catch-img

第2章:SEO施策の指標とROI評価の実態|BtoB調査レポート2025【SEO施策編】

はじめに

SEO施策に取り組む中で、「順位やPVは増えたけれど、本当に売上に貢献しているの?」「経営層に成果をどう報告すれば納得してもらえる?」と悩むことはありませんか? 多くの企業がSEOに投資する一方で、その効果(ROI)を正しく評価できているケースは意外と少ないものです。

本章では、BtoB企業が実際に採用している評価指標(KPI)のトレンドや、投資対効果に対するリアルな自己評価を可視化しました。多くの企業が、どの指標を重視しているのかを知ることは、自社の評価軸をアップデートする大きなヒントになります。ぜひ、自社の測定方法と照らし合わせながらチェックしてみてください!

  • この記事で分かること
  • SEO施策の評価軸は、何に置いている企業が多い?
  • SEO施策は成果に繋がっている?多くの企業の自己評価は?
  • ROI向上のためには何をすればいいの?

サマリー

「忙しくて全部は読むのは大変…」という方に向けて、各調査データの重要なポイントをまとめました。関連する章へのリンクもつけておりますので、気になるところだけでもぜひ詳細をお読みいただき、マーケティング活動にご活用ください!

評価軸は「集客数」から「ユーザー行動の質」へ

SEOの評価指標として最も多く採用されているのは、PV数ではなく「記事のエンゲージメント(滞在時間など)」でした(54.7%)。検索アルゴリズムの変化に伴い、現場では「どれだけ人を集めたか」よりも「ターゲットにしっかり読まれているか」という“質”を重視する傾向が強まっています。

→ ❷ROIの指標について

6割以上が「成果に伸びしろ」を感じている

ROI(投資対効果)について「非常に高い」と回答した企業は2割未満にとどまり、62.8%が「一定の成果はあるが、改善の余地がある」と評価しています。多くの企業が、SEOの効果を実感しつつも「もっと貢献できるはず」という課題意識を持って運用している現状が浮き彫りになりました

→ ❸ROIの評価について

改善のカギは「量産」だけでなく「構造改革」

ROIを高めるための施策として、記事をひたすら増やすことよりも「内部リンク戦略の最適化(52.2%)」が最優先されています。成果を出している企業ほど、コンテンツ単体ではなくサイト全体の「回遊性」や「導線」を見直し、構造的なアプローチで成果を最大化しようとしています

→ ❹ROI向上のための改善施策

❷ROIの指標について

まず、各社がSEO施策の効果(ROI)をどのような指標から測定しているのか、データを見てみましょう。

Q.

SEO施策のROIをどの指標で測定していますか?

A.

エンゲージメント指標が最多で54.7%。「どれだけ読まれているか」を重視

注目ポイント

01

脱・PV至上主義。「どれだけ集めたか」より「どれだけ読まれたか」を重視する企業が過半数に

注目ポイント

02

売上への貢献可視化はまだ発展途上。商談・成約まで追えている企業は2割未満

評価の軸は「流入数」から「エンゲージメント」へ

SEOの評価指標(KPI)において、興味深い変化が起きています。

最も多くの企業が採用している指標は、PV数などの「流入数(41.6%)」でも「検索順位(37.6%)」でもなく、滞在時間やスクロール率などの「記事のエンゲージメント(54.7%)」でした

これは、SEOの目的が単に「人を集めること」から、「ターゲットに中身をしっかり読んでもらい、態度変容を促すこと」とユーザー行動の質を重要視するフェーズにシフトしていることを示しています。

最終成果への接続は依然としてハードルが高い

一方で、事業としての最終ゴールである「商談件数・成約件数」までを指標として測定できている企業は16.1%にとどまりました。

「記事は読まれている(エンゲージメントは高い)が、それがどれだけ売上に貢献したかは分からない」という状態です。多くの企業のROI評価は、リード獲得や閲覧数といった中間指標で止まっており、売上貢献までの接続は限定的であるということを示唆しています。

❸ROIの評価について

評価指標の多くが中間指標にとどまっている現状が見えましたが、現場の担当者はその成果にどの程度満足しているのでしょうか? 続いて、ROIに対する自己評価を見てみましょう。

Q.

