リスティング広告の費用相場とは? 適正予算の決め方とコストを抑える運用方法
リスティング広告を打つ際に頭を悩ませる費用の問題。キーワードによって金額に振れ幅があったり、代理店への運用費がさまざまだったりと、適正金額が分かりづらくお金にまつわる悩みは尽きません。
費用のパターンが複雑に存在するので、「相場はおよそ20万円からです」と言われてもざっくりしすぎていて、自社の参考にならないこともあるでしょう。
この記事では、費用や予算を見極める方法とコストを抑えた運用方法を解説し、リスティング広告の費用に関する問題を解決していきます。
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目次[非表示]
リスティング広告にかかる費用の内訳は?
リスティング広告には大きく分けて以下の金額項目があります。
- (a)リスティング広告を掲載する際にかかる費用(広告費)
- (b)リスティング広告を運用する際にかかる費用(外注費)
「(a)リスティング広告を掲載する際にかかる費用」は、リスティング広告を打つのに最低限かかる費用です。GoogleやYahoo!に出稿する費用を指します。
「(b)リスティング広告を運用する際にかかる費用」は、リスティング広告の費用対効果を引き上げるために、広告文の作成やキーワードの選定、クリック単価の調整など、運用作業を代理店に依頼する時にかかる費用です。自分ひとりで運用する場合や内製化する場合は発生しません。
つまり、aの費用だけで済む場合と、a+b両方の費用がかかる場合とに分かれます。
リスティング広告の費用が発生する仕組み
リスティング広告の費用を考えるうえで2つの仕組みを知る必要があります。
①クリック課金型(CPC)制度
リスティング広告は、ブラウザの検索一覧に表示されただけでは費用はかかりません。ユーザーにクリックされて初めて課金されるクリック課金型(CPC)広告です。
クリックすると費用が発生するわけですが、請求金額は一律ではありません。キーワードによって費用の目安(クリック単価)が決まっており、詳細はGoogleキーワードプランナーに載っています。
「リスティング広告 費用」というキーワードでクリック単価を調べると、競合のリスティング広告は¥348~¥1279の金額を設定していることが分かります。この目安から広告主側が自由に金額を決められます。
②入札制度
クリック課金で生じる金額は一律ではないことがわかりました。これは、リスティング広告が入札制度を設けていることを表しています。
検索ブラウザで「リスティング広告 費用」を調べると、「広告」と書かれたリスティング広告が複数表示されることが分かります。これは、リスティング広告の中でも掲載順位があることを意味しています。クリック単価を高く設定すると、掲載順位が優遇される(上位に表示される)仕組みです。
リスティング広告の費用を算出する方法
リスティング広告の仕組みが分かったので、ここからは具体的な費用を算出する方法を見ていきましょう。
①キーワードを決める
まずは、リスティング広告を表示する時のキーワードを決めましょう。ここでは「リスティング広告 費用」をキーワードに説明を進めていきます。
②キーワードプランナーでクリック単価を調査
Google広告のサービス・キーワードプランナーでキーワードのクリック単価を調べます。
リスティング広告のサイト内にある「ツールと設定」からキーワードプランナーを選択します。次ページの「新しいキーワードを見つける」をクリックすると、キーワードを入力する項目が現れるので、出稿したいキーワードを打ち込み検索結果をクリックします。
ここでは例として、「リスティング広告 費用」と打ち込みます。
上記画像の赤枠囲みの部分が、キーワード「リスティング広告 費用」の入札単価(最低額348円・最高額1,279円)です。ここでは最高額の1,279円を数値として取り上げます。
③Googleアナリティクスでコンバージョン率(CVR)を調査
リスティング広告と紐づけるWebサイトのコンバージョン率(CVR)を調べます。
タグを設置していない方や、コンバージョン率がわからない方は、1%で設定してみてください。キーワードや業界によって波はありますが、コンバージョン率は平均して1%ほどと言われています。
④目的別の費用算出方法
- キーワード決め
- キーワードの単価調査
- リスティング広告と紐づいたWebサイトのCVR
この3つが揃えば具体的な費用を算出できるようになります。
CV数から予算を決める
