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第3章:MAツール活用の課題と今後の展望|BtoB調査レポート2025【MAツール編】

はじめに

MAツールの導入が進む一方で、多くの現場では「導入後の活用フェーズ」で新たな壁に直面しています。高度な機能を使いこなす難しさや、特定の担当者に依存してしまう体制など、課題は多岐にわたります。

本章では、BtoB企業が直面している具体的な運用課題と、それを乗り越えるために必要な打ち手の実態を調査しました。さらに、今後の活用強化に向けた優先領域についても紐解き、成果を最大化するために出来ることを提示します!

  • この記事で分かること
  • シナリオ設計は不要?高度な機能に苦戦する現場のリアルな課題
  • 内製化は限界?約6割の企業が必要性を感じている外部支援の役割
  • 誰に何を届ける?成果を左右する「営業連携」と「コンテンツ強化」の展望

サマリー

「忙しくて全部は読むのは大変…」という方に向けて、各調査データの重要なポイントをまとめました。関連する章へのリンクもつけておりますので、気になるところだけでもぜひ詳細をお読みいただき、マーケティング活動にご活用ください!

シナリオ設計の難しさが最大の壁。成功企業でも「属人化」が課題

運用上の最大の課題は、54.5%の企業が挙げた「シナリオ設計やスコアリングの難しさ」です。 また、成果を出している企業であっても「運用の属人化」に悩まされている実態があり、知識の共有や体制の維持が共通の課題となっています。

→ ❾MAツールの運用課題について

6割超が「外部パートナー」を必要視。最適な運用の形を模索

MA活用をさらに進めるために、61.6%の企業が「外部パートナーの導入」が必要だと回答しました。 特に成果を出している層ほど専門家の知見を求める傾向が強く、自社だけで抱え込まずに伴走支援を活用することが、成功への近道となっています。

→ ❿MAツールの活用推進に必要なこと

次の焦点は「営業連携」と「コンテンツ」。手法から中身の時代へ

今後強化したい領域では、マーケティングと営業の連携体制整備(52.7%)がトップです。

機能の高度化と並んで、ホワイトペーパーや動画などの「コンテンツ連携」も重視されており、顧客を動かすための「質の高い情報発信」への注目が高まっています。

→ ⓫今後強化したいMA活用領域について

❾MAツールの運用課題について

MAツールは導入して終わりではなく、その後の運用をいかに軌道に乗せるかが成果の分かれ目となります。多くのBtoB企業がどのような壁にぶつかり、何に苦戦しているのか、その実態を詳しく見ていきましょう。

Q.

MAツールの運用において、課題に感じている点はありますか?

A.

「シナリオ設計やスコアリングが難しい」が54.5%で最多。属人化も課題

注目ポイント

01

シナリオ設計やスコアリングに過半数以上が苦戦。高度な機能の活用が大きな壁となっている

注目ポイント

02

設定や配信の「属人化」が約半数の企業で課題。引き継ぎの難しさや知識不足が活用の停滞を招いている

MA運用における「機能活用」と「体制維持」の壁

調査の結果、運用上の最大の課題は「シナリオ設計やスコアリングが難しい(54.5%)」という点で、MAツールのなかでも高度な機能に位置づけられるこれらの設計に、多くの企業が苦戦している実態が明らかになりました

また、「設定や配信が属人化している(49.1%)」「レポート・成果測定が難しく可視化が弱い(46.4%)」といった回答が続いており、総じて操作や運用の難しさに苦戦している様子がうかがえます。

【分析】ROI評価の違いによる課題の傾向

ROI(費用対効果)の満足度によって、直面している課題の種類には明確な違いが見られました。

費用以上の成果が出ており「非常に満足している」と回答した層では、「設定や配信の属人化(55.9%)」や「社内にMAの知識がある人が少ない(55.9%)」という回答が目立ちます。活用が上手くいっている企業であっても、運用体制の維持やノウハウの共有に課題を抱えていることが分かります

一方で、「一定の成果は出ているが改善の余地がある」とする層では、64.9%が「シナリオ設計やスコアリングが難しい」と回答しました。高度な機能を使いこなせないことが、成果を最大化するうえでの障壁となっています。

【分析】導入目的によって顕在化する課題の違い

MAツールを導入した目的によっても、顕在化する課題の傾向は異なります。

「リードナーチャリング(見込み顧客の育成)」を目的とする企業では、「社内にMAの知識がある人が少なく活用が進まない(63.3%)」という回答が最も多い結果となりました 。戦略設計などの初期フェーズにおけるノウハウ不足が主な障壁となっています

これに対し、「商談創出の自動化・効率化」を目的とする企業では、70.6%が「シナリオ設計やスコアリングが難しい」と回答しました 。こちらは運用の実務フェーズにおける精度向上が課題の中心となっています。自社の目的に応じて、不足しているスキルや体制を補うアプローチが求められます。

❿MAツールの活用推進に必要なこと

MAツールを導入したあとに成果を最大化させるためには、どのような打ち手が必要なのでしょうか?現場の課題を突破するために、企業が求めている支援や体制の実態を探ります。

Q.

MAツール活用をさらに進めるために、必要だと感じていることは?

A.

