【イベントレポート】【ferret 15min TIPS】流入とCVR、結局どっちを伸ばす?LLMO時代の優先順位

サイト流入が落ちる一方でCVR改善もやりたい。SEOもLLMO対策も導線改善も…と手を広げた結果、優先順位が決めきれない。そんな状況に向けて、本記事では「流入かCVRか」を二択で悩まず、流入チャネル×コンテンツで数字を分解してCVを生む入口(勝ち入口)を見つけ、投資配分を決める考え方を解説します。読み終えると、自社の状況を4パターンで切り分け、次に打つ施策(流入を増やす/受け皿を強化する/LLMOを進める など)を判断できるようになります。
本記事は、株式会社ベーシックが実施したショートウェビナーシリーズ「ferret 15min TIPS」第4回の内容をもとにまとめたセミナーレポートです。
- この記事の要点
「流入かCVRか」の二択で考えない
サイト流入が減るとSEOや広告を強化したくなり、CVRが低いとフォームや導線を改善したくなります。
しかし、サイト全体の平均値だけを見て判断すると、実際にCVを生んでいる入口と、流入は多いものの成果につながっていない入口が混ざってしまいます。
まず見るべきなのは、「どのチャネルから、どのコンテンツに流入した人がCVしているのか」です。成果を生んでいる“勝ち入口”を特定してから、流入を増やすのか、受け皿を改善するのかを判断します。
流入量とCVRを分けて、「次の一手」を決める
同じ「流入が少ない」「CVRが低い」という状態でも、必要な施策は同じではありません。
流入は少ないもののCVRが高いなら、その入口への送客を増やす。反対に流入はあるのにCVRが低いなら、記事を増やす前に導線やオファーを見直す。
流入量とCVRの状態を組み合わせて見ることで、自社が今どこに投資すべきかを判断しやすくなります。
LLMOも「AI対策」単体ではなく、成果を生む入口から考える
生成AI経由の流入が増えるなかで、LLMOへの対応も必要になっています。
ただし、やみくもにAIでの露出や引用を増やすのではなく、まずは自社にとって成果につながる入口へ、どう流入を増やすかという視点が重要です。
AI経由・オーガニック・広告などのチャネルと、入口となるコンテンツを掛け合わせて成果を見ることで、SEO・LLMO・サイト改善の優先順位も決めやすくなります。
この記事では、「流入を増やすべきか、CVRを改善すべきか」で迷ったときに、勝ち入口を特定し、次に取り組む施策を決める方法を解説します。
登壇者紹介

株式会社ベーシック マーケティング部 マネージャー
見山 悠妃
営業支援会社にて現場営業からマネージャーを経験。その後「1人マーケター」としてマーケティング部署を立ち上げ、サービスサイト制作・コンテンツ制作・ウェビナー施策・MA活用の基盤を構築。
2021年にベーシックに入社し、BtoBマーケサービス「ferret One」のインサイドセールス、フィールドセールス、イベント企画登壇などを経て、現在はマーケティングマネージャーとして、マーケティング・事業部を横断した戦略立案/企画/オペレーション設計を担う。

株式会社ベーシック マーケティング部 リーダー
後藤 大貴
2022年にベーシックに入社し、ferret Oneカスタマーサクセスとして顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援から関わり、担当社数は約100社にも及ぶ。製造業・ITサービスから人材業界まで幅広い業界を担当し、中長期的な戦略からサイト改善やコンテンツ制作までの、マーケ施策の提案と伴走支援を行う。
現在はマーケティング部に異動して、商材を横断したナーチャリングファネルの戦略立案/企画/オペレーション設計を担う。
結論|「流入かCVRか」ではなく、CVが取れている入口を特定する

流入を伸ばすか、CVRを伸ばすか。その前にやるべきことは、 「どの入口(チャネル×コンテンツ)で、狙うターゲットのCVが取れているか」を見極めることです。サイト全体の平均値に引っ張られず、成果を生む入口にリソースを寄せるほど、限られた工数でも成果が伸びやすくなります。

