マーケティングオートメーション(MA)はいつ導入する?成果は?MAについてよくある10の疑問
マーケティングオートメーション(MA)は文字通り、マーケティングのプロセスを一部自動化するためのツールです。
人の手で行っている煩雑な作業を自動化し、マーケティングの効率を高めていく仕組みを作ることができます。
「うちの会社でも導入するべきか?」と迷っている担当者の方のために、マーケティングオートメーション(MA)について、よくある10の疑問にお答えします。
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目次[非表示]
- 1.マーケティングオートメーション(MA)は、何のツール?
- 2.マーケティングオートメーション(MA)を使うと、何が便利になるの?
- 3.マーケティングオートメーション(MA)は、何をどこまで自動化できるの?
- 4.マーケティングオートメーション(MA)のシナリオ設計は何からすればいい?
- 5.マーケティングオートメーション(MA)を導入するタイミングはいつ?
- 6.マーケティングオートメーション(MA)を使うと成果が出るの?
- 7.マーケティングオートメーション(MA)とCRMの違いは?
- 8.マーケティングオートメーション(MA)とSFAの違いは?
- 9.マーケティングオートメーション(MA)のデメリットは?
- 10.マーケティングオートメーション(MA)を導入するときに準備するものは?
マーケティングオートメーション(MA)は、何のツール?
マーケティング活動、営業活動を自動化・効率化するためのツールです。
- マーケティングで獲得したリードを管理し
- 見込み顧客へ育てるための施策を実施して
- 効果測定をしつつ
- 営業部隊へ、商談へとつながる見込み顧客を渡す
というプロセスをシステム化し、営業部隊に「熱量の高い顧客との商談」を渡すまでを担います。
従来は営業部隊が行ってきた見込み顧客との継続的な関係構築や、営業タイミングの検知なども、人がほぼ介在せずに半自動的に行うことができるようになります。
マーケティングオートメーション(MA)を使うと、何が便利になるの?
見込み顧客の興味を高め、商談の見込み度合いを高める「リードナーチャリング」から、営業部隊による「商談」までの工程で、人が介在するステップを減らすことができます。
また、そもそも人が介在できない「特定のページをn回訪問した」といったWeb上のアクティビティに基づいて、営業タイミングを検知することもできるようになります。
マーケティングオートメーション(MA)は、何をどこまで自動化できるの?
特定の条件(トリガー)を満たした場合の「見込み顧客とのコミュニケーション」、「有望な見込み顧客の自動抽出」のプロセスを自動化できます。
例えば、これまで人の手で行っていた下記のようなアクションが該当します。
見込み顧客とのコミュニケーション
- ホワイトペーパーをダウンロードした顧客へ、セミナーの案内メールを送る
- 重要なページを複数回閲覧した顧客がいたら、サービス案内メールを送る
- 資料請求したユーザーへ架電するように、営業部へ通知する
- 商談後、営業担当から顧客へフォローメールを送る
などのワークフローは、すべてMAで自動化できます。
有望な見込み顧客の自動抽出
「有望な見込み顧客」にあたる条件を設定しておくと、自動的に抽出して営業に通知することができます。設定には、スコアリング機能が有効です。
スコアリング機能では、ページ閲覧やメール開封などの「行動」、役職や所属会社の規模などの「属性」に関する情報の中で、自社サービスに関心度が高いと思われるものに高スコアを設定しておきます。該当する行動が行われたり、属性にマッチしていたりすると、スコアが自動的に付与されるという仕組みです。
これにより、サービスに関心度が高いユーザーをリスト化でき、「営業が今、どの顧客にアタックすべきか」の判断を効率化できます。
マーケティングオートメーション(MA)のシナリオ設計は何からすればいい?
MAで複数のアクションを自動実行する機能は「シナリオ機能」と呼ばれ、どのように自動化するか設計することを「シナリオ設計」と呼びます。
シナリオ設計をするために、まずは見込み顧客が「自社サービス・商品を購入する検討レベルがあがった」と判断できるポイントをピックアップしてみましょう。
例えば
- メールを開封した
- 記事を閲覧した
- メールのリンクをクリックした
- 資料をダウンロードした
などが挙げられます。
これらのアクティビティを起点として、次にどんな打ち出しをすれば更に自社への好意醸成を進められるかを考えていけば、自ずとシナリオ設計が進むはずです。
マーケティングオートメーション(MA)を導入するタイミングはいつ?
