顧客データの管理方法とは?エクセルの使い方とおすすめツール7選
顧客データは、会社の貴重な情報源・受注情報の管理としてだけでなく、顧客コミュニケーションやサービス開発にも活用できる重要資産です。だからこそ、顧客データの管理は丁寧に行う必要があります。
この記事では、自社の顧客データをどう管理していくべきか、顧客データの最適な管理方法についてご紹介します。もし顧客データ管理についてお悩みでしたら、ぜひ参考にしてみてください。
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目次[非表示]
顧客データの管理方法の種類と選び方
顧客データの管理、といっても、管理する方法はさまざまです。それぞれに特徴があり、またメリット・デメリットも存在します。
実際に顧客データを管理するにはどのような方法があるのか、またどのような基準で管理方法を選ぶとよいか、ご説明します。
顧客データを管理する方法は、大きく分けると4つに分類できます。
表計算ツール(Excel)を使って管理する
Excelは、顧客データを管理するのにも使用できます。データをインポートしスプレッドシートに変換すると、Webクラウド上での管理も可能です。
ただ、さまざまな部門で使い勝手のよい機能が十分に搭載されておらず、個人情報の保護の点でも懸念が否めません。業務内容・業態に合わせて、会計ツールやSFAツール、CRMツールを選択するのがおすすめです。
会計ツールを使って管理する
収支などお金の流れを記録し、決算書の作成にも使われる会計ソフトウェアのツールを使って、顧客データも一緒に管理する方法です。
会計ツールは、経理の作業と顧客管理が連動していた方が進みやすい場合におすすめです。管理者が経理の仕事も一緒にしているケースでは、会計ツールで顧客管理と会計処理をまとめて実施した方が、効率的に実務を進められます。
SFAツールを使って管理する
SFAとは「Sales Force Automation(営業支援システム)」のことです。営業活動に必要な顧客へのアプローチや案件、商談を顧客ごとに管理するツールです。このツールで顧客データを管理していくことが可能です。
営業活動を主体とする企業では、SFAツールで顧客データを管理することで、わざわざ顧客情報と営業活動を切り離す必要がなくなり、より効果的な営業活動の推進に効果が期待できます。
エクセルでできる!顧客データ管理表のつくり方
事業導入時やスタートアップ企業であれば、まずはExcelを使って顧客データを管理していくのが最も手っ取り早い方法です。無料なので使いやすいですが、まずは管理表を自分で作成する必要があります。
実際に顧客データを管理する上で、どんな項目を管理すればよいのか、また、Excelでどのように管理表をつくればよいのか、具体的な方法をご紹介します。
顧客データとして管理する項目
まずは、顧客データとして管理する項目を、BtoCとBtoBの場合に分けてご紹介します。
BtoCの顧客データ 項目例
会員番号、名前、住所、電話番号、メールアドレス、年齢・性別、購買履歴、問い合わせ履歴、キャンペーンに対する反応、累計売上金額など。
BtoCのビジネス形態の場合、管理する顧客は「いち個人」となります。名前や連絡先といった基本情報に加えて、その顧客が自社のどんな商品を購入しているか、どのような問い合わせをしてきたか、履歴を残しておくとよいでしょう。
また、キャンペーンやご案内を顧客ごとに内容を変えて送っているようであれば、どのキャンペーンで、いくら購入しているか、といった情報も管理していくのがおすすめです。
BtoBの顧客データ 項目例
企業名、担当者名、決裁者名、住所、電話番号、メールアドレス、企業規模、財務情報、コンタクト情報、訪問や電話、受注、問い合わせの履歴など。
BtoBのビジネス形態の場合、管理する顧客は「いち企業」となりますので、企業名や企業規模、会社の住所や電話番号が基本情報となります。
加えて、窓口に立つ担当者や、決済を出す役職者など、「いち個人」としての情報も知っておく必要があるので、担当者や決済者の名前や連絡先(携帯)、コンタンクトの情報を管理しておくとよいでしょう。
また、BtoCと同様、その企業とどのようなやり取りをしているか、訪問履歴や問い合わせ内容の記録があると、営業活動にも活用できる価値ある情報として記録が残りおすすめです。
管理表のつくり方(Excel)
ここからは、実際にExcelを使って管理表をつくり、具体的な顧客データを管理していく方法についてご紹介します。
