にとって、価値あるコンテンツをお届けしていきます。 Twitter:@ferret_One_

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