タクシー広告って実際どうなの?ferret Oneにおける取り組みの「効果」と裏側を公開!
タクシー広告やその効果について気になったことはありませんか。
弊社でも2年ほど前から、他のBtoB SaaSベンダーなどのように、いずれはタクシーCMに出稿したいと考えていました。
そして、昨年の10月頃より、弊社の「ferret One(フェレットワン)」でも小沢真珠さんを起用したタクシーCMを実施しました。
この記事では、タクシーCMを配信するに至った理由や考えていたこと、実際の効果についてお答えしたいと思います。
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解説するのはこの人!
川鍋 裕輔(かわなべ ゆうすけ)
株式会社ベーシック ferret One事業部 マーケティング責任者リクルートで営業として新人賞、MVPなどの賞を受賞後、Web業界へ転身。立ち上げ間もないSEOベンダーを経て2010年、ベーシックに入社。アプリ関連事業を中心に複数の事業を立ち上げ、アドネットワーク事業の事業責任者に。その後担当事業の事業売却を経て、現在はferret Oneのマーケティング責任者を務めている。
Twitterアカウントは@y_kawanabe
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タクシー広告を実施するまで
タクシー広告の実施前は、費用や効果、効果測定の方法など、分からないことだらけでした。それでも、タクシーに乗車する方は役職者の方が比較的多く、「決裁者への認知獲得を目的としたCMの実施」は効果的だと考えていたのです。
また、タクシーCMを実施しているサービスはサービスそのものが好調な印象もあり、適切なタイミングで是非実施したいと考えていました。
タクシー広告の費用について
タクシー広告の費用は、配信費用と制作費用の2つで構成されています。
配信費用は、都内のタクシー会社に配信を依頼する場合、動画の秒数や配信される順番によって異なりますが相場は1週間あたり200〜600万円程度です。
動画の制作費用は、起用するタレントやロケーション、カット数などでも変わるので一概には言えませんがおよそ数百万円から数千万円前半くらいが相場ではないでしょうか。
当時の弊社の広告予算からすると、タクシー広告にかかる費用はかなりの高額でした。そのため、実施を検討するにあたっては、費用対効果や実施目的、検証項目などを細かく整理する必要がありました。
タクシー広告の実施を決めたきっかけ
高額な費用がかかる為、実施時期については中期的に検討をしていましたが、昨年の秋のタイミングで実施することを決めたきっかけが2つあります。
1.獲得リードからの受注率が高まってきた
セールスチームのスキルの標準化や提案資料の精度向上などの頑張りによって、以前は課題にもなっていた「リードからの受注率」が高まってきていました。リードからの受注率が高ければ、マーケティング施策の費用対効果が上がります。このタイミングであれば、タクシー広告施策の費用対効果を最大化できると判断しました。
リードからの受注率が低いままの状態で広告投資をしても、成果は伸びません。リードからの受注率が低い場合は、タクシー広告を実施する前に、リード受注率を一定水準まであげることを優先すべきだと思います。
2.決裁者の認知不足による失注が続いた
ある時、現場の担当者は様々な情報収集と検討を重ねた上で、弊社の「ferret One(フェレットワン)」の導入に前向きであるにも関わらず、決裁者が弊社のサービスを認知していないために失注することが立て続けに起こるということがありました。
「決裁者の認知」はBtoBマーケティングにおいて非常に重要なポイントだと考えています。自分自身が発注する立場となって考えてみても、自分自身が知らないサービスに関しては導入の意思決定が難しいものです。特に弊社の「ferret One(フェレットワン)」の導入費用は数百万円〜と、一般的に言えば高額の部類に入ります。高額であれば、意思決定はさらに難しいものになります。
決裁者との商談は、担当者との商談と比較して2〜3倍程度の受注率でした。タクシー広告により、決裁者層と効果的な接触ができ、認知を高められれば「ferret One(フェレットワン)」の受注を効果的に増やせるタイミングではないかと考えたのです。
タクシー広告の費用対効果の想定値の算出
タクシー広告で得られる効果とそれが現れる指標について整理します。
上記はタクシー広告の実施によって想定される効果です。
こちらを踏まえて、検証指標には「指名検索数」「リード数」「商談数」「商談受注率」「受注件数」をおきました。
そして、そのなかで実際にどのくらいの指名検索数の増加が見込めるのかについては、2つの軸で試算し仮目標を立てました。
試算した2つの軸
・広告配信回数などからアクション率を加味して検索数を想定して算出
・他社事例での指名検索数の増加率(数)を自社のケースに当てはめて算出
これらの仮説立てを通じ、最終的には、当時の指名検索数の約2倍の指名検索数(月間の指名検索数が数千回相当)を目標値と設定しました。そこからサービスサイトのCVRやアポ率、案件化率、受注率などを考慮し、受注件数の想定効果を算出したのです。
ただし、受注件数の想定効果はあくまでも直接的な効果のみです。そのため、中長期で貢献する間接効果まで含めると、多少想定の受注件数に満たなくても、中長期で見れば効果があるかもしれません。
