【イベントレポート】【ferret 15min TIPS】流入が減った時、広告とメールどっちに投資すべき?

本記事は、株式会社ベーシックが2026年9月10日に開催したショートウェビナー「ferret 15min TIPS」の内容をもとに、流入が減った局面で「広告を増やすべきか/メールを増やすべきか」を判断するための考え方をまとめたセミナーレポートです。

セミナーでは、商談創出のボトルネックを起点に投資配分を決め、記事・広告・メールを連携させて接点を途切れさせない打ち手を、実測データとケース別の判断軸で解説しました。この記事を読むことで、自社の止まっている場所を特定し、次に増やす施策と見るべき指標を具体的に決められます。

  • この記事の要点

「流入が減った=広告を増やす」とは限らない

流入が減ると、まず広告で新規流入を増やそうと考えがちです。

しかし、本当に見るべきなのは流入数だけではなく、ターゲットとなるMQLが取れているか、商談につながっているかです。

流入が減っていても商談数が維持できているなら、すぐに広告投資を増やす必要はありません。まずは商談創出までのどこで取りこぼしが起きているのかを確認することが重要です。

広告とメールは「どちらが良いか」ではなく、役割で使い分ける

広告は、新しい顧客との接点を増やす施策です。

一方、メールは、すでに接点のあるリードに再接触し、検討のタイミングを捉える施策です。

そのため、単純にCPAや開封率だけを比較するのではなく、今のボトルネックが「新規接点の不足」なのか、「獲得後の商談化」なのかによって投資配分を変える必要があります。

少人数でも、施策を単発で終わらせず「接点」を増やす

限られたリソースで広告・メール・記事などをすべて個別に作るのは簡単ではありません。

そこで重要なのが、ひとつのコンテンツを起点に、広告・メール・Webサイトなど複数チャネルへ展開することです。

施策そのものを増やすのではなく、顧客との接点を増やす発想に切り替えることで、少人数でも継続的に施策を回しやすくなります。

この記事では、流入が減ったときに「広告を増やすべきか、メールを強化すべきか」を、自社の状況から判断するための考え方を解説します。

登壇者紹介

株式会社ベーシック マーケティング部 マネージャー
見山 悠妃

営業支援会社にて現場営業からマネージャーを経験。その後「1人マーケター」としてマーケティング部署を立ち上げ、サービスサイト制作・コンテンツ制作・ウェビナー施策・MA活用の基盤を構築。

2021年にベーシックに入社し、BtoBマーケサービス「ferret One」のインサイドセールス、フィールドセールス、イベント企画登壇などを経て、現在はマーケティングマネージャーとして、マーケティング・事業部を横断した戦略立案/企画/オペレーション設計を担う。

株式会社ベーシック マーケティング部 リーダー
後藤 大貴

2022年にベーシックに入社し、ferret Oneカスタマーサクセスとして顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援から関わり、担当社数は約100社にも及ぶ。製造業・ITサービスから人材業界まで幅広い業界を担当し、中長期的な戦略からサイト改善やコンテンツ制作までの、マーケ施策の提案と伴走支援を行う。

現在はマーケティング部に異動して、商材を横断したナーチャリングファネルの戦略立案/企画/オペレーション設計を担う。

はじめに 広告かメールかは「ボトルネック」で決める

商談創出のボトルネックで投資判断

流入が減ったときに「広告を足す」「メールを増やす」と手段から決めてしまうと、成果につながらない投資が発生しやすくなります。先に見るべきは、商談創出までのプロセスのどこで取りこぼしが起きているかです。ボトルネックが分かれば、投資すべき施策と、追うべき指標が自然に決まります。

STEP1 流入の数字だけで焦らない(見るのはターゲットMQLと商談)

ターゲットMQLと商談の確認

流入が落ちたかどうかは、判断材料の一部にすぎません。重要なのは、狙っている企業からMQL(Marketing Qualified Lead)が取れているか、そして商談につながっているかです。