大量のリードを抱えて、人が管理することが現実的でなくなってきたタイミングが導入に適しています。
逆に、人が管理できているうちはMA導入の必要はない、と言っていいでしょう。
「大量のリード」ってどれくらい?
どの程度を「大量リード」と呼ぶかは、ビジネスモデルによります。
目安として、獲得リードから購入にいたるまでの転換率と、ROI(投資利益率)が利用できます。仮に、リードからの購入に至る確率が0.5%、商品が売れた場合の利益が320万円、MAは月額30万円で利用しているとします。
・1000件リードがあった場合、購入に至るのは1000件×0.5%=5件
・利益は320万円×5件=1600万円
・12ヶ月で等分すると、1600万円/12ヶ月=約133万円
・ROI=133万/30万円×100=約450%この場合、1000件のリードがある状況でMAを導入すると、費用対効果的に価値があると判断できそうです。ツールのROI目標についても各社で異なりますので、最終的に450%を適正とするかどうかは自社判断になります。
マーケティングオートメーション(MA)を使うと成果が出るの?
導入しただけでは成果は出ません。
- そもそもリードが少ない
- 特定の条件(トリガー)の起点となるコンテンツを作る体制がない
- 有望な見込み顧客へアプローチできるインサイドセールス部隊がいない
など、MAがうまく機能する条件が整っていないと、導入しても無用の長物になってしまいます。
マーケティングオートメーション(MA)とCRMの違いは?
MAとCRMは、使用する目的と、使うフェーズが異なります。
MA(Marketing Automation)
リード獲得から育成、有望な見込み顧客の自動抽出まで仕組み化し、マーケティング活動・営業活動を効率化することを目的としています。リード獲得から受注までの工程で使います。
CRM(Customer Relationship Management)
顧客とのコンタクト履歴、購入履歴の管理など、顧客との関係を構築・管理し、顧客満足度や顧客ロイヤリティの向上を目的としています。主に受注後の工程で使います。
MAとCRMどちらを先に導入するかは、ケースバイケースになります。アカウントマネジメントが課題ならCRM、アカウント獲得が課題ならMAから導入することになります。
マーケティングオートメーション(MA)とSFAの違いは?
MAとSFAは、活用に適する部門が異なります。
MA(Marketing Automation)
商談のアレンジまでをマネジメントするためのもので、主にマーケティング部門で活用します。
SFA(Sales Force Automation)
顧客情報、営業化案件のプロセスを一元管理します。商談から受注までをマネジメントするためのもので、主にセールス部門で活用します。「営業支援システム」とも呼ばれています。
活用する部門が異なるとはいえ、マーケティングからセールスまでの工程はすべて繋がっています。両者は完全に分離するべきではなく、相互に連携し合うように設計する必要があります。
連携前提で設計する必要があるので、MAとSFAは同時に導入することが多いのではないでしょうか。
マーケティングオートメーション(MA)のデメリットは?
MAに対して過度に期待をしていて「導入するだけで何かが変わる」という錯覚に陥ってしまっていると、要注意です。
MAを活用するためには、ナーチャリングするためのリードが十分にあることが前提になります。前提を満たさずに導入に踏み切ってしまうと、活用できずに費用だけがかかっていくことになります。
「なんかMAって流行ってるし、導入したらマーケティングが改善しそう」「リードからの受注率が上がりそう」という漠然としたイメージで導入することは避けましょう。
何を目的として使うのか、目的を明確にして、その目的を達成するためにMAが必要であるという場合にのみMAが活きるはずです。目的や課題の整理が自社だけで出来ない場合は、コンサル業者に依頼するという手段もありです。
マーケティングオートメーション(MA)を導入するときに準備するものは?
リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)から、ナーチャリング(顧客の育成)のための環境は必須です。
具体的に言うと、下記のようになります。
- プロダクト戦略/マーケティング戦略
- 戦略を滞りなくオペレーションできるチーム体制
- 体制構築のために必要な人材の確保
- Webサイトや各種マーケティングツール(広告媒体、レポート、メール配信など)
MA導入には、適したタイミングがあります。導入がまだ早い場合は、まずはWeb上の資産を増やしていきましょう。
▼MA導入のポイントについては、下記の無料の資料にまとまっています。
→BtoB向け!Webマーケの体制構築における、MA導入のベストなタイミング
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