
BtoBメールマーケティングで本当に大切なこと|開封率より重要なn=1思考と公開ラブレター
仕事終わりのBtoBマーケターが、日々の気づきやトピックをゆるっとお届けするポッドキャスト番組「しごおわ!ゆるっと12分ラジオ」。今回は、日々100通以上のメルマガを受信している見山が、受信者と送信者それぞれの視点から「本当に読まれるメルマガ」について語り合いました。
「メルマガの開封率が下がっている」「ネタ切れで何を送ればいいかわからない」
AIによる検索体験の変化(AIO)などが叫ばれる中、プッシュ型施策であるメールマーケティングの重要性は依然として高いままです。日々大量のメールを受け取る顧客に、自社のメッセージを届けるにはどうすればよいのか、参考にしてください。
本配信のまとめ
- 「ご指名枠」を目指す:受信ボックスで生き残るのは「ご指名」か「超タイムリー」なメールだけ
- n=1に向けた公開ラブレター:開封率ハックよりも、具体的な一人の顔を思い浮かべて書くことで、結果的に多くの人に刺さる
- 継続は力なり:開封はタイミング次第。信頼を損なうような釣りタイトルは避け、価値ある情報を淡々と送り続ける。
※本記事はポッドキャスト「しごおわ!ゆるっと12分ラジオ」の内容を再構成したものです。
メルマガは1日100通届く。でも全部読むわけじゃない
見山 わたし、性格的に未読バッジが残っているのが嫌なタイプなんですよ。だから、会社メールも基本的にはサッと目を通して「一括既読」にしちゃうことが多いです。受信ボックスに未読がない状態にしたいので。
後藤 なるほど、一度開封はするけど中身を読んでいるわけではないと。
見山 そうなんです。送信してくれている企業様には申し訳ないですが、開封しても中身までしっかり読むメールは本当にごく一部かな。
読むメルマガの2つの条件は、「ご指名枠」と「タイムリー」
後藤 その中で実際に「読む」と決めているメルマガはどんな特徴なの?
見山 大きく分けて2つのパターン。
1つは送信者(名前)で見る人が決まっているパターン。
もう1つは、タイトルを見て「今まさに悩んでいることだ!」と興味をそそられるパターン。
後藤 送信者名で選ぶというのは、「この人のメルマガなら面白いだろう」という信頼があるということだ。
見山 そう。タイトルをザーッと100件スクロールする中で、「あ、この人から来てるなら読もう」となる「ご指名枠」に入っている人たちがいます。
もう一つは、例えばわたしが来期の戦略策定で悩んでいる時期に、「来期のマーケティング戦略、どう立てる?」みたいなタイトルが来たら、思わずクリックしちゃいますね。タイトルでポッとなったやつは本文をじっくり読むし、セミナーに申し込んだりもしているよ。
ご指名枠に入るメールの特徴とは?トレンド×独自見解
後藤 その「ご指名枠」に入るメールには、どんな共通点があるの?
見山 単なるニュースの羅列ではなく、「トレンドなものに関しての意見を述べてくださっているもの」かな。
例えばGoogleのコアアップデートがあった時に、「アップデートがありました」という事実だけでなく、「弊社ではこう考えます」「我々はこう思います」という独自の見解が書かれているメール。
後藤 なるほど。事実ならAIや検索でわかるしね。
見山 そういうハッとする気づきをくれる人のメルマガは継続的に読みたくなるかな。逆に、タイトルが曖昧でふわっとしていると、スクロールする中で目に留まらずスルーしているかも。
送信者として心がけていることは「公開ラブレター」
後藤 見山さんはメルマガを書く側でもあると思うけど、気をつけていることはあるの?
見山 シンプルだけど、「わたしはわたし好みのメルマガを書いてる」かな。自分が受信者として読みたいと思う構成にしている。
具体的には、「こういうあなたに、この件を届けたい」というのをわかるようにすること。例えばイベント集客だったら、カンファレンスを企画した背景をそのまま書いちゃうことが多いかも。
後藤 ターゲットに対してどんな価値を伝えられるか、だね。よくあるコンテンツ起点で、この記事が出たから送ろう!ではなく、顧客起点で考えているのが伝わるな。
見山 あと単純に「この人が読んでくれたらいいなで作る」というn=1思考で作っている。
「この前商談した〇〇さん」とか「既存顧客の〇〇さん」みたいな具体的な顔を思い浮かべて、その人に届くように書きます。全員に読んでほしいと思って広く浅く書くよりも、「公開ラブレター」みたいなつもりで書いた方が、結果的に似たような悩みを持つ多くの人に刺さるんですよね。
後藤 公開ラブレター、素敵な表現ですね。広く受けを狙うより、n=1に向けたメールの方が結果的に反響が良いというのは、本質的。
見山 例えばAIO(AI Overview)の話でも、「AIOとは何か?」という一般論は調べればわかるよね。そうではなく、「踏まえて、わたしはこう思っている」「自社でこういう壁にぶち当たったから、あなたには同じ道を歩んでほしくない」といった、「一般論プラス独自見解」を入れる。これがラブレターたる所以かな。
開封率を追いかけすぎて、信頼は落とさないように
後藤 一方で、開封率というKPIを追いかけすぎると、本質からズレてしまうこともありますよね。
見山 一時期、話題になったことがあるね。奇をてらったタイトル。例えば「Re:」をつけて返信風に見せたり、Googleカレンダーの通知メールっぽい件名にしたり。
マーケターとしては「ナイスアイデア!」と思う反面、実際に開けてみて中身がただの宣伝だと、「騙された」と感じて信頼を損なってしまいます。開封率は上がるかもしれないけれど、長期的な信頼関係という意味ではマイナスになりかねない。
後藤 テクニックとしては面白いですが、ゴールを見誤ってはいけないね。
見山 結局、メールを開くかどうかは「タイミング」じゃないかな。どんなに良い内容でも、相手がその課題を持っていない時は読まれません。わたしもそうですし。だからこそ、一撃に期待するよりも、「タイミングだから、淡々と送り続ける方がいい」と思っています。
後藤 なるほど。いつか来る「その時」のために、信頼を積み重ねておくということね。
見山 そう。ラブレターだと思って、n=1に向けて独自の見解を乗せて、淡々と送り続ける。それが一番の近道だと思うな。












