顧客データベースの作り方とは?エクセルやCRMツール活用のポイント


顧客データベースとは、企業が既存の顧客や見込み客の情報を管理するためのデータベースのことです。情報には企業名や連絡先などの基本情報のみならず、商談内容や関心のある事なども含み、顧客一人一人に合わせたマーケティングを行うために必要になります。

顧客データベースはどのように作るのが良いのでしょうか? この記事ではデータベースの作り方や、それぞれのメリット・デメリット、おすすめのツールと活用ポイントを解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.顧客データベースはエクセルかCRMツール
  2. 2.顧客データベースの作り方①エクセル
  3. 3.顧客データベースの作り方②CRMツール
  4. 4.顧客データベース作りに便利なCRMを選ぶポイント
  5. 5.顧客データベースづくりにおすすめのCRM5選
  6. 6.顧客データベース活用の3つの注意点
  7. 7.顧客データベース作成に取りかかろう


顧客データベースはエクセルかCRMツール

顧客データベースを作る主な方法は、エクセルでの自作かCRMツールの利用です。

CRMの機能を備えた名刺管理システムを利用すれば、名刺をスキャンするだけで顧客データベースを作れます。

会計ソフトを利用する方法もありますが、そもそも会計処理に優れたソフトなので、マーケティングに利用するために顧客データを作成する場合には不向きです。


顧客データベースの作り方①エクセル


エクセルでの自作は、一般的な顧客データベースの作成方法です。管理する項目を決め、顧客情報を入力した後、テーブル機能を使ってデータベース化します。

エクセルで作成する際には、見やすさ・使いやすさ・管理のしやすさを意識しましょう。色やフォントを変更したり、プルダウンで入力できるようにするなど工夫が必要です。

エクセルでの作成方法は、管理するデータ量が少ない場合や、DMのハガキを送るといった目的の顧客データベースを作る場合には簡単でおすすめです。

エクセルで顧客データベースを作るメリット

メリットとして挙げられるのは以下の3点です。

  • 費用がかからない
  • 多くの人が使用した経験がある
  • 自由度が高い

エクセルは費用がかからず、基本的な操作は多くの人がわかっているので、改めて社員の教育をする必要がありません。入力のルールやデータ抽出の方法など、顧客管理に関係がある部分のみ説明を行えばいいので、教育コストも抑えられます。

エクセルでの作成は1から自作するため、自由度が高いことも魅力です。管理項目は自社に必要なものを自由に選択でき、フォーマットも使いやすいように作成できます。カスタマイズ性が高く、自社に適した顧客データベースが完成します。


エクセルで顧客データベースを作るデメリット

デメリットとして考えられるのは以下の4点です。

  • データファイルが重くなる
  • 基本的には同時編集ができない
  • データ破損の危険性がある
  • セキュリティに不安が残る

エクセルで顧客情報を管理していくと、データ量が増え、処理動作が遅くなります

管理する項目が多かったり、蓄積する顧客情報が増えるとデータファイルは重くなり、起動やデータの抽出に時間がかかります。作業効率が下がってしまい、ストレスに感じてしまうでしょう。

エクセルで作成した顧客データベースは、操作ミスや情報の誤入力により、データが破損してしまう危険性があります。管理するデータ量や共有する人数が多いと、誰がどのデータを入力したのかが把握できず、ミスの箇所や原因を見つけるのは困難でしょう。データの正確性が失われると、正しい分析もできなくなります。

エクセルは誰でもアクセスできるため、セキュリティに不安があることもデメリットです。エクセルファイルは簡単にコピーすることができ、社外への持ち出しによる情報漏洩の危険性があります。


顧客データベースの作り方②CRMツール

顧客データベースは、多様な顧客情報を一元的に管理できるCRMツールを利用して作成することができます。

CRMツールにはオンプレミス型とクラウド型があり、機能もさまざまです。SFAの機能を備えたCRMツールを利用したり、他のツールと連携することで、データを元にマーケティングにも役立てることができます。

管理する顧客の数が多く、情報を営業やマーケティング活動に活かしていこうと考えている企業におすすめの作り方です。


CRMツールで顧客データベースを作るメリット

メリットとして挙げられるのは以下の3点です。

  • 顧客管理のための機能が充実している
  • 情報を一元化できる
  • ネット環境があればどこでも情報が確認できる


CRMツールは顧客管理のためのツールなので、さまざまな業種にも対応した顧客管理に便利な機能が充実しています。

細かい条件設定で検索ができ、必要な顧客情報がすぐに閲覧可能です。顧客の重複入力を防ぐ機能や、Webフォームから得られた顧客情報を、そのままツールに取り込める機能もあります。

