
顧客視点とは何か?BtoBマーケで「顧客の声」を成果につなげる考え方
仕事終わりのBtoBマーケターが、日々の気づきやトピックをゆるっとお届けするポッドキャスト番組「しごおわ!ゆるっと12分ラジオ」。
今回は、「顧客視点」という言葉を改めてゆるく掘り下げます。普段から当たり前のように使っているけれど、いざ定義しようとすると意外と難しい……そんな「顧客視点」の本質について、語り合いました。
本配信のまとめ
- 「顧客の声」と「顧客視点」は違う:声はアウトプットにすぎない。その背景にある状況や感情まで理解しようとすることが顧客視点の本質
- マーケターにも営業力・ヒアリング力が必要:直接対話できる営業と異なり、マーケターはデータやフレームワークで仮説を立てるからこそ、インタビュー力が武器になる
- 「立ち返る」をルーティーン化しよう:日々の施策に追われると顧客視点を忘れがち。定期的に「これでいいんだっけ?」と立ち返る仕組みを作ることが大事
※本記事はポッドキャスト「しごおわ!ゆるっと12分ラジオ」の内容を再構成したものです。
BtoBマーケターが理解しておくべき顧客視点とは
顧客視点とは、顧客の発言をそのまま受け取ることではなく、その発言の背景にある状況・制約・感情・意思決定文脈まで含めて理解し、顧客自身も言語化できていない課題や選択肢を提示すること。
と、本記事ではまとめています。
顧客視点を実務に落とす手順
以下のようなことを、あらかじめ用意しておくと、施策に顧客視点が含まれているかを振り返りやすいです。
- 施策前のチェックリスト
- この施策は、誰のどんな状況に向けたものか
- 顧客が口にしている悩みの背景に、別の課題はないか
- この施策で、顧客にどんな新しい気づきを渡せるか
- インタビューで聞くべき質問例
- その課題を最初に強く感じたのはいつですか?
- これまでどんな方法で解決しようとしましたか?
- うまくいかなかった理由は何だと思いますか?
- 社内で意思決定するとき、誰が何を気にしますか?
- その課題が解決したら、何が一番変わりますか?
- マーケ施策で顧客視点がズレる典型例の言語化
- 自社が言いたい機能訴求ばかりで、導入判断の背景が見えていない
- 顧客の要望をそのまま拾い、根本課題を掘れていない
- 売りたい施策が先にあり、顧客の状況整理が後回し
「顧客視点」って、よく使うけど結局なんだっけ
見山 今日はそんな「顧客視点」を題材に話していきたいなと。
というのも、いざ「顧客視点って何?」を考えていたら哲学的になっちゃって。
「顧客の声を聞こう」ともよく言うけど、「声」と「視点」って違うじゃない?
後藤 ……確かに、違いますね。
見山 お客さんの声って、その人が置かれている状況を踏まえて最終的にアウトプットされたものじゃないですか。だから声だけ拾っても、その背景にある本当の気持ちや課題には辿り着けないことが多くて。そもそもお客さん自身が「自分の課題はこれだ」って明確に言語化できてるとは限らないし。
後藤 パッと聞いて出てくる言葉が、本当の課題じゃないこともありますよね。お客さん自身が、全部言語化ができているわけではないから。
顧客視点とは「お客さんに新たな発見を届けること」
後藤 見山さんが話している「顧客視点」とはちょっと違う角度かもしれないんですが、顧客視点を持ちながら成果を出すためには、お客さんの声を聞くだけじゃダメで、お客さんに新たな発見を提供することが重要だということで。
ちょうど昨日、CSのミーティングでマネージャーがシェアしてくれた話があって。「チャレンジャーセールス」的な考え方なんですけど、CSメンバーはみんな優しいから寄り添い型になりがちだけど、それだけじゃダメで。
本当にお客さんのことを考えるなら、耳の痛いことでもちゃんと伝える必要があるなって。
見山 それって、ネガティブなぶつかりじゃなくてポジティブなぶつかりだよね。そこから新しいアイデアが生まれることもあるし。
後藤 そうなんです。顧客視点で動くって、そういうことなんだなって。
マーケターにも「ヒアリング力・営業力」が武器になる
