引用のやり方とは?編集部が教えるWebでの正しい書き方
インターネットで調べ物をしている時に、「引用元:●●」といった文字を目にしたことがあるのではないでしょうか。インターネットのコンテンツだけでなく、レポートや文献にも「引用」はよく活用されています。
「直接引用」「間接引用」「孫引き引用」など複数の種類がある「引用」。今回は、引用の種類やインターネットでの引用のやり方、引用の注意点などを詳しく解説します。
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引用とは
引用とは、書籍やインターネット上にある文章をそのままの状態で記述することです。自身の理論を証明・解説するために利用されます。
情報源を明らかにすることで、著作者の権利を守るためのものです。
- 誰が書いた
- どの本・論文・URLから引用した
を正しく表示する必要があります。
ただし、間違った引用を行えば、著作権侵害となってしまうケースもあります。引用はルールに乗っ取り、正しく活用しましょう。
直接引用(短い箇所の引用)のやり方
直接引用とは、引用元の文章をそのまますべて使用することです。引用する際に、1文字でも書き換えてはいけません。
原文に文字の誤りがあった場合も、書き換えないよう注意しましょう。その際、間違っている状態が正しいことを読者に伝えるために、(原文ママ)という文言を最後に付け足してください。
【2022年に佐藤氏が発表した文献の92ページにある記述を引用した場合の表記方法】
- 例1 :佐藤(2022)は、「〜である。」(p.92)と定義している。
- 例2 :「〜である。」(佐藤.2022.p.92)と定義される。
引用したい箇所が複数ページにまたがる場合
引用したい文章が1ページ内に収まっていない場合は、ページ数の前に「pp.」を付け、「pp.○-○」と書き記します。
【2022年に佐藤氏が発表した文献の92~93ページにある記述を引用した場合の表記方法】
- 例1 :佐藤(2022)は、「〜である。」(pp.92-93)と定義している。
- 例2 :「〜である。」(佐藤.2022.pp.92-93)と定義される。
翻訳書など、他者が引用した文章をさらに引用する場合(孫引き)
孫引きとは、引用する際に自分が直接引用元から用いるのではなく、他者が引用した文章を引用元をたどらずにそのまま使用することです。
孫引きは、どうしても使わざるを得ないケース以外は可能な限り避けましょう。
引用からの引用では、正確な情報を引用できているとは言えません。引用する原本が絶版していて、どうしても原本からの引用が難しいケースなど限られた場合に限り、孫引きを活用しましょう。
【2000年にアメリカのAbc氏が発表した論文を、2022年に佐藤氏が翻訳したものを、引用で使用した場合の表記方法】
- 例:(Abc, 2022 佐藤訳,2000, p.92)
ブロック引用(長文の引用)のやり方
引用したい文献を、長文で記載する場合の引用方法がブロック引用です。
長文引用では、「 」(カギカッコ)を使用しません。引用する箇所を記載する時は上下に1行ずつスペースを空けます。引用する文章は、すべて2文字下げます。
記述の際は、必ずそのままの内容を記述してください。(誤字脱字を見つけた場合は、「原文ママ」の記載をしましょう。)
【佐藤氏が発表した文献「引用のしかた」の文章を引用した場合の表記方法】
例:
佐藤氏は、著者「引用のしかた」において
あああああ・・・・
あ・・・・・・
あ・・・・・・
あ・・・・・・
あ・・・・・・・・・・・・・・・・。
と述べている。
間接引用のやり方
間接引用とは、引用元に書かれている内容を自身で要約して使用する方法です。自身の文章と、引用元を要約した部分が明確に区別できなくてはいけません。必ず出典元の明示したり、引用部分を工夫しましょう。
また、要約によって引用元の著者の意図が誤って解釈されることの無いよう注意が必要です。引用元の文章を正確に理解した上で、要約・引用しましょう。
【2022年に佐藤氏が発表した文献の記述を要約して引用した場合の表記方法】
- 例1 :佐藤(2022)によると、効果的な経済活動には5つの項目が欠かせない。
- 例2 :Web集客と顧客の習熟度に関する研究が実施されている(佐藤.2022)
著者が複数人の場合の引用のやり方
著者が複数の場合は、どのように引用すればいいのでしょうか?詳しく解説していきます。
引用元原本の著者が2名の場合
引用元原本の著者が2名の場合は、引用のたびに両者の姓と出版年を記載しましょう。「1人目の著者名 他」のように、省略してはいけません。日本人著者の場合は、両者の姓の間を「・」で区切ります。外国人著者の場合は「&」で区切りましょう。
【2000年に佐藤氏と山田氏が発表した文献の記述を引用する場合の表記方法】
- 国内文献の場合 (佐藤・山田,2000)
【1980年にAbc氏とDef氏が発表した文献の記述を引用する場合の表記方法】
- 外国文献の場合 Abc& Def(1980)
引用元原本の著者が3名以上の場合
引用元原本の著者が3名以上の場合は、最初に引用した時のみ全員の姓を記載しましょう。2度目からは「筆頭著者他」や「著者ら」と略して記載して問題ありません。
決して初出時から略さないよう注意しましょう。
【2000年に佐藤氏他3名が発表した文献の記述を引用する場合の2度目以降表記方法】