例えば流入が20%落ちていても、ターゲット企業からのコンバージョンや商談数が変わらなければ、投資配分を慌てて変える必要はありません。逆に流入が維持できていても、MQLや商談が落ちているなら、どこかで取りこぼしが起きているサインです。

STEP2 接点を途切れさせない(メールとマルチチャネルを実測データで見る)

メール施策とコンバージョンの実測データ

ferret Oneを導入している企業のうち、12か月分のデータが揃った一定規模以上の408社(2025年7月〜2026年6月)を対象にした分析では、流入が減少した局面でメール施策(再接触)を増やした企業は、コンバージョン(CV)の落ち込みを抑制する傾向が見られました。

ここでのポイントは「メールが万能」という話ではなく、流入を戻す動きに集中するあまり、既存リードへのナーチャリング接点まで一緒に減らしてしまうと、短期的にCVが大きく落ちやすいことです。

施策数と成果の関係

さらに同データでは、動かしている施策数と成果の関係も確認されています。1〜2施策のみを実施している企業は、流入が増えてもコンバージョンが横ばい、もしくは減少しているケースが多く見られました。一方で、記事・広告・メールなど3施策以上を動かしている企業は、流入が大きく伸びるとともに、コンバージョンもプラスに転じています。

具体的には、1施策では流入が+3.0%でコンバージョンが-10.3%、2施策では流入が+16.4%でコンバージョンが-4.2%でしたが、3施策以上では流入が+30.2%でコンバージョンが+5.1%という結果でした。

複数チャネルで接点を継続する

AIの進化によって情報コンテンツは増やしやすくなりましたが、ユーザーが1つのコンテンツに割く注意時間が増えたわけではありません。1回広告を見た、1回資料をダウンロードしただけでは忘れられてしまう可能性が高いため、複数チャネルで接点を設計し、継続的に思い出してもらう仕組みが必要です。

STEP3 状況別に決める(広告とメールの役割、投資判断の基準)

広告とメールの役割

広告とメールの投資判断は、CPAや開封率など単体指標を横並びにして決めるよりも、それぞれの役割を踏まえたうえで「今のボトルネックに合うか」で決めるほうが再現性が高くなります。

広告は新しい顧客との接点を増やす施策です。メールは、すでに接点のあるリードに思い出してもらい、検討のタイミングを捉えて行動を促す施策です。

4つの状況で考える投資配分

  • MQLが少なく、商談化率が高い場合 会えれば商談になるものの、母数が足りていない状態です。ターゲットとなるMQL自体が不足しているため、広告を優先してターゲット流入を増やします。
  • MQLは十分だが、商談化率が低い場合 リードは確保できているものの、検討を動かしきれていない状態です。メールによる再接触に加え、サイトコンテンツの見直しや営業連携の強化など、ナーチャリング施策を優先します。
  • MQLも少なく、商談化率も低い場合 集客以前に、ターゲットやオファー、サイト導線が曖昧な可能性があります。広告を増やす前に、サイトやコンテンツ、オファー自体を見直すところから着手します。
  • MQLも商談化率も高い場合 勝ち筋がある程度できています。広告とメールの両方を拡張し、さらなる成長を狙います。

状況別の投資配分

例えば、ターゲット企業からの流入もコンバージョンも減少し、営業に渡せる件数が不足している一方で、商談化した案件の質は悪くない状況なら、新規接点そのものが不足していると判断できます。この場合は広告を優先し、新規リード獲得に注力します。

一方で、資料ダウンロードやウェビナー経由でターゲット企業のリードは獲得できているものの、その後のアプローチが一斉メール中心で、サイト再訪や再コンバージョン、営業への接続が増えていない場合は、リード獲得後のナーチャリングに課題があります。検討段階に応じたメールコンテンツを設計し、再接触の質を上げて商談化率の改善を進めます。