見山 営業は、お客さんと直接話せるから「それってこういうことですか?」「実は本当の課題ってこっちじゃないですか?」って会話の中で掘り下げられる。でも、マーケはデータやフレームワークで可能性を整理していかないといけないから、難しい。
後藤 確かに、顧客との接点の回数で言うと、マーケターは難しいね。
見山 そういう意味では、営業経験のある人がマーケをやると強いのかもしれないよね。あとは、ユーザーインタビューやデプスインタビューをする時のインタビュアー力。
事例取得が目的じゃなくて、「なぜこれを探していたんですか?」「どんな課題があったんですか?」を引き出せるスキル。これって、ポータブルスキルとして持ってるとマーケでも圧倒的に有利だなって。自社ではまさにマーケターが顧客にインタビューをする機会を増やしているよ。
後藤 現場に降りるのは大事だね。AIが無理矢理にでも答えをくれるようになった今だからこそ、より本質的な取り組みが重要だとも思う。
「ドリルを売るなら穴を売れ」のその先へ
後藤 「ドリルを売るなら穴を売れ」って営業の話あるじゃないですか。
見山 あるね。名著。
後藤 この話でふと思い出したんだけど。ドリルを探しているお客さんに「どうして穴を開けたいの?」ってなる。
穴を開けたいのは、電線を通して扇風機を回したいから。だったら扇風機より、クーラーのほうがよくない?みたいに、お客さんの立場に立って初めて見えてくる課題って、全然違ってくると。
見山 そうなんだよね。お客さんが欲しいのはドリルじゃなくて、実は涼しい部屋だったりする。
後藤 まさに。こういうのって、日々施策をこなしていると「売りたい」が勝ってしまいがちなので、改めて考え直すの大事だなと。
見山 特に目標を追ってる時は「やばいやばい!」ってなるからね。そういう時こそ一呼吸置いて、「自分がやろうとしていることって、本当にこれでいいんだっけ」って立ち返ることが大事かも。
マーケター自身は介在価値をどこに置くべきか
後藤 見山さんにとっての顧客視点って何ですか?
見山 わたしは割と営業経験が長いから、後藤さんが言ったこととも近いんだけど、「自分が入る意味をどこに発揮するか」を常に考えてるかな。
営業担当として「このお客さんに関わる価値はどこにあるのか」、「マーケとして、このコンテンツをお届けするなら、自分だから届けられる価値は何か」を軸として持つようにしてる。
後藤 それって、こっち都合じゃなく顧客起点で動くためのポリシーですよね。
見山 そう。もちろんサービスを使ってもらえたら嬉しいから、自信を持って薦める。けど、その前に「こういう人なら本当に役立てる」って思いながら、お客さんが言語化できていない気づきを届けて、新しい視点を広げてほしいなって気持ちがベースにある。
だから、顧客視点というのはお客さんが「本当に」困っていることを理解すること。めちゃくちゃ平たい着地になっちゃったけど(笑)
後藤 でも、そこが本質ですよね。ユーザーの立場に立つ。究極はその人自身になることかも。
「立ち返ること」をルーティーンにしよう
見山 顧客視点を学ぶために、本を読んだり、ウェビナーで学んだりしても、人って忘れる生き物だから。「顧客視点に立ち返える」ということをルーティーンに組み込むといいかもしれないね。
後藤 具体的にどうやって?
見山 例えば施策を企画する時にチェックリストを作っておくとか、1週間に1回「自分はちゃんとできているか」を振り返る時間を設けるとか。あとは誰かと1on1や会議でフィードバックし合う、とか。
それこそ、最近はマーケターとインサイドセールス、セールスが一緒になって、フィードバックし合っているよ。それがたとえメルマガ1本だとしても、「誰に」「何を」をきちんと見るようにしている。あとは、マーケターが顧客に話を聞きに行くこともしている。
後藤 確かに。習慣になってないと、日々の業務に追われてそこに立ち返れなくなりますよね。
見山 特にBtoBだとお客さんの立場をなかなか直接体験できないからこそ、意識的に「立ち返える」仕組みを作ることが大事かなと思う。













