
第2章:成果の把握状況と運用の課題|BtoB調査レポート2025【サイト運用編】
はじめに
日々のサイト更新や、施策の実行には追いついているものの、「果たしてこれが売上に貢献しているのか?」「今のやり方で合っているのか?」という漠然とした不安を感じていませんか?
実は、多くの企業が同じ悩みを抱えています。調査の結果、成果を「数値として把握できていない」層が約2割存在し、多くの担当者が「ノウハウ不足」と「リソース不足」という運用課題を抱えているという実態が明らかになりました。
本章では、330社の調査データから、貴社に合ったサイト運用最適化のための方法を紐解きます。他社はどのような方法でサイト運用をしているのか、どのような課題を抱えているのか、調査データと照らし合わせてみることで、自社の課題と次に取るべきアクションが見えてくるはずです!
- この記事で分かること
- サイト施策の成果、どう測定しているのが主流?
- BtoBマーケ担当者が抱える最大の課題は?
- 内製・外注の運用体制によって、課題の性質がどう違うのか?
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.サマリー
- 2.1.施策ごとに成果を都度測定する企業が多い
- 2.2.ノウハウ不足が圧倒的課題
- 3.❹施策の成果把握について
- 4.❺課題感について
- 4.1.課題の構造分析
- 4.1.1.①各フェーズでのノウハウ不足が課題
- 4.1.2.②リソース不足とコストが実行力を阻害
- 4.2.【分析】運用体制によって課題の性質が異なる
- 4.2.1.【パターン1】完全内製型
- 4.2.2.【パターン2】ほぼ外注型
- 4.2.3.【パターン3】一部外注型(バランス型)の課題
- 5.まとめ
- 5.1.1. 施策ごとに都度測定する企業が最も多い
- 5.2.2. 運用課題は「ノウハウ不足」と「実行力不足」
- 5.3.3. 内製・外注どちらにもノウハウ不足の課題がある
- 5.4.4. 全体最適化に向けて運用体制を整理する必要がある
- 5.5.5. 商談・受注など、最終的な目標を追える体制にする
- 5.6.6. 施策は実行して終わりではない
- 6.BtoBマーケティングにお悩みならferret Oneにご相談ください!
サマリー

「忙しくて全部は読むのは大変…」という方に向けて、各調査データの重要なポイントをまとめました。関連する章へのリンクもつけておりますので、気になるところだけでもぜひ詳細をお読みいただき、マーケティング活動にご活用ください!
施策ごとに成果を都度測定する企業が多い
「施策ごとの結果」を見る企業は多いですが、「毎月の定点観測」ができている企業は少数派です。 その場の改善に追われてしまい、サイト運用で最も重要な「最終成果(受注・商談)につながっているか?」という視点が抜け落ちてしまっている可能性があります。
→ ❹施策の成果把握について
ノウハウ不足が圧倒的課題
運用の課題第1位は「改善ノウハウがない(43.0%)」でした。「成果が不明(33.3%)」と合わせると、過半数が知識不足に悩んでいます 。 特に完全内製企業の半数以上が「成果を判断できない」と回答しており、実行ができても検証できないという知見不足が浮き彫りになりました 。
→ ❺課題感について

❹施策の成果把握について
Q. | サイト施策の成果はどこまで把握していますか? |
|---|---|
A. | 「施策ごとに都度測定」が36.7%で最多 |

注目ポイント | 01 |
注目ポイント | 02 |
その測定、やりっぱなしになっていませんか?
BtoBマーケティングにおいて、施策の成果をどこまで追いかけていますか? 調査の結果、最も多かったのは「施策ごとに都度測定している(36.7%)」という回答でした。
「LPを作ったからCV率を見る」「メルマガを送ったから開封率を見る」といった、施策単位でのチェックは多くの企業で行われています。しかし、サイト全体の健康状態を示す「毎月の定点計測」を行っている企業は22.1%にとどまっています。
ここに「部分最適の罠」が潜んでいます。 たとえ個別の施策で数値が良くても、事業全体の目的である「商談」や「受注」につながっていなければ意味がありません。 施策を実行してその場の数字を見るだけで終わらせず、最終ゴールである「商談化」や「受注」から逆算してKPIに落とし込む視点が必要です。
❺課題感について
Q. | 現在のサイト運用において、課題に感じている点はありますか? |
|---|---|
A. | 「改善したいがノウハウがない」が43.0%で第1位 |