※Excelのバージョンは2019の画面です。
1.項目を決めて入力する
顧客データの管理項目を決めて、Excelの最初の行に項目名を入れます。
最初の行にタイトルを入れる場合は、1行空けて(3行目に)項目名を入れるとよいです。
また、一番左側に「No.」の項目をつけ、自社で設定している顧客番号の情報を振っておくと、データ総数の把握がすぐにできます。
同じ名前の顧客データの判別時にも、番号で見分けられるので便利です。
2.実際の顧客データを入力する
項目に沿って、実際の顧客データを入力します。入力内容を間違えないように気を付けましょう。
特に登録作業を複数人で分担する場合は、誰がどの顧客までを入力するのか、事前に登録するリストを分けておきましょう。
入力が重複したり登録が漏れてしまったりするのを防ぐことができます。
3.表のスタイルを決めデータベース化する
このままだとただの表なので、情報を並び変えたり抽出しやすいようデータベース化しましょう。
項目名+データの部分を選択し、画面上部の[ホーム]タブ(左から2番目)をクリックすると、[テーブルとして書式設定]という項目が選択できます(参考例の赤まるで囲った部分)。
ここをクリックすると、さまざまな表のスタイルから好きなものを選べるようになります。
スタイルを決定すると、より見やすくデータベース化されます。
1件の顧客データの全体が把握できるようにするには、Excelのフォーム機能が便利です。
今度は画面上部の[ファイル]タブ(一番左)をクリックし、画面左に出てくるメニューの中からから[オプション]を選択します。すると、別画面でExcelのオプション機能が出てきます。
画面の左にある各メニューの中から「クイックアクセスツールバー」をクリックし、コマンドの選択を「すべてのコマンド」に切替えましょう。
下記の表内にカスタムできるコマンドが表示されますので、「フォーム」を選んでください(コマンドはあいうえお順に並んでいますので、は行を探すとスムーズに見つかります)。
フォームを選択した状態で画面真ん中の[追加(A)>>]をクリックし、最後に画面右下の「OK」ボタンを押せば完了です。
設定完了後、画面の左上に四角いアイコンが表示されます。表の適当な箇所を選択した状態でこのアイコンをクリックすると、1つのデータごとに各要素の登録情報が一覧で表示されます。
この画面で新規の顧客データを登録したり、登録した顧客データを削除することも可能です。
また、データ数が多くなっても項目名とデータを対比して確認できるよう、どんなに下へスクロールしても項目名だけは常に表示するよう設定するテクニックもあります。
項目名のすぐ下の行を選択し、画面上部の[表示]タブ(一番右から3番目)をクリックします。
そこから[ウインドウ枠の固定]をクリックすると、どんなにスクロールしても項目名だけは常に表示されます。
表示を元に戻す場合は、同じく[ウインドウ枠の固定]をクリックし、今度は[ウインドウ枠の固定を解除]をクリックしてください。
4.データの閲覧・修正・追加する権限やフローを決める
ここまでで顧客データの管理表作成作業は完了ですが、これだけでは不十分です。運用する上でのフローを明確にしておく必要があります。
先にご紹介したように、Excelでは情報のセキュリティに対する懸念や、同時更新ができないという弱点があります。これを運用で補うよう、社内フローを構築しておきましょう。
ベーシックなのは、情報の閲覧や修正、追加する作業に対し、出来る人/出来ない人を決めておくルールを決めておく方法です。
社内で誰は情報の追加や修正が可能なのか、誰が閲覧のみなのか、メンバーにより権限を設定しておくと、うっかりデータを書き間違えた、というリスクは軽減できます。格納フォルダにパスワードを設け、更新者にのみ共有する、といったルールを検討しましょう。
また、同時に編集ができないので、データを追加したり修正したりする時はメンバー間で更新する旨を共有した上で実施しましょう。
社内でやりやすいよう、時間を決めて入力するなど、被って作業しないようルール化する必要があります。
5.データ不備がないか確認する
管理していく上で、顧客データの不備は注意したいもの。すぐに見抜ける方法として、「重複チェック」のやり方をご紹介します。
手っ取り早く確認したいときは、並び替え機能を利用しましょう。
項目名の左端についている三角のマークをクリックすると、[昇順/降順]に並び変えて表示できます。
重複してデータ入力していると、同じデータが並びで表示されますので、すぐに間違いに気づくことができます。
