リスティング広告を自分で始めるには?設定方法と効果的な運用のコツ


リスティング広告と聞くと「専門的で難しそう」「何から手を付けていいのかわからない」と感じるかもしれません。しかしそのイメージとは裏腹に、低予算でその日から自分でできる、お手軽なWeb広告です。

今回は、新しくWeb広告の担当になった方や新しくリスティング広告に取り組む方に向けて、リスティング広告を自分で出稿できるまでの設定方法や運用のコツを解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.自分でリスティング広告を運用する際にできること
  2. 2.リスティング広告を自分で出稿するまでの流れ
  3. 3.リスティング広告に必要な予算や目安の立て方
  4. 4.自分でリスティング広告をするときの運用ノウハウ
  5. 5.自分でリスティング広告を始めてみよう


自分でリスティング広告を運用する際にできること

リスティング広告とは、検索結果一覧に出てくるテキスト型の広告です。広告をクリックしてもらい指定のWebサイトに訪れてもらうことで、商品・サービスの購入や、資料請求につなげることが目的です。

リスティング広告で出来ること

  • 自分ひとりでも始められる
  • 少額予算(1,000円~)からお試しできる
  • 広告予算の上限を自由に決められる
  • 予算の分配方法も自由に決められる
  • 即日広告が掲載できる
  • 広告の内容を自分で作成できる
  • コンバージョン率の高い層にアプローチできる


自分ひとりでも手軽に始められるリスティング広告。その魅力は柔軟性の高さです。広告内容を柔軟にカスタマイズできるので、ターゲット層に向けてピンポイントに広告が打つことができます。出稿後は広告設定を定期的に振り返り、費用対効果を高める(運用する)ことが大切です。

運用作業をまるっと代理店に依頼する方法もあります。しかし、自分でリスティング広告の仕組みを理解し出稿できるようになれば、代理店とも対等に会話ができるようになり、ゆくゆくは自分だけで運用できるようになるためおすすめです。

関連記事:リスティング広告とは?出稿の仕方や入札の仕組みを解説


リスティング広告を自分で出稿するまでの流れ

リスティング広告はGoogle広告とYahoo! 広告の2種類に分けられます。ここでは、リスティング広告市場の9割を占めるGoogle広告を基準に解説します。

Googleでリスティング広告を掲載する場合の、全体の流れは以下の通りです。


やるべき項目がたくさんあるように見えますが、一つひとつは数分で完了する作業ばかりです。


1.Googleのアカウントを作る

Google広告を始めるためには、Googleアカウントが必要です。Gmailを使ったことがある人はすでにGoogleアカウントを持っていることになりますので、次の②の手順に進んでください。

▼登録画面

▼記入項目

氏名・ユーザー名(希望のアドレス文字列)・パスワード・電話番号(省略可)
セカンダリメール(省略可)・生年月日・性別・プライバシーポリシー同意

登録作業数分でGoogleアカウントを作成できます。

※Googleアカウント作成はこちらから


2.Google広告のアカウントを作る

Googleのアカウントが準備できるとGoogle広告のアカウントが作れるようになります。ブラウザで「Google広告」と検索し、Google広告エントリーページにアクセスしましょう。


ページ内の「今すぐ開始」ボタンを押すことでアカウント登録がはじまります。

Google広告のアカウント情報は「⊕新しいGoogle広告アカウント」を選択するだけで自動作成されます。①で準備したGoogleアカウント情報を引き継いでくれるからです。


3.広告の目標を決定

次に、リスティング広告の目標を聞かれるので、希望のコンバージョン内容を選択してください。

4.広告物の名前を記入

打ち出したいお店や商品、サービスを記入します。

ここに書かれた文字列が検索された際に、今準備しているリスティング広告が表示されるようになります。


5.リンク先のサイトを決定

リスティング広告は、ブラウザ検索一覧にリンク付き文章を掲載する広告です。広告文をクリックした際に遷移するWebページを決めます。


このWebページで達成する目標と、「③広告の目標を決定」の内容を一致させるのがポイントです。例えば、広告の目標が「商品購入を伸ばす」にもかかわらず、購入ボタンがないサイトを載せるのは適切ではありません。