前提|サイト全体の平均CVRで判断すると、優先順位を誤りやすい

LLMO時代は、流入経路もユーザーの検討行動も多様化しています。サイト全体のCVRをひとまとめに見てしまうと、CVに直結しない大量の流入と、少ない流入でもCVを生む入口が混ざり、どこから手を付けるべきかがぼやけます。
まずは、流入を 「チャネル」と 「入口ページ(コンテンツ)」で分け、CV・CVR・CV数の貢献度を並べて見ます。この分解ができると、「流入を増やすべき局面」なのか「受け皿を強くするべき局面」なのかが、判断しやすくなります。

実測データで確認|流入が減っても、CVが伸びることはある

ベーシックの自社サイト実測データでは、検索流入が 22.7%減少した一方で、CVRは 0.51%→0.84%に改善し、CV数は 107%増加しました。流入が減っても、入口の質が上がれば成果は伸びます。
このとき重要なのは、「流入が減った」という事実だけで悪化と決めないことです。狙うターゲットが入りやすい入口に流入が集まり、そこでCVが取れているなら、むしろ効率は上がっています。
AI経由流入の実態|まずは“比率が高いAI”から対策設計する

生成AI経由の流入は、サービス別に偏りが出ます。ベーシックの8月データでは、生成AI経由流入の約 7割が特定の生成AIサービスからでした。
また、生成AIサービスごとに、裏側で参照する検索エンジンやブラウザなどの前提が異なります。やみくもに「AI対策」を進めるのではなく、まずは どのAIからの流入を伸ばしたいのかを決めたうえで、必要な整備(一次情報、事例、料金、よくある質問への回答など)を積み上げていくのが現実的です。
勝ち入口を見つける|入口ページ別にCV貢献度を比較する

入口ページ別に見ると、同じサイトでも役割が大きく異なります。例として、記事(ブログ)はセッション数が 10万超と多い一方、CVRは 0.21%と低めでした。対してセミナーLPはセッション数が 6,456と少なくても、CVRは 5.9%と高く、CV数が記事を上回る結果でした。
サイト全体の平均CVRだけを追うと、「大量に流入するがCVに直結しにくい入口」と「流入は少なくてもCVを生む入口」の差が見えません。だからこそ、入口ページ別にCV貢献度を並べて比較し、勝ち入口を特定します。

勝ち入口が見つかると、やることが明確になります。勝ち入口に対しては流入を増やす施策を優先し、勝ち入口が存在しない場合は、まずCVが取れる受け皿づくり(オファー、訴求、導線の見直し)から着手する、といった判断が取りやすくなります。
優先順位を決める|4パターンで「次の一手」を即決する

流入とCVRの状態は、ざっくり4パターンに整理できます。自社の主要な入口(例:セミナーLP、資料請求、サービスページ、記事など)を対象に、「流入量」と「CVR」を並べて、どこがボトルネックかを特定します。

同じ「流入が減った」でも、検索順位の低下なのか、AI Overviewなど外部要因によるゼロクリック化なのかで打ち手は変わります。数字を入口別に分けたうえで、以下のパターンに当てはめて判断します。
パターン1|流入が少なく、CVRも低い
- 狙うターゲットに届いておらず、来訪してもCVにつながりにくい状態です。
- 最初にやることは、狙う顧客・入口・オファーの再定義です。まずはCVが取れる入口をひとつ作り、そこで勝ち筋を確立します。
パターン2|流入は少ないが、CVRは高い
- 勝ち入口はあるのに、そこへ人が届いていない状態です。
- 最優先は、勝ち入口への送客を増やすことです。指名検索の獲得、AIで引用されるための整備、広告やメールでの送客など、入口へ流入を寄せる施策に投資します。
パターン3|流入はあるが、CVRが低い
- ターゲット外の流入が多く、平均CVRが押し下げられている可能性があります。
- 入口別にCVRとCV数を見直し、勝ち入口への導線を強化します。記事の量産よりも、内部導線やオファーの見せ方を見直すほうが改善につながりやすくなります。
パターン4|流入もCVRも取れている
- 勝ち入口と勝ちチャネルが見えている状態です。
- 横展開フェーズとして、勝ち筋のあるテーマを増やします。顧客課題と解決策の紐づけを強めながら、サイトやコンテンツの厚みを広げます。
KPIの見直し|「AI・入口」視点を足して、観察精度を上げる