また、画面上部の[ホーム]タブから[条件付き書式]をクリックし、[セルの強調表示ルール(H)]→[重複する値(D)…]と選択していくと、重複しているデータを色付きで表示してくれるので、さらに確実に重複データを確認することができます。
データ入力時には気づかないケースもあるので、日々の運用として定期的にデータチェックするのをタスク化するのがおすすめです。
Excelの機能を駆使して、入力不備をなくしていきましょう。
顧客データ管理もできるWebツールおすすめ7選
Excel管理は誰でも手軽にできるメリットはありますが、やはりデータ管理の脆弱性や同時更新できない点はデメリットになります。事業拡大時を見越して、SFAやCRMツールなど、セキュリティに強く多機能なツールを先に導入しておくのもひとつの手です。
各社様々なツールサービスを展開しており、中には初心者でも使いやすい管理機能付きのWebツールが存在します。顧客データの管理に加えて、営業促進や顧客分析、マーケティング機能など、事業の推進に役立つ機能満載のおすすめWebツールをご紹介します。
ferret One(フェレットワン)
運用会社 |
株式会社ベーシック |
顧客データ管理の詳細 |
ボード型の顧客管理機能で一元把握。基本情報に加え、お問い合わせやユーザー行動の履歴も管理できる。 |
その他の機能や特徴 |
サイト構築にアクセス解析、見込み客ごとにセグメントしたメール配信、記事コンテンツやLPの作成サポート、MA機能との連携など、一連のマーケティング施策を網羅できる。 |
費用 |
初期費用10万円+月額利用料10万円(プランにより変動) |
導入実績 |
コニカミノルタマーケティングサービス株式会社、キリンビバレッジ株式会社、株式会社ベネッセi-キャリア、株式会社 識学 他 |
専用サイト |
顧客データの管理だけでなく、サイトの立ち上げからLP作成、業務効率化、改善提案など、BtoBマーケティングに特化したマルチサポートツールがこちらのツールです。
独自のマーケティングの知見による「結果を出す」サポートが魅力です。
b→dash(ビーダッシュ)
運用会社 |
株式会社データエックス |
顧客データ管理の詳細 |
ユーザーのWebサイト上の行動履歴、企業が持つ顧客情報や購買情報、商品情報だけでなく、広告情報や地域情報、果ては天気などの情報までも取込み、関連付けマーケティングに生かせる。 |
その他の機能や特徴 |
使いやすい操作画面、マーケティングオートメーション機能やWeb接客機能を搭載、LINEビジネスや広告、SMSとの連携も可能。 |
費用 |
サイト内記載なし(お問い合わせ以降に見積もりが出る) |
導入実績 |
株式会社Right-on、生活協同組合コープこうべ、株式会社クレディセゾン、KIRIN株式会社 他 |
専用サイト |
おぎやはぎ、霜降り明星といったお笑いタレントを起用したCMで業界シェアNo.1の実績を誇るWebツールです。
マーケティングに関わる機能が一元化され、自分の好きなようにカスタマイズできるところが特徴。
誰もが見やすくユーザビリティの高い操作画面にもこだわりがあります。
Zoho CRM(ゾーホー シーアールエム)
運用会社 |
ゾーホージャパン株式会社 |
顧客データ管理の詳細 |
見込み客のフェーズから取引先としての情報、取引開始後の連絡先など段階を通じて顧客データとして一元管理、SFAやCRMに連携しやすい。 |
その他の機能や特徴 |
MA機能によりリードの収集・分類から育成、分析を管理。また分析機能や社内での情報共有機能、AIによる行動予測や業務アシスト機能まで完備。 |
費用 |
シンプルに始めたい方に、スタンダード:月額1,440円 本格的に活用したい方に、プロフェッショナル:月額2,400円 とことん使い倒したい方に、エンタープライズ:月額4,200円 より大容量で活用したい方に、アルティメット:月額5,400円 |
導入実績 |
株式会社星野リゾート、日本電通株式会社、株式会社サイバー大学、株式会社レアジョブ 他 |
専用サイト |
SFA機能もCRM機能も実装されているのがこちらです。
営業活動の効率化と柔軟性の高いCRM支援への高い評価から、世界各国25万社で導入されているグローバルなWebツールです。
knowledge suite(ナレッジスイート)
運用会社 |
ナレッジスイート株式会社 |
顧客データ管理の詳細 |
SFAに入力された担当者、商談、営業報告(営業日報)、スケジュール、ファイル等、顧客企業に関連するすべての情報を顧客詳細画面で一覧表示することで、営業プロセスを可視化 |