「施策実行をサポートする外部パートナーの導入」が61.6%で最多

注目ポイント

01

「外部パートナーの支援」が6割超え。自社に適した運用方法を専門家に相談したいニーズが高い

注目ポイント

02

運用体制に関する回答も多数。KPI設計の見直しや担当者の育成など、体制面での改善が急務となっている

MA活用の成功を左右する、外部パートナーの導入と体制整備

MAツールを導入したあと、最大活用して成果につなげるには、自社に合った設計と運用体制の整備が不可欠です

今回の調査では、施策の実行をサポートする外部パートナーの導入を求める声が61.6%と、最も多くなりました。社内に十分なノウハウがない場合は、MAツールを導入するタイミングで外部支援を活用してください。要件整理や体制づくりなどの相談をしながら進めるのが良いでしょう。

【分析】ROI評価の違いによる次に必要な打ち手

ROI(費用対効果)の満足度によって、活用推進のために必要と感じている施策には違いが見られました

成果に非常に満足している、または一定の成果が出ていると回答した層では、約7割の方が外部パートナーによるサポートを必要としています。活用が進んでいる企業ほど、さらなる成果を求めて専門家の知見を取り入れようとしている様子がうかがえます

一方で、費用に見合った効果が出ていないとする層では、他ツールとの連携(52.9%)や、KPI・効果測定ルールの見直し(41.2%)の回答率が、他の項目と比較して高くなりました。まずは、MAツールの活用で何を得たいのか、自社の課題を整理して理想の状態を描くことから始めるのが良いでしょう!

【分析】実感している成果の内容に紐づく施策のニーズ

実感している成果の内容によっても、次に必要なステップの解像度は変わります

リード育成のプロセスが可視化できたと回答した層では、81.5%の方が外部パートナーによる支援の導入が必要だと回答しました育成全体のプロセスが理解できると、用意すべきコンテンツの量や質といった課題が明確になります。その結果、戦略設計や制作リソースの面で外部パートナーの必要性を感じるようになると考えられます。

また、ユーザー属性や行動ログの活用でパーソナライズが進んだと回答した層のうち、81.8%の方は、マーケ・営業間の合意形成とPDCAの定着が必要だとしています。マーケティング側の施策が進んだフェーズでは、その施策が商談や受注にどう繋がっているのか、営業部門と密に連携を取りながら振り返りを行う体制構築が求められています。

⓫今後強化したいMA活用領域について

MAツールをさらに使いこなし、成果を最大化するために、企業はどのような領域に注力しようとしているのでしょうか?次なる一歩に向けた、活用の優先順位を探ります。

Q.

今後MAツールの活用を通じて強化したい点はありますか?

A.

「マーケティングと営業の連携体制整備」が52.7%で最多

注目ポイント

01

営業連携とツールの高機能活用の二極化。組織体制の整備と、シナリオ・セグメント配信の高度化の両面が重視されている

注目ポイント

02

コンテンツ連携への注目の高まり。ナーチャリングの成果を左右する「何を届けるか」というコンテンツの質が、今後の重要課題

営業連携とツール活用の高度化

今後強化したい点は、多岐にわたる項目が横並びの結果となりました。大きく分類すると、「マーケティングと営業の連携体制整備(52.7%)」や「営業・CRM連携の最適化(49.1%)」といった組織間の連携強化と、シナリオの多様化やセグメント配信の高度化といった「ツールの高機能活用」の二つに分かれます。

MAツールを導入したものの、まだマーケティング部門内での活用に留まっている企業が多く、今後は営業活動への直接的な貢献をより重視する動きが強まっています。

ナーチャリングの質を左右する「コンテンツ連携」の重要性

機能面での高度化が進む一方で、「メール・ホワイトペーパーなどとのコンテンツ連携(49.1%)」にも高い注目が集まっています。

ナーチャリング施策において、スコアリングやセグメントといった「誰に送るか」という手法は重要ですが、最終的に顧客の態度変容を促すのは「何を届けるか」というコンテンツの力です。

事例記事やデモ動画といった、ナーチャリング専用コンテンツの拡充とMAツールの連携が、今後の活用の成否を分ける大きなポイントとなるでしょう。

まとめ

本章の調査データから明らかになった、MAツールの「課題と展望」に関する重要なポイントをまとめます。

1. 高度な機能活用と「属人化」の解消が運用の分かれ目

MAツールの運用において、多くの企業がシナリオ設計やスコアリングといった高度な機能の使いこなしに苦戦しています。また、成果の有無にかかわらず、「特定の担当者に頼った運用」がボトルネックとなっており、ノウハウを組織として蓄積し、属人化を排除した体制づくりが求められています。

2. 成果を最大化させるための「外部支援」という選択肢

自社に十分なノウハウがない状態でMAを運用し続けることは、コストや機会の損失に繋がりかねません。調査結果からも、多くの企業が外部パートナーの支援を必要としていることが分かります。戦略設計やKPIの再定義など、プロの知見を取り入れることで、停滞している運用を劇的に改善できる可能性があります。

3. 機能中心の運用から「組織連携」と「コンテンツ」重視の運用へ

今後の展望として、MAツールの活用は単なる配信の自動化から、営業部門との深い連携や、コンテンツを通じた顧客理解の促進へとシフトしていきます。ツールのスペックに頼るだけでなく、「営業とどう足並みを揃えるか」「顧客にどのような価値を届けるか」という本質的な視点を持つことが、2025年以降のMA活用における成功の鍵となるでしょう!

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ferret(One Tip編集部)
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登録番号 IA180169
適用規格 ISO/IEC 27001:2022 / JIS Q 27001:2023