リンク先には、サービスサイトのページではなく、リスティング広告に特化したLP(ランディングページ)を載せることもあります。

関連記事:LPルLP作成ツールおすすめ9選!選び方のポイントも


6.広告文を作成

ここではリスティング広告として掲載されたときに見える文章を作ります。



広告見出し1
青字部分の先頭にくる一番目につく文章です。
検索者のニーズに刺さる具体的なワードを端的に。
広告見出し2
青字部分二番目区切りの文章です。
ここでは自社のUSP(独自の強み)や魅力的なオファーを提示し、強い"引き"を作ります。
広告見出し3
青字部分最後の区切りに載る文章です。
プレビューでもわかる通り、見出し全体の文章が長いと途中で切れてしまいます。見出し2で載せるUSPやオファーを細切れにして見出し3に載せましょう。
説明文1
見出しの補足をする箇所です。見出し2や3で書いたUSP・オファーの根拠を説明したり、検索者が安心してクリックしてくれそうなフレーズを載せたりしましょう。
説明文2
説明文1の規定文字数にはみ出した分はこちらに書きましょう。広告表示エリアを広げるために、文字数上限いっぱい書くのがポイントです。


ユーザーの目に触れるところなので、ニーズを的確にとらえ、思わずクリックしたくなるような魅力的な文章を書く必要があります。競合のリスティング広告がどんな広告文を掲載しているのか分析してみましょう。


7.キーワードのテーマを決定

キーワードテーマとは、キーワードの検索結果にリスティング広告を表示させやすくするためのものです。仕組みについてはGoogle広告の公式ページで解説しています。

キーワードのテーマはそれぞれ、複数の類似した単語とフレーズで構成されています。たとえば、「パン屋」というキーワードのテーマでは、ユーザーが「近くのパン屋」、「地元のパン屋」、「ケーキ屋」と検索した際に広告が表示されます。

Google広告ヘルプページより引用

キーワードにふさわしいテーマを作成するか、候補の中から選択してください。


8.配信エリアを決定

リスティング広告は配信エリアを指定できます。

特定店舗にユーザーを集客したい場合は、店舗周辺のエリアだけに絞って広告配信をすることも可能です。コンバージョンしたい目標に合わせてエリアを設定してみましょう。


9.予算を決定

Googleのリスティング広告では、最低金額1,000円から始められます。掛ける金額に応じてリスティングの掲載順位が上位に設定されたり、広告のクリック上限回数が増えたりするので、金額が大きいほど純粋に広告効果は高まります


予算の目安額がわからない人は、Google広告が提案してくれる予算のオプションを活用するのも手です。1日に掛かる金額から月額費用を算出し、広告クリック回数の目安まで教えてくれます。慣れてくれば予算を自分で設定することも可能です。


10.支払方法を決定

最後に支払方法を設定してリスティング広告掲載の準備は完了です。


支払方法は下記の通りです。

  • クレジットカード
  • デビットカード
  • コンビニエンスストア
  • Pay Easy(ペイジー)
  • 振込
  • 毎月の請求書発行

「毎月の請求書発行」については、以下の一定条件を満たす場合のみ可能です。

会社を登録してから 1 年以上が経過していること。
有効な Google 広告アカウントを 1 年以上良好な状態で保有していること。
過去 12 か月のうち、お支払い額が 50 万円以上(この額は国によって異なります)の月が 3 回以上あること。

Google広告ヘルプページより抜粋


また、支払い方式に応じて以下の2パターンどちらかを選択することが可能です。

  • 自動支払い:広告掲載後、最後の自動課金から 30 日が経過するか、あらかじめ設定した金額(限度額)に達するかの、どちらかが先に発生した時点で自動的に課金されます。また、費用の管理上必要なときはいつでもお支払いを行うことができます。
  • 手動支払い:任意の時点で料金を前払いします。この設定では、広告が掲載される前に料金をお支払いいただきます。その後、広告が掲載されて費用が発生すると、前払いした金額からその費用が差し引かれます。支払い残高がなくなると、広告掲載は停止されます。