SEO施策のROIをどのように評価していますか?

A.

「一定のROIがあるが改善の余地がある」が最多で62.8%

注目ポイント

01

手放しで「成果が出ている」と言える企業は2割未満。過半数が伸びしろを感じている

注目ポイント

02

「ROIを測定していない」層も約5%存在。評価環境の整備自体が課題のケースも

成果に大満足な企業は2割未満。ROIの明暗を分ける正体とは?

アンケートの結果、「非常に高い(投資対効果が明確で、大きな成果を挙げている)」と回答した企業は18.3%にとどまりました。 最も多かったのは「一定のROIがあるが、改善の余地がある(62.8%)」という回答で、多くの企業「悪くはないが、もっと成果を出せるはず」という思いでSEO施策に取り組んでいるという実態が浮き彫りになりました。

では、ROIが高い企業と低い企業、その差はどこで生まれているのでしょうか? 調査レポートのクロス分析データから、成果を分ける2つのヒントが見えてきました。

【分析】ROIが高い企業は「指標」の追い方が違う

ROI評価と採用している指標の関係を見ると、興味深い傾向があります。

  • ROIが非常に高い企業: 「検索順位(62.0%)」や「エンゲージメント(62.0%)」など、特定の指標に絞って高い数値を出している「集中型」の傾向が見られます

  • 一定のROIがある企業: 順位、流入、エンゲージメント、リード獲得などをバランスよく設定し、「多面的」に管理しています

成果を実感している企業ほど、あれもこれも追うのではなく「今のフェーズで重要な指標」を明確にし、そこに集中して改善を回している可能性があります。

KPIの数ではなく、「何を目的にどのフェーズを可視化するか」という考えで評価設計をし、上流から下流まで一貫して追える評価指標の再設計が成果を左右するカギと言えるでしょう。

【分析】高額投資=高ROIではない

次に、投資額とROIの関係です。 一般的に「お金をかければ成果が出る」と思われがちですが、データは少し異なる結果を示しています。

ROIが高いと回答した企業の過半数(57.2%)は、投資額が「100〜499万円」の中価格帯に集中していました。 一方で、ROIが低い企業の約4割は投資額が300万円未満の低投資帯に属しています。

このことから、SEOで成果を出すためには、必ずしも年間1,000万円以上の巨額予算が必要なわけではないことがわかります。逆に、予算が少なくても「戦略的な配分」さえできていれば、十分に高いROIを叩き出せるということです。

重要なのは金額の絶対値ではなく、限られた予算内での戦略的な配分と設計です。

❹ROI向上のための改善施策

多くの企業が「改善の余地がある」と感じている中で、現場では具体的にどのような打ち手講じているのでしょうか? 続いて、ROI向上のために実施している施策のトレンドを見ていきましょう。

Q.

SEO施策のROI向上のために、実施している施策はありますか?

A.

「内部リンク戦略の最適化」(52.2%)が最多。コンテンツは質と量のどちらも重視

注目ポイント

01

記事を増やすだけではない!「回遊強化(内部リンク)」などの構造改善がトレンドに

注目ポイント

02

「ホワイトペーパー連携」「AI活用」はまだ少数派。差別化のチャンスあり

量産だけでなく、構造の見直しが重要視

ROI向上のための施策として最も多く挙げられたのは、記事の量産ではなく「内部リンク戦略の最適化(52.2%)」でした。 次いで「コンテンツの量産(41.6%)」、「記事の質を向上させる(36.5%)」と続きます。

これは、単に記事数を増やして流入を稼ぐだけでは成果(ROI)に直結しにくいことに多くの企業が気づき始めている証拠です。 せっかく集客したユーザーを離脱させず、サイト内を回遊させてコンバージョンポイントへ誘導する「導線設計(構造)」の見直しに注力する企業が増えています。

一方で、「AI活用(11.3%)」「ホワイトペーパー連携(25.2%)」といった効率化・CV強化施策の実施率はまだ低く、ここに取り組めるかどうかが今後の差別化要因になりそうです。