その他の機能や特徴 |
グループウェア、SFA/CRMを機能連動して一元化。また、名刺情報を正確かつ高速にデジタル化して管理したり、メール配信やWebフォーム作成機能も搭載。 |
費用 |
機能により月額6,000円~80,000円のプランが選べる。 参考:料金表 |
導入実績 |
フットマーク株式会社、誠伸商事株式会社、独立行政法人国立病院機構四国がんセンター、株式会社みつばコミュニティ 他 |
専用サイト |
ビジネスに必要なアプリケーションが機能連携しているので、社内の情報共有も顧客情報の管理も一体運用できるSFAツールです。
しかもユーザー数が無制限、利用機能を増やす際も低コストでの運用開始が可能なWebツールです。
eセールスマネージャー(イーセールスマネージャー)
運用会社 |
ソフトブレーン株式会社 |
顧客データ管理の詳細 |
名刺情報、企業情報、案件情報などが見やすく網羅されており、顧客情報画面を見るだけですべての状況が把握できる。項目や選択肢、表示順序は自由に設定変更可能。 |
その他の機能や特徴 |
営業支援やマーケティング、アナリティクスによる分析まで機能を網羅。セキュリティを重視しつつ、モバイル化により外部からの操作性も向上。 |
費用 |
機能により月額3,000円~110,000円のプランが選べる。 |
導入実績 |
大阪ガス、全国農業協同組合連合会、パナソニック株式会社、NECネクサソリューションズ株式会社 他 |
専用サイト |
外からでも簡単にモバイル入力できる操作性の高さと、1回の報告で簡単に全管理システムに情報反映できる簡便さで、リモートワーク化での営業工数を最小限に抑えてくれるWebツールです。
HubSpot CRM(ハブスポット シーアールエム)
運用会社 |
HubSpot Japan株式会社 |
顧客データ管理の詳細 |
取引先企業の詳細情報ややり取りの記録を一元管理(コンタクト&リード機能)し、かつ取引に必要なタスクを可視化し、スケジュール把握までできる(パイプライン機能)。 |
その他の機能や特徴 |
商談スケジュールの調整、SNS・メール・広告による顧客へのマーケティングア的アプローチ、ランディングページやチャットボットの作成まで対応。 |
費用 |
無料で使用できる機能もある。機能拡張しようとすると、月額5,400~38,400円のプランが選べる。
|
導入実績 |
ソウルドアウト株式会社、株式会社電算システム、株式会社コムニコ 他 |
専用サイト |
BtoBマーケティングには欠かせない営業部門との連携が効率よく実現できるサポートツール。
顧客データを管理・情報を整理できるのに加え、商談の進捗と紐づけ、スムーズな営業活動につなげられるのが特徴です。
また、マーケティング施策としてメールや広告、顧客対応としてチャット機能のサポートがあるのもありがたいサービスです。
KARTE(カルテ)
運用会社 |
株式会社プレイド |
顧客データ管理の詳細 |
顧客データや行動データなど社内外に点在するデータをKARTE Datahubに統合して、アクションまでをワンストップに繋ぐことが可能。 |
その他の機能や特徴 |
顧客のリアルタイムな行動を可視化、サイト上での顧客ひとりひとりにあったサービス提案や案内を実現。またチャットやSMS、LINEを駆使した双方向のやり取りをサポート。 |
費用 |
サイト記載なし(月額費用は過去12ヶ月のサイトUU数を申告後の見積もり、初期費用も併せてお問い合わせ後に出る) |
導入実績 |
イオン株式会社、株式会社エイチ・アイ・エス、株式会社ネスレ、au WALLET 他 |
専用サイト |
圧倒的な顧客理解による「顧客体験の進化」を重要視し、膨大な行動ログ解析による深い顧客理解と、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションを強い武器とするWebツールです。
シンプルでかつ直感的に管理・更新・評価できるサイト管理システムも魅力的です。
自社の現状に合わせて、顧客データを適切に管理しよう
顧客データはExcelを駆使することで管理できます。
ですが、現在各社より充実した機能を兼ね備えたWebツールがリリースされており、顧客データの管理にさまざまな選択肢が増えています。
自社の状況を振り返り、現状にあった適切な管理方法を選択して、会社の重要資産である顧客データをしっかり管理していきましょう。
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