例
- 国内文献の場合 佐藤他(2022)
- 外国文献の場合 ( Abc et al., 2022)
複数の文献を同じ個所に引用するやり方
同じ箇所で複数の文献を引用する場合は、同じ( )内に並べて「;」で区切りましょう。
順番は、著者の姓をあいうえお順で並べます。国外文献の場合は、アルファベット順で記載します。引用元がWebサイトの場合は、サイト名のあいうえお順で記載します。
よくある記述の間違いは、出版年順で書いてしまうことです。注意をしましょう。
同じ著者の文献を複数引用する場合は、出版年順で記述して、「, 」で区切ります。
【2013年にAbc氏が書いたものと、1999年にHijk氏が書いたものと、佐藤氏が2007年に書いたものと、同じく佐藤氏が2022年に書いたものを引用した記載方法】
例:(Abc,2013;Hijk,1999;佐藤,2007,2022)
同じ文献を何回も引用したい時のやり方
同じ文献を何度も引用するのは、連続引用です。
同一ページ上で、2回目以降の引用をする際は、「著者の姓のみ」を記載します。年号は省略可能です。ただし、新たなページに移ったら、再び「著者の姓と年号」の記載が必要となります。
これにより、引用の記述が現れた際、読み手が引用元の確認をするために前ページを遡る手間を省けます。スムーズに読み進めてもらうために、不可欠な記述です。
インターネットの文章を引用するやり方
Webサイトからの引用の場合は、URLとWebサイト名を記載します。引用該当ページのタイトルは「〇〇」と表記しましょう。
「無断引用不可」「無断転載不可」の意思表示があるWebサイトからは引用できないので、注意が必要です。
はっきりとどこの箇所か示すために、段落の何行目、など表記することをおすすめします。
図や表などのデータを引用するやり方
論文やコンテンツを制作する時、引用されるのは文章だけではありません。集められたデータや数値を、図や表などにして引用する場合があります。
ここでは、データをわかりやすく引用する方法を紹介します。
数値だけ記述する
示したい数値の個数が少ない・文章表現のみで伝わりやすいなどの場合は、数値記載のみで問題ありません。
数値が少ないのに図や表を使うと、情報が伝わりにくい可能性があるため、注意が必要です。
例
Aマーケティング会社の調査によると、「BtoBマーケティングの仕組み理解が難しい」と回答した割合は45%、「プロマーケターの支援を得て仕組み作りができている」と回答したのは20%だった。
自分で図や表を制作して記載する
数値や比較の項目などが多く、文章だけだと伝わりにくい場合は、図や表を用いましょう。
情報元にわかりやすい図表が挿入されていても、コピペは禁止です。著作権を侵害する可能性があります。
作業工程が増える手間は生じますが、参考にできるお手本があるため、より分かりやすいモノを作れるメリットがあります。自分でエクセルなどのツールを使用して、図表を制作してください。
例
Aマーケティング会社の調査によると、「BtoBマーケティングの仕組み理解が難しい」と回答した割合は45%、「プロマーケターの支援を得て仕組み作りができている」と回答したのは20%だった。(図1)
図1.BtoBマーケティングの取り組み方に対する意識調査
(Aマーケティング会社の調査より制作)
引用する際の注意点
上手に活用することで自身の文献・コンテンツの信憑性が高くなったり、理論を立証しやすくなる「引用」。では、引用の際にはどのような注意点があるのでしょうか?
引用内容に手を加えない
引用する際は、内容に決して手を加えてはいけません。手を加えた時点で、それは引用ではなくなります。
また引用元が漢字の間違いがある場合なども訂正してはいけません。すべてそのまま利用することが、引用を行う最低条件です。
引用と自身の文章を明確にわける
引用した文章を自身の文章を明確に分けましょう。明確に分かれていない状態では、読者に誤解を与えます。
まるで自身の文章かのように見えた場合、著作権の侵害になることもあります。フォントや字体を変える、空白を活用する、など明確に引用箇所がわかる状態にしましょう。
自身の著作物が主体であるために主従関係を明確にすること
引用は必要性がある時のみ合法となる手段です。自身の著作物やコンテンツが主体であり、表現のためにどうしても必要な時にのみ活用します。
引用先の紹介であったり、引用先がメインとなるようなコンテンツは、引用は著作権の侵害です。自身の著作物が主体となり、引用との主従関係を明確にしておきましょう。
引用元の文章が他の著作権を侵害していないか注意する
見つけたコンテンツや文献がすべて安全なものとは限りません。他の著作権を侵害しているものを引用した場合、引用した自身の責任も問われます。
引用の際は、必ず元の文章が他の著作権を侵害していないか確認するようにしましょう。
引用のやり方をマスターして適切な文章を作成しよう
引用は、自身のコンテンツや文章の裏付けをしたり、立証するのに非常に有効な手段です。
引用の必要性や表記の注意点など気を付けるべきポイントをしっかりとマスターできれば、よりコンテンツをグレードアップできるでしょう。
引用のルールをしっかりと理解して、適切な文章・コンテンツを作成してください。
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