入口別に状況を判断できるようになったら、日々の観察指標もアップデートします。従来指標に加えて、AI経由の露出や引用状況、入口コンテンツ別のCVRといった視点を持つことで、外部要因で流入が揺れても意思決定がブレにくくなります。
- 接点づくりでは、検索順位やセッション数に加え、AI経由の露出や指名検索、AIでの引用状況も追います。
- 関心づくりでは、記事PVや回遊だけでなく、入口コンテンツ別のCVRやAI経由のエンゲージメントも見ます。
- MQL化では、サイト平均ではなくチャネル×コンテンツ別のCV・CVRを基準にします。
- 商談化では、ターゲットMQLや商談化率までつなげて追い、マーケと営業で共通言語にします。
実行ステップ|迷わず進める4つの順番

- 入口ページごとに、流入とCVRを分けて現状把握します(まずは主要な入口に絞ってOKです)。
- 狙う顧客が使うキーワードで生成AIを検索し、自社が引用・推奨される状態かを確認します。
- AI経由/オーガニックなどのチャネルと、入口コンテンツを掛け合わせてCVを分解し、勝ち入口を特定します。
- 勝ち入口と勝ち筋(顧客課題×解決策)を起点に、サイトやコンテンツへ反映して再現性を高めます。
まとめ|流入とCVR、改善すべきなのは
- サイト全体の平均値ではなく、チャネル×入口コンテンツで成果を判断できる
- 勝ち入口(CVを生む入口)を見つけ、投資すべきポイントを決められる
- 流入とCVRの状態を4パターンに当てはめ、次の一手を迷わず選べる
- LLMO時代の観察指標と、取り組みの順番を自社の運用に落とし込める
流入が落ちた/CVRが低い、といった“現象”から議論を始めるのではなく、入口別に数字を分解してボトルネックを特定することで、 「今は流入を増やすべきか、CVRを上げるべきか」を判断し、次の施策を具体的に決められます。
「流入とCVR、結局どこから改善すべき?」と迷ったときは
ここまでご紹介したように、流入を増やすべきか、CVRを改善すべきかを判断するには、サイト全体の数字だけを見るのではなく、チャネルと入口コンテンツごとに成果を分解することが重要です。
まずは、どの入口がCVを生んでいるのかを確認し、その入口への流入が足りないのか、そもそもCVにつながる受け皿が弱いのかを整理することで、次に取り組む施策が見えやすくなります。
とはいえ、実際に数字を見てみると、
・GA4やSearch Consoleの数字は見ているものの、どこから改善すべきかわからない
・SEO・LLMO・広告・サイト改善の優先順位を決めきれない
・流入はあるのに、どのコンテンツがCVや商談に貢献しているのかわからない
といった状態になることもあります。
そんなときは、施策を増やす前に、現在の流入経路やコンテンツ、CVまでの導線を一度整理し、成果につながっている入口を見つけるところから始めるのもひとつの方法です。
ferretでは、BtoBマーケティング全体の状況を踏まえながら、サイトの分析や導線設計、SEO・LLMO、コンテンツ施策などの優先順位を整理する支援を行っています。
流入を増やすべきか、CVR改善を優先すべきか。あるいは、そもそもどこがボトルネックなのか。
まだ具体的な施策が決まりきっていない段階からでもご相談いただけます。
今のサイトやマーケティング施策を一度整理したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。