課題の構造分析
調査レポートの分析によると、課題は大きく2つに分類できます。
①各フェーズでのノウハウ不足が課題
最多回答は「改善したいがノウハウがない(23.0%)」でした。
「成果が出ているのか分からない(18.6%)」が3番目に多く「レベル感が分からない(11.1%)」を合わせると、ノウハウ不足の課題が全体の 53.7% を占めています。
②リソース不足とコストが実行力を阻害
また「社内リソースが足りない(22.5%)」、「制作や運用コストが高い(18.6%)」の 実行力の課題と合わせて 41.0% と、知見不足と実行不足がセットで課題化している様子がうかがえます
【分析】運用体制によって課題の性質が異なる
では、なぜこれほど多くの企業が「ノウハウ不足」に陥ってしまうのでしょうか?
調査データをさらに詳しく分析したところ、「運用体制によって、不足しているノウハウの種類が全く異なる」という構造的な原因が見えてきました。
本調査では、運用体制と課題のクロス分析を実施しました。
その結果、運用体制ごとに抱える課題の性質が大きく異なることが判明しました。

【パターン1】完全内製型
最大の課題 | 成果が出ているのか分からない(52.5%) |
|---|---|
課題の背景 | - 施策の実行作業がメインになっている - 効果検証への意識が不足 - 成果を可視化する術が分からない |
陥りやすい状況 | 記事を書く → 公開する → 次の記事を書く ↓ 成果が出ているのか判断できず、闇雲にただやり続けるだけ。 |
実行に追われるあまり、
- どの施策が効果的だったのか
- 何を改善すべきなのか
- 投資は適切だったのか
といった検証・改善のサイクルが回っていない状態です。
【パターン2】ほぼ外注型
最大の課題 | 改善をしたいがノウハウがない(51.4%) |
|---|---|
課題の背景 | - 外注に任せることでノウハウが社内に蓄積しない - レポートは提供されるが、判断基準が分からない - 改善判断を自社で行えない |
陥りやすい状況 | 外注が施策を実行 → レポートが届く → どうすればいいかわからない ↓ また外注に相談 → 提案される → 実行 |
改善のプロセスが外注依存になり、 自社での判断・改善が難しい状態です。
【パターン3】一部外注型(バランス型)の課題
課題の分散: 完全内製型・ほぼ外注型ほど特定の課題に集中しておらず、 課題が分散している傾向が見られました。
解釈: 以上の結果から内製と外注のバランスを取ることで、
- 内製:スピード感と社内へのノウハウ蓄積
- 外注:専門知識と客観的な視点
それぞれのメリットを活かせている側面があります。
まとめ
1. 施策ごとに都度測定する企業が最も多い
多くの企業が「施策ごとに都度測定」を行っており、施策単位では成果を追えているものの、全体像を把握できていないケースが見られます。また、成果が見えづらい・そもそも測定していない企業も一定数存在しており、改善の遅れにつながっています。
2. 運用課題は「ノウハウ不足」と「実行力不足」
調査では、改善に必要なノウハウが不足している、または成果が出ているか判断できないという声が多く、知識面の不足がボトルネックとなっていることがわかります。一方で、リソース不足や制作コストの高さなど、実行面での課題を抱える企業も同じ程度存在します。
3. 内製・外注どちらにもノウハウ不足の課題がある
完全内製型では、成果が出ているか分からないという回答が半数を超え、適切な効果測定体制が整っていないことが課題です。外注依存型でも「改善したいがノウハウがない」という声が多く、ノウハウが社内に蓄積されていないことが障壁となっている点が示されました。
4. 全体最適化に向けて運用体制を整理する必要がある
複数人で運用している場合、担当ごとに施策がバラバラになりやすく、部分最適に陥るリスクがあります。サイト全体の「定点観測」は基本にしつつ、「施策ごとの効果」を評価できる体制を整える必要があります。これにより、目標の明確化やデータの可視化、定例MTGの質向上も期待できます。
5. 商談・受注など、最終的な目標を追える体制にする
BtoB企業では、流入やCVだけでなく、その先の商談や受注といった営業成果まで含めて評価することが求められます。サイト起点のリード獲得データと営業側のデータを連携させることで、より正確に成果を把握でき、改善すべきポイントも明確になります。
6. 施策は実行して終わりではない
成果が見えづらい原因の多くは、効果検証や成果確認のプロセスが十分に行われていないことにあります。検証フェーズを優先し、運用サイクルを整えることで、改善の質が高まります。また、ノウハウが外部に依存している場合は、内製化も視野に1つずつ改善していくことが長期的な成長につながります。
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