Google広告ヘルプページより抜粋


支払方法の記入が完了すると、リスティング広告の掲載がスタートします。


リスティング広告に必要な予算や目安の立て方

リスティング広告を出す際に一番悩むのが予算の決め方です。2022年5月現在のGoogle広告では、予算を提案してくれる「予算のオプション」機能が備わっているので、初めのうちはそちらの機能を活用するのも手です。

ここでは、キーワード「web マーケティング 商品」で予算を算出する場合を例として、さらに具体的な予算の立て方を解説します。リスティング広告を効果的に運用する方法を身につけていきましょう。

予算算出に必要な数値は以下の3項目です。

  1. 目標CV数
  2. CVR
  3. クリック単価


1.目標CV数

CV(コンバージョン)とは、Webサイト上で獲得できる成果を意味します。Webサイトといってもたくさんあるので、成果はWebサイトごとに異なります。

今回はWebマーケティングの自社サービスに関する資料請求を成果目標に設定します。ここでは10件の資料請求を目標CV数とします。

目標CV数
10件


2.CVR

CVR(コンバージョン率)とは、そのサイトに訪れた人がどれくらいの割合でCVに至ったか(成果を残したか)をパーセント表示したものです。リスティング広告用のサイトにGoogleアナリティクスが導入されている場合、CVRを調べられます。

この調査ができない場合はCVR=1%としてください。CVRの平均値は約1%と言われているからです。

CVR
1%


3.クリック単価

リスティング広告は、クリック課金型の広告です。検索一覧に表示されるだけでは広告料は発生しません。クリックされて初めて広告費がかかる仕組みです。

そして、クリックして発生する価格のことをクリック単価と呼んでいます。


「低価格帯 = ¥232 高価格帯 = ¥699」のように、クリックしたときの金額に振れ幅があります。これは、広告が表示される時に入札制度を設けていることを表していて、高価格帯の金額に近いほどリスティング広告の表示回数が増えたり掲載順位が優位になったりします。

ここでは、高価格帯である¥699の数値を採用して予算を出します。

クリック単価
¥699


予算を算出する

目標CV数・CVR・クリック単価の各数値が出そろったので、具体的な金額を計算していきましょう。

CV単価 = クリック単価 ÷ CVR
69,900 = 699 ÷ 1%


次に目標CV数の10件を獲得するために必要な費用を出します。

CV単価 × 目標CV数  =費用
69,900 × 10 = 699,000円


金額が予算よりオーバーするようなら、クリック単価の低いキーワードで再設定したり、クリック単価を中価格帯近くまで引き下げたりして調整しましょう。ただし、クリック単価を下げすぎると、広告表示回数が減少し、ターゲットへ適切にアプローチできなくなります。キーワードを変更することで金額調整する方が望ましいでしょう。

関連記事:リスティング広告の費用相場とは? 適正予算の決め方とコストを抑える運用方法


自分でリスティング広告をするときの運用ノウハウ

ここからはリスティング広告を効率的に運用していくためのポイントを解説していきます。

  • 運用していくためのタグ設置
  • クリック単価を下げるための方法
  • リスティング広告を表示しやすくするための方法


運用していくためのタグ設置

リスティング広告は運用を前提にしたWeb広告です。運用とは、Webサイトの数値分析を通してクリック単価を下げながらもCVを高めていくことです。

数値を分析するためにはWebサイトのソース内にタグを設置する必要があります。タグを設置することで、CVやCVRを把握でき、改善へ繋げられるようになります。


運用していくために着目する数値

リスティング広告を効果的に運用するために知っておきたい数値(言葉)について解説します。

CV
(コンバージョン)
Webサイトで獲得した成果を指します。成果の内容についてはWebサイトごとに異なります。
例:お問い合わせ・資料請求・商品購入など
CVR