【分析】成果を出す企業は「構造・中身・拡充」をバランスよく取り組む

では、実際に「ROIが高い」と回答した企業は、どのような施策を行っているのでしょうか? クロス分析のデータから、成果を出すための行動パターンが見えてきました。

1. 高ROI企業は「質・量・構造」の各面をバランスよく取り組んでいる

ROIが非常に高い企業の特徴は、特定の施策に偏らず、あらゆる対策を高水準で実施している点です。

施策内容

ROIが非常に高い

ROIが非常に低い

差分

記事の質向上(質)

52.0%

25.6%

26.4%

コンテンツ量産(量)

54.0%

25.6%

28.4%

内部リンク最適化(構造)

62.0%

28.2%

33.8%

特に差があった項目を表にしてみてみると、高ROI企業は「質・量・構造」の3軸すべてにおいてバランスよく施策を実行しています

成果は偶発的なものではなく、サイト全体の構造を整え、良質なコンテンツを大量に投入し、外部からの評価も獲得するという「全体設計」の結果であることがわかります。

2. 低ROI企業は「基盤施策」が抜け落ちている

対照的に、ROIが低い企業の実施率は全体的に低く、特に上記の表にある「質・量・構造」の3軸に十分取り組めていないことがわかります。

施策が断片的で「とりあえず記事を書いているだけ」の状態になっていないでしょうか? 高ROI企業のデータが示す通り、成果を出すには「何をやるか」よりも、それらをどう組み合わせて「点ではなく面で攻めるか」という戦略的な運用が不可欠です。

まとめ

調査から明らかになった、SEO施策の指標とROI評価の実態に関する重要なポイントをまとめます。

1. 脱・PV至上主義。評価は「量」から「質」へ

SEOの成果指標において、PV数などの「量」よりも、滞在時間やスクロール率といった「記事のエンゲージメント(質)」を重視する企業が54.7%で最多となりました。多くの企業が、ユーザーの行動変容をより深く追跡するフェーズへ移行しています

2. 6割以上が「成果に満足していない」

ROIについて「一定の成果はあるが改善の余地がある」と回答した企業は62.8%にのぼります。多くの企業がSEOに投資をしながらも、「もっと売上に貢献できるはずだ」という伸びしろを感じており、現状のパフォーマンスに完全には満足していない実態があります

3. 成果への近道は「記事量産」より「構造改革」

ROIを向上させるための施策として、最も選ばれているのは「内部リンク戦略の最適化(52.2%)」でした。ROIが高い企業ほど、記事単体ではなくサイト全体の構造設計に注力しており、「構造×中身×量」の三位一体で運用することが、成果を出すための鉄則と言えます

もっと詳細を知りたいという方へ!

SEO施策の最新データを、全47ページで完全網羅。 本記事では紹介しきれなかった詳細データや、成果を出すための運用ノウハウをまとめた調査レポート完全版はこちらから!

BtoBマーケティングにお悩みならferret Oneにご相談ください!

「ferret One」は、BtoBマーケティングに必要なツールとノウハウを提供するサービスです。

課題に合わせて貴社に不足している要素を過不足なく提供し、マーケティング施策の実行を促します。使いやすいツール、Webサイト、伴走サポート、制作代行など、必要な要素をまるっと揃えることができます。

導入して終わりではなく、より有効な運用をして頂くための様々なサポートをご用意しています。これからもBtoBマーケターのみなさんのお役に立てる内容やマーケティングの成功のために必要なサポートを充実させてまいります。

BtoBマーケティングにお悩みの方は、ぜひ「ferret One」 にご相談ください!

ferret(One Tip編集部)
ferret(One Tip編集部)
One Tipは、BtoBマーケティングに特化した支援サービス「ferret」から生まれた、「リード獲得の打ち手が見つかるメディア」です。 BtoBマーケティングにかかわる人にとって、価値あるコンテンツをお届けしていきます。 Twitter:@ferret_One_

記事を探す

マーケティング戦略設計方法を探す

マーケティング組織の作り方を探す

リード獲得施策を探す

Webサイト改善方法を探す

マーケティングツールの活用方法を探す

マーケターへのインタビュー記事を探す

登録番号 IA180169
適用規格 ISO/IEC 27001:2022 / JIS Q 27001:2023