CRMツールでは基本情報だけでなく、商談内容や頻度、サービス提案に対する反応や問い合わせ内容といった、エクセルでは難しい細かな情報まで管理できます。

各部署が持つ情報を一箇所で管理・共有できるので、各部署との連携がスムーズになり、業務の効率が上がります。

さらに、同時入力が可能なので、共有する情報もリアルタイムな情報を手に入れることができます。CRMツールのクラウド型を利用すれば、ネット環境のある場所ならばどこでも情報の閲覧ができるメリットがあります。

顧客データベースを社外でも利用することを想定している企業にはとても便利です。


CRMツールで顧客データベースを作るデメリット

デメリットとして考えられるのは以下の2点です。

  • 費用がかかる
  • 使いこなせない場合がある


CRMツールを利用する最大のデメリットは、導入費用や月額利用料がかかることです。導入するツールによって金額は異なりますが、オンプレミス型になると、導入に数百万程度の費用がかかります。

クラウド型は導入費用は無料の場合が多く、かかっても5万円程度です。月額利用料は1ユーザーあたり数千円程度かかります。利用するユーザー数が20人で、月額利用料が1,000円ならば、1ヶ月20,000円の運用費用が必要です。


顧客データベース作りに便利なCRMを選ぶポイント


顧客データベース作りに便利なCRMを選ぶポイントは以下の通りです。


①費用

導入するツールの費用が自社の予算に合っているものを選びましょう。

多機能なツールは高価なものが多いです。自社に必要な機能が備わっているものを選び、無駄に費用をかけないようにしましょう。

CRMは情報を蓄積することで効果が発揮されるツールで、短期間で効果が出るものではありません。長期間の運用を前提に、企業の負担にならない予算を立てることが重要です。


②操作性

CRMツールは操作が簡単で分かりやすいものがおすすめです。

部署も年齢層も知識量も異なるさまざまな社員が利用するため、誰でも使いやすいものである必要があります。管理画面が分かりやすく、簡単に入力できるものがよいでしょう。

CRMツールを社外から利用することを想定している場合には、パソコン以外の他のデバイスからでもストレスなく利用できるかも確認しましょう。

どんなツールを利用していても、使っていく上で疑問点は出てきます。操作面だけでなく、導入や運用の仕方などの悩みも出てくるかもしれません。導入から運用までしっかりとしたサポート体制が整っているかもチェックしましょう。


③セキュリティ面

導入するツールのセキュリティ対策を確認しましょう。

扱う情報が顧客情報なので、情報が流出すると企業の信頼問題に関わります。データの暗号化やアクセス制限、ログイン時の2段階認証など、セキュリティ機能が十分に備わっているかが重要です。

プライバシーマークを取得している企業のツールかどうかも判断基準になります。


顧客データベースづくりにおすすめのCRM5選


顧客データベースをつくるときにおすすめのCRMを5つご紹介します。


Sales Cloud

Sales Cloudは20年以上の実績をもつ世界的に人気のツールです。

基本的な顧客管理機能の他にも、SFA機能、マーケティング機能、カスタマーサービス機能など機能が豊富で、自社に必要な機能だけを選んで利用するためカスタマイズ性が高いのが特徴です。

Sales Cloudを運営するセールスフォース提供のツールはもちろん、世界シェアNo. 1だからこそ連携できるツールが他にも多くあります。

サポートは平日の9時〜17時までオンラインで受けられ、24時間365日サポートを受けられるプランもあります。セールスフォースに詳しい人たちが集まるコミュニティもあり、そちらでの問題解決も可能です。

高性能なぶん値段が高く、多機能な面が使いづらく感じてしまうデメリットもあります。

【費用】(1ユーザーあたりの月額料金)
Essentials:3,000円
Professional:9,000円
Enterprise:18,000円
Unlimited:36,000円

公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/


eセールスマネージャーRemix Cloud

eセールスマネージャーRemix Cloudは日本製のCRMで、継続率95%を誇るツールです。

営業業務に役立つ機能が多いのが特徴で、営業の業務負担を軽減します。シングルインプット機能により、営業活動を1度入力するだけでタイムラインやスケジュール、顧客・人脈情報、商談リストなどに自動で反映することができます。スマホから名刺の自動登録も可能です。

導入後は定着に向けたサポート体制が充実しているため、CRM導入が初めての企業におすすめです。

【費用】(1ユーザーあたりの月額料金)
スケジュールシェア(グループウェアのみ):3,000円
ナレッジシェア(閲覧のみ):6,000円
スタンダード:11,000円

公式サイト:https://www.e-sales.jp/


Zoho CRM

Zoho CRMは25万社の導入実績があり、豊富な機能とカスタマイズのしやすさが特徴のツールです。

キャンバス機能を利用し、ドラッグ&ドロップの簡単操作で白いキャンバスにレイアウトを自由に設置することできます。自社に合わせたオリジナルのCRMが作成可能です。

Zoho CRMはZia(ジア)と呼ばれるAIを搭載しており、電話をかけるタイミングやアプローチすべき顧客の選定など、営業を効率的に行うための提案を受けられます。マルチチャネルコミュニケーション機能も特徴的で、メール、電話、チャット、SNSなどさまざまなチャネルを一元化して顧客とのやりとりを管理します。