リスティング広告で達成したい成果の数から予算を立てる方法です。
例えば、キーワード「リスティング広告 費用」のリスティング広告でユーザーをWebサイトに誘導した際、見積りの問い合わせをコンバージョンにするとします。目標件数は10件です。すると、各数値は以下になります。
クリック単価 |
CVR |
目標CV数 |
---|---|---|
¥1,279 |
1% |
10件 |
コンバージョンに至るまでの費用(CV単価)の数値は、
クリック単価÷CVR=CV単価(1,279÷1%=127,900円) |
ここで割り出したコンバージョン1件あたりにかかる費用に10件分を加算して、
127,900円×10件=1,279,000円 |
という具体的な広告費が算出できます。
CPAから予算を決める
CPA(コスト・パー・アクション)とは、CVにかかった1人当たりの広告費用を指します。
目標指標をCPAにする場合、販売する商品やサービスの価格と粗利の数字が必要です。ここでは仮に、商品単価3万円で粗利が20%とします。
30,000×20%=6,000円 |
目標CPA=6000円となり、一人当たりにかかる広告費用を6000円以内に収める目標値が出ます。これに目標CV数(10件)をかけることで、
6,000円×10件=60,000円 |
という予算が見えてきます。
売上金額から予算を決める
リスティング広告で掲載する商品やサービスの価格を3万円、月額の目標売上金額を300万円に設定したとします。すると、目標売上へ達するまでにサービスを100個販売しないといけません。
6,000円×100個=600,000円
|
こちらが、リスティング広告費用として必要になります。
代理店にリスティング広告の運用を任せると費用はどうなる?
ここでは、リスティング広告の運用をまるっと外部に委託する際にかかる費用や相場感について見ていきます。リスティング広告運用にかかる代理店の費用の内訳は、以下のような内容が一般的です。
①広告費 |
リスティング広告にかける純粋な費用。 |
②広告運用代行費用 |
運用を代行する手数料。広告費の20%を手数料として請求する代理店が大半。 |
③初期費用 |
リスティング広告を始めるにあたって、アカウント作成や基本情報の設定など、最初にかかる手間賃。 |
①の費用に②の20%をかけた数字(契約初月は+③)が代理店に運用を任せた際の追加金額となります。
例として数字を当てはめてみます。
{①広告費(500,000円)×②手数料(20%)}+③初期費用(30,000円)=130,000円 |
代理店にリスティング広告の運用を依頼すると、130,000円分の追加コストがかかることになります。
例で取り上げた手数料型以外にも、定額制を導入している代理店もあります。定額なので広告予算が大きな場合は割安です。
代理店に運用を依頼してしまうと余分な費用がかかります。しかし、代理店はリスティング広告に熟知していること、また、内製化する場合はリスティング広告を専属担当できる人材が望ましいことなどを天秤にかけると、代理店にまるっと依頼するほうが効率的な場合もあります。
自社の状況に応じて判断してください。
リスティング広告の費用を抑える方法
リスティング広告の具体的な予算の出し方や相場感を見ると、意外と費用がかさむ事が見て取れます。そこで、ここからは少しでもコストカットするための方法を解説していきます。
費用を抑えるのにもっとも大事な視点は「コンバージョン率を高めること」です。
①マッチタイプを活用する
マッチタイプとは、ユーザーの検索ワードに対してどの程度リスティング広告を表示するかを決める範囲のことです。
例えば、「リスティング広告 費用」のキーワードに対して、ユーザーが「リスティング広告 相場」と検索した場合、「費用」と「相場」を同じ意味として捉えて広告を表示させる設定と、「費用」と「相場」では単語が一致しないので別のものと捉えて広告を表示させない設定があります。
他にもキーワードを拾う範囲を調整するマッチタイプがありますので、ユーザーの検索キーワードをうまくチューニングし、コンバージョン率を高めていくことでリスティング広告の費用対効果を高めていきましょう。
②除外キーワードの設定
①で解説したマッチタイプの設定によっては、コンバージョンに繋がらないキーワードでリスティング広告が表示される場合があります。
ユーザーの検索キーワードは、Google広告の分析機能で調べることができます。意図しないキーワードでリスティング広告がクリックされていると分かれば、そのキーワードを除外キーワードに設定してください。