施策を決めるときの進め方

施策を決めるときの進め方

  1. ボトルネックの特定 マーケティングファネルのどこに取りこぼしがあるかを明確にします。
  2. 施策の選択 ボトルネックの解消に効果的な施策(広告、メール、サイト改善など)を選びます。
  3. 指標の設定 施策実行前にKPIを決め、計画的にモニタリングします。

メールを強化する場合は、まず1〜2週間で開封・クリック・サイト流入など行動の変化を見ます。その後、2週間〜1か月程度のスパンでコンバージョンやMQL化の変化を確認し、ボトルネックが解消に向かっているかで継続判断を行います。

STEP4 少人数でも複数施策を回す(コンテンツを起点に展開する)

コンテンツを起点とした複数施策の展開

少数精鋭(1〜3名規模)のマーケティングチームでも成果を出している企業には、施策を個別に増やすのではなく、一つの企画やコンテンツを起点に複数の接点で使い回すという共通点があります。

例えば、ある顧客課題に対応するホワイトペーパーを作成したら、単体で公開して終わりにせず、以下のように多角的に展開します。

  • 広告 新しい顧客層へリーチするためのクリエイティブとして活用します。
  • メール 既存リードに対して、検討フェーズに合わせたナーチャリングコンテンツとして届けます。
  • ウェブサイト 関連記事に埋め込む、ダウンロード導線を最適化するなど、再訪と回遊を設計します。
  • 再編集 一部を抜粋・再編集し、別の記事や別の切り口のコンテンツに展開します。

コンテンツを「薄く大量に」ではなく「勝ち筋に深く届ける」設計にすることで、限られたリソースでも接点を増やし、商談創出につながる確度を高められます。

まとめ 流入減少局面でも投資判断を迷わないためのチェックリスト

流入減少時の投資判断は、流入を戻すこと自体を目的にせず、ターゲットMQLと商談の動きから「止まっている場所」を特定することから始まります。

本記事の内容を、次の3ステップで実行してください。

  1. 流入・ターゲットMQL・商談の3点で現状を把握する 数字が落ちている場所を、流入だけでなく商談まで含めて確認します。
  2. ボトルネックに合わせて「広告(獲得)」と「メール(再接触)」の比重を決める 役割に沿って投資配分を決め、単発ではなく接点が続く形に組み立てます。
  3. コンテンツを起点に、記事・広告・メールへ展開して運用する 施策を増やすのではなく、接点の設計を増やす発想で回します。

この流れで進めれば、流入が減った局面でも「次に何へ投資すべきか」「何を見て判断すべきか」を、自社のデータと現状に合わせて決められるようになります。

「広告を増やすべきか、メールを強化すべきか」迷ったときは

ここまでご紹介したように、流入が減ったときに大切なのは、すぐに広告やメールの量を増やすことではありません。

まずは、新しい接点が足りていないのか、リードは取れているものの商談につながっていないのか、あるいはターゲットや導線そのものにズレがあるのか。今どこがボトルネックになっているのかを整理することが重要です。

とはいえ、実際には次のような悩みも起こりがちです。
・数字は見ているものの、どこがボトルネックなのかわからない
・広告・メール・SEOなど、どの施策を優先すべきか決めきれない
・複数の施策を動かしたいが、社内のリソースが足りない

そんなときは、施策を増やす前に、第三者の視点を入れながら現状と優先順位を整理するのもひとつの方法です。

ferretでは、BtoBマーケティングの戦略設計から、リード獲得、ナーチャリング、営業連携まで、企業ごとの課題や体制に合わせた支援を行っています。

広告を増やすべきか、既存リードへのアプローチを見直すべきか。あるいは、施策の優先順位そのものから整理すべきか。

そうした段階からでもご相談いただけます。

今のマーケティング施策を一度整理したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

ferret(One Tip編集部)
ferret(One Tip編集部)
One Tipは、BtoBマーケティングに特化した支援サービス「ferret」から生まれた、「リード獲得の打ち手が見つかるメディア」です。 BtoBマーケティングにかかわる人にとって、価値あるコンテンツをお届けしていきます。 Twitter:@ferret_One_

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