データの暗号化、アクセス制御、厳重なアカウント認証などセキュリティ対策も万全です。

無料プランや、成約するサービスによっては日本語でのサポートが受けられないものもあるので注意しましょう。

【費用】(1ユーザーあたりの月額料金)
スタンダード:1,440円
プロフェッショナル:2,400円
エンタープライズ:4,200円
アルティメット:5,400円

公式サイト:https://www.zoho.com/jp/crm/?zmc=zoho-faireft=ohome


Kintone

Kintoneは月額費用が安く、ITツールに関して詳しい知識がなくても使いやすい初心者にもおすすめのツールです。実際に導入を担当した社員の90%以上がIT関係の部署ではありません。

使いやすい管理画面と操作が簡単な点が魅力で、自社に合わせたオリジナルのビジネスアプリが知識不要で作れます。

社内のコミュニケーション機能が充実しており、スレッド機能やメンション機能の他にも、データにコメントが書き込めるなどチームの連携がしやすいことがポイントです。

セキュリティ問題対応専門のチーム「Cy-SIRT」や、Japan(ヘルプデスク協会)主催HDI格付けベンチマーク「モニタリング」で三つ星評価を受けたサポートセンターがあるので、安心して利用できます。

Kintone利用者であれば平日の9時〜12時、13時〜17時30分の間、電話とメールでのサポートが受けられます。

【費用】(1ユーザーあたりの月額料金)
ライトコース:780円
スタンダードコース:1,500円

公式サイト:​​​​​​​https://kintone.cybozu.co.jp/


Knowledge Suite

Knowledge Suiteはテレワークに向いているCRMツールです。

マルチデバイスに対応しており、パソコン、スマホ、タブレットなどさまざまなデバイスから情報の閲覧が可能です。費用も法人単位での契約のため、利用するユーザー数を気にする必要はありません。

SFA、CRM、グループウェアなどの複数の機能を備えており、自社に必要な機能だけを選んで利用します。

名刺をスマホかスキャナで取り込むだけで顧客情報を入力できる機能は他社製品にもありますが、Knowledge Suiteは名刺に残したメモまでもデジタル化する点が特徴です。

【費用】
グループウェア:10,000円
SFAスタンダード:50,000円
SFAプロフェッショナル:80,000円

公式サイト:https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite/


顧客データベース活用の3つの注意点

顧客データベースを活用する場合の注意点を3点、ご紹介します。


①管理する情報項目

管理する項目は企業に必要なものかどうかを、しっかり見極めて選択しましょう。

顧客データベースを継続的に運用していくためには、入力の手間をできるだけ省くことがポイントです。管理する項目が多すぎると、入力に手間がかかり業務負担になってしまいます。

BtoBにおいて管理する項目には以下のようなものがあります。参考にして管理する項目を検討してください。

  • 顧客の属性に関するもの
    企業名、担当者名(部署・役職を含む)、連絡先、従業員数、組織図、売上、決裁ルート、決算時期

  • 成約情報に関するもの
    成約したサービス、価格、商談内容、アクセス履歴、メールへの反応、問い合わせ履歴

  • 収益に関するもの
    累計売上、成約頻度


②データは最新に

顧客のニーズは時間の経過と共に変化していくため、データは最新の状態を維持することが重要です。

先月まではAサービスに関心が高かったが、今はBサービスの方が気になっているといった顧客に対し、いつまでもAサービスに関するアプローチを行っても成約には繋がらず、信用もなくなってしまいます。

古いデータを元に顧客にアプローチしても顧客のニーズには応えられず、顧客満足度も上がりません。企業の基本的な情報も、変更が生じた場合にはすぐに変更しなければ、メルマガやDMが届かないといった問題が生じます。

顧客データを有効活用するためにも、情報は常に最新の状態に更新しておきましょう。


③運用ルールの確立

顧客データベースをスムーズに運用するためにルールは必要です。

誰が入力するのか、いつまでに入力するのか、どんな情報を入力するのか、細かくルールを決めておけば入力もれを防げます。プルダウンの利用や、記入例を示すなどして、入力形式を統一するルールも作っておきましょう。


顧客データベース作成に取りかかろう

顧客データベースは、多様化した顧客のニーズを知り、マーケティングに活かしていくために重要です。

データベースは主にエクセルかCRMツールを利用して作成します。エクセルは慣れ親しまれたソフトであり、導入費用はほとんどかかりませんが、共同編集ができず効率が悪かったり、セキュリティ面での不安が残ります。

CRMツールは導入費用や月額費用はかかりますが、顧客情報を管理する機能に優れており、いつでもどこでも、最新の情報を手に入れられます。

作り方を選ぶ際には、顧客データベースを作成する目的を明確にする必要があります。メリットやデメリット、ツールの特徴を参考に自社にあった作り方を選びましょう。

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