こまめな除外キーワード設定が、リスティング広告のコストカットに繋がります。
③広告の配信対象を限定する
検索ユーザーのさまざまな属性を活用して、広告配信の対象を絞ることが可能です。属性設定項目は以下の通りです。
- 性別
- 年齢
- 世帯収入
自社商品・サービスのターゲット属性に傾向がある場合、対象を絞ることでさらに費用対効果を高められるでしょう。
また、配信エリアを限定することも可能です。特定エリアへの集客が目的であれば、該当都道府県や市区まで絞って配信できます。
④広告の品質を上げる
広告品質とは、リスティング広告を検索上位に表示させるための指標のことです。広告品質のスコアが高いほど、競合のリスティング広告よりも上位に表示できるので、ユーザーにクリックしてもらえる確率が高まります。
広告品質のスコアに与える項目は、以下の3つです。
①推定クリック率 |
リスティング広告のクリック率を推定で算出した数値です。過去に掲載したリスティング広告の結果から割り出されます。 |
②広告の関連性 |
登録したキーワードと紐づけたWebサイトの内容がマッチしているかを判定します。キーワードと無関係な内容の場合、評価が下がります。 |
③ランディングページ(LP)の利便性 |
紐づけたWebサイトの読み込み速度や操作性が評価の対象です。 |
品質スコアを上げることは、ユーザーのニーズに沿った分かりやすい広告を出すことにつながります。ユーザーに寄り添うことでコンバージョン率アップが見込めると同時に、スコアが上がり検索上位に表示される可能性も高まるため、リスティング広告費用のコストを下げることにつながるのです。
参考:Google広告ヘルプ:品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法
リスティング広告の費用にまつわる注意点
ここからは、リスティング広告を始めるにあたって注意しておかないと、余計なコストが発生するケースを紹介します。
①予算が少額すぎる場合リスティング広告の最適解がわかりづらくなる
リスティング広告の余計な費用を抑えようとするあまり、費用を極端にしぼって運用してしまうことがあるかもしれません。リスティング広告はその特性上、ある程度の費用をかけてトライ&エラーを積み重ねることで、効果の向上が見込める媒体です。
コストカットを検証していく過程は必要ですが、効果を向上させていくためには、広告投入費用を絞りすぎないことが大切です。
②最初から全予算をつぎ込まない
「費用を絞りすぎない」と説明しましたが、だからと言って最初から多額の費用を投入してしまうのも考えものです。運用していく中で費用対効果の高い方法が見つかる可能性があるからです。
効果の高い広告設定に予算を割くことで大きなリターンが得られるので、はじめから全予算を投入しないようにしましょう。
③訴求ごとに専用のLPを用意する
リスティング広告で見逃しがちなのが、リスティング広告の遷移先となるLP(ランディングページ)を用意していない場合です。
既存のWebサイトは広告用に特化されていない場合がほとんどなので、ユーザーがリスティング広告をクリックしてもコンバージョンに至らない事態が起こりえます。
反響のあるLPを制作するためには、少なく見積もっても10万円~のコストがかかります。想定外の費用がかさむ前に、LPの有無を確認しましょう。LPがない場合は、訴求に合わせて作成することをおすすめします。
▼LPの作成ツールについては、下記の記事でご紹介しています
→LP作成ツールおすすめ9選!選び方のポイントも
④代理店活用時には契約期間の縛りに注意
リスティング広告の運用を代理店に任せる場合、契約期間の縛りが発生することがあります。月毎に更新確認がある代理店もありますが、小額運用の場合は半年間の契約縛りなど条件が付くことがあります。運用契約の際は十分に確認するようにしましょう。
適正費用でリスティング広告を効率的に始めましょう
リスティング広告は広告設定の柔軟性が高い分、費用や相場の割り出し方が難しく、戸惑うこともあると思います。
Google広告の数値を理解し、リスティング広告の目標を設定することで、具体的な費用や相場を割り出すことは可能です。
この記事で得た適正費用の算出方法で、効果的なリスティング広告運用を目指しましょう。
また、こちらの資料ではさらに実践的な方法も解説していますので、合わせてご活用ください!
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