(コンバージョン率)

Webサイトに訪れた人のうちCVに繋がった人の割合を示す数値です。CVRが上がると、クリック回数を抑えながらCV数を増やせるので、リスティング広告にかかるコストを下げられます。
例:Webサイト訪問者が100人で、そのうちCVした人が3人だった場合、CVRは3÷100=3%
CPA
(コスト・パー・アクション)
ひとりをCVするためにかかった広告費用のことです。顧客獲得単価とも呼びます。CPAの数値が低くなるほど効率的な広告と言えます。
例:10万円のリスティング広告でCV数が20件だった場合→100,000÷20=5,000円となり、ひとり獲得するのにかかった広告費は5,000円
CPC
(コスト・パー・クリック)
(リスティング広告を)1回クリックするためにかかった費用のことです。CPCの数値を下げつつCVを上げることがリスティング広告を運用するうえで大切です。
例:10万円のリスティング広告でクリック回数が200件だった場合→100,000÷200=500円となり、ひとりがクリックするのにかかった広告費は500円
CTR
(クリック・スルー・率)
(リスティング広告が)表示された時にクリックされた割合を示す数値です。CTRの数値が高ければ高いほど注目されやすい広告文が作れている、検索者のニーズにマッチしている、広告掲載順が上位にある(入札に成功している)ことを意味します。
例:リスティング広告が100回表示されたとして、20回クリックされた場合→20÷100=20%


関連記事:Webマーケティングの重要用語集|BtoBマーケの進め方に沿って解説


クリック単価を下げるための方法

ここでは、クリック単価を下げるためにおすすめの方法を2つ紹介します。


キーワードの変更

競合の多いキーワードは、その分クリック単価が高騰してしまいます。入札単価が低く、かつ検索ボリュームに期待できるキーワードの組み合わせを見つけることが、リスティング広告の要でもあります。


広告品質を上げる

リスティング広告には広告品質と呼ばれる指標があります。このスコアが高いと、キーワードの入札単価を下げても検索上位に表示でき、結果的にクリック単価を下げることに繋がります。

広告品質を決める内訳は以下の通りです。

①推定クリック率

リスティング広告が表示された際にクリックされる割合を推定で算出します。リスティング広告として過去に掲載したときのインプレッション数(表示回数)とクリック率から推定で割り出し、数値が高いほど広告品質が高いと判断されます。

②広告の関連性
キーワードと遷移先のランディングページ(LP)がマッチしている(検索者のニーズに合致している)かどうかの指標です。キーワードとまったく関係のないLPの場合は広告品質が下がります。
③ランディングページ(LP)の利便性
遷移先ランディングページ(LP)の読み込みスピードや操作のしやすさが評価対象になります。


リスティング広告を表示しやすくするための方法

リスティング広告は出稿したからといって必ずしも掲載されるとは限りません。入札単価と広告ランクを掛け合わせたスコアによって掲載順位が決まるからです。そのため、リスティング広告としてきちんと掲載され、かつ掲載順位を上げるためには、次の項目を見直すようにしてください。

  • 入札単価を高価格帯近くまで引き上げる
  • 広告品質(推定クリック率の底上げ、LPとキーワードのマッチング、LPの利便性を高める)を上げる


自分でリスティング広告を始めてみよう

リスティング広告を自分で運用するための具体的な方法を見てきました。即日出稿できるお手軽さがある一方、広告設定のカスタマイズが豊富で、運用作業がマストな点がリスティング広告の特徴です。

代理店に任せる方法もありますが、まずは自分の手で触ることが、のちのちの運用にも活きてきます。ぜひ本記事でリスティング広告の基本的な手順を身につけてください。

また、こちらの資料ではさらに実践的な方法も解説していますので、合わせてご活用ください!
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ferret(One Tip編集部)
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