※実は、検証指標として「リスティング広告などの運用型広告のCPA低下」もあるのではと思い、モニタリング指標として設定しましたが、こちらについては結果としてあまり変化が見られませんでした。
タクシー広告を実施した結果(効果)
実際に、2020年秋にタクシー広告を実施した際の結果をお伝えします。配信エリアは首都圏のみ。実施期間は2020年10月中旬から2020年11月後半までの計5週間です。出稿金額は数千万円前半でした。
※受注率・受注数については商談リードタイムを考慮し、広告配信終了後2ヶ月後までを計測
指名検索数は想定通り約2倍の水準になり、同様にサイトからのリード数も約2倍、商談数についてはリード数の伸びほどではないものの広告実施前の1.5倍となりました。
(商談数の伸びがリード数の伸びと比較して緩やかなのは、おそらく認知はしてもらえたがまだ興味レベルが浅い段階のリードも増えている影響だと思われます)
商談受注率については商談リードタイムもあるためじわじわですが高まってきています。
直接的には、経営者から「タクシーで広告を見て導入したいと思いました」という声をいただいたり、「タクシー広告を見た社長から共有を受け問い合わせました」といった声もありました。
また、タクシー広告のおかげで、初回接触からのリードタイムが1週間程度で受注に至ったケースや、元々商談中のお客様の上司がタクシーCMを見たことによって稟議がスムーズに通ったというケースもありました。このあたりは期待通りの効果だったと言って良いと思います。
結果的に、受注件数も想定していた件数を達成。タクシー広告出稿は初めてでしたが、成果としては概ね想定効果を上回れたので、及第点だったと思います。
成果に繋がったポイント
今回のタクシー広告施策を振り返って、成果を出すのに重要だと感じたポイントをいくつかご紹介します。
①訴求ポイントを絞る
タクシー広告を計画する上で、もっとも頭を悩ませたのは訴求ポイントをどこにするかでした。
ferret One(フェレットワン)はノーコードのCMS機能もあれば、メール配信やリード管理機能、また、マーケ戦略設計をはじめとするノウハウ提供など、強みや特徴が多岐に渡ります。しかし、タクシー広告は30秒が一般的な尺であり、その30秒では説明しきれないため、訴求を絞り込む必要がありました。
訴求を絞り込む作業は、今回サポートしてくださった代理店さんにかなりご尽力いただいた部分で、代理店さんにお願いしてよかったと感じています。
また、絞り込みと違う軸の話にはなりますが、代理店さんからのアドバイスで、これまでサービス名を「ferret One」とアルファベットで訴求していたものを「フェレットワン」とカタカナで訴求することとしました。
我々は従来のアルファベット表記に慣れていましたが、初めてサービスに触れるお客様にとっては、アルファベットでは覚えにくく、広告を見た後に検索しにくいという指摘からでした。
結果として、カタカナの「フェレットワン」の指名検索数が明確に伸びました。
②検証する効果項目を事前に設計する
タクシー広告を実施する場合においては、元々運用型広告を一定の金額をかけていた弊社でもどんな効果が出るのかが不明であり、実施可否については様々な議論がありました。しかし、事前に実施目的と検証項目を設定し、且つその目標をクリアできたことで、継続的な出稿につながっています。
どんな施策においても共通しますが、実施前の検証項目の設計は非常に重要なのでしっかり時間をかけて議論したいところです。
③事業への理解と実績でパートナーを選ぶ
タクシー広告の実施を検討されている方々は、どのようにパートナーや媒体を選定していいか悩むことと思います。
弊社における企業・媒体選定の最終的な決め手は、以下の2点です。
・提案がインサイトを突いていたこと
・BtoB企業における実績があったこと
初めての場合は、様々な知見や実績を持っている広告代理店に相談するのが良いかと思います。
補足:タクシー広告用に制作したクリエイティブは他用途でも活用できる
弊社では、タクシー広告放映開始1週間後から、タクシー広告のクリエイティブを、Twitter広告、Facebook広告、YouTube広告、サービスサイト掲載、プレスリリースで副次的に使っています。
Facebook広告・Twitter広告でも広告配信をしたところ、比較的良いCPAでリードを獲得できています。また、今回初めてYouTube広告も実施しましたが、予想に反して直接的なCVを獲得することにも繋がっていました。(当初の目的は認知獲得で、特に短期的なCVは期待していませんでした。)
タクシー広告第二弾も放映!
本記事では、ferret Oneにおいて2020年10月から11月にかけて実施したタクシー広告施策第一弾の効果と取り組みの裏側をお伝えしました。
また、先日5月10日からは第二弾として新たなクリエイティブを制作し、引き続きタクシー広告を継続しています。
タクシー広告は全ての効果を可視化しやすいオンライン広告と違って効果が不透明なところもあります。それゆえ、「施策を打てば効果が出るだろう」ではなく、実施前の検証指標の設計と訴求ポイントの磨き込みをしっかり行い、効果的な施策実施ができるように心がけていきましょう。
オフライン広告に限らずBtoBマーケティングでお悩みのことがありましたら是非「ferret One(フェレットワン)」へご相談下さい。
本記事がBtoBマーケティングを実施されている方のお役に立てば幸いです。
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