Yahoo! リスティング広告とは？Google広告との違い・設定方法・費用感

Yahoo!リスティング広告は、初心者でも比較的簡単に出稿できる広告媒体です。Webマーケティングでもよく利用されており、広告マーケティングの代表的な存在です。

ただ、比較的簡単な広告媒体とはいえ、初めて利用する場合は設定が複雑に思えます。

そこで今回は、Yahoo!リスティング広告を始める方向けに以下の内容を解説します。

■合わせて読みたい資料
→BtoB向け！リスティング広告からリード獲得を増やす、改善の糸口

Yahoo! リスティング広告とは

Yahoo! 広告には、主に以下2種類の広告があります。

• Yahoo! リスティング広告
• Yahoo! ディスプレイ広告

同じYahoo! 広告が提供していますが、各広告形式で出稿場所や対象となるユーザーはまったく異なります。具体的にそれぞれどのような広告形式なのか、詳しく解説します。

Yahoo! リスティング広告

Yahoo! リスティング広告とは、Yahoo! 広告が提供する検索連動型広告のことです。

検索連動型広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じてテキストを表示させてクリックを促す広告を出稿できます。そのため、Yahoo! リスティング広告はユーザーの強い興味関心や課題解決に費用対効果が見合いやすい広告形式です。

Yahoo! リスティング広告は、ユーザーが広告をクリックした際に課金されるクリック課金制度が採用されています。

Yahoo! ディスプレイ広告

Yahoo! ディスプレイ広告（YDN）は、各出稿先の媒体が提供する枠に配信できる広告形式です。

出稿先にはYahoo!  JAPANやYahoo! ニュースなどの「Yahoo! ドメインサイト」をはじめ、以下のような媒体で配信できます。

• LINE
• 朝日新聞
• 毎日新聞
• ダイヤモンドオンライン
• 東洋経済オンライン
• livedoorニュース

Yahoo! リスティング広告はテキストのみが表示されますが、Yahoo! ディスプレイ広告は画像バナーや動画での出稿が可能です。

そのため具体的なニーズがある顕在層よりも、購入検討前の潜在層に対して新規顧客の開拓や認知拡大などでの活用をおすすめします。

Yahoo! リスティング広告のメリット

Yahoo! リスティング広告のメリットは、国内最大のポータルサイトへ顕在層向けに広告を配信できることです。

また、Yahoo! リスティング広告は、Yahoo! と提携した以下の主なメディアにも出稿できるため、より幅広い広告リーチができます。

• 朝日新聞
• excite
• Microsoft Bing
• vector
• MY J:COM

上記のメディアはすべて法人サイトが運営しているため、信頼性が高いのも特徴です。

Yahoo! リスティング広告のデメリット

Yahoo! リスティング広告のデメリットは、広告管理が複雑なことです。

Yahoo! リスティング広告とYahoo! ディスプレイ広告を利用している場合、管理画面が各広告で異なります。それぞれの広告形式で管理画面を使い分ける必要があるため、管理が煩雑になりがちです。

また、代表的な分析ツールのGoogleアナリティクスと連携する際は、パラメータを設定してタグを追加しなければいけません。広告運用初心者には、やや管理が難しいと感じる場合があります。

Yahoo! リスティング広告とGoogleリスティング広告の違い

Yahoo! リスティング広告とGoogleリスティング広告は同じ検索エンジンですが、以下の部分で違いがあります。

• ユーザーの属性
• ターゲティング
• 広告の配信先
• 広告表示のオプション
• 広告出稿の制限

具体的にどのような違いがあるのかを解説します。

ユーザーの属性

Yahoo! リスティング広告のユーザーは「高年齢層でパソコンユーザーが多い」という特徴に対して、Googleリスティング広告ユーザーは「会社勤務の若年層でスマートフォンの利用率が高い」という違いがあります。

具体的な違いは、以下の表にまとめましたので参考にしてください。

参考資料：https://manamina.valuesccg.com/articles/1053

法人向けにリスティング広告を出稿させたい場合は、Googleリスティング広告が適しているという見方ができます。

ターゲティング

ターゲティングでは、Yahoo! リスティング広告とGoogleリスティング広告で細かな違いがあります。

例えば地域をターゲティングする際、Yahoo! だと市区郡までですが、Googleは起点となる場所からの半径まで指定可能です。一方で、年齢設定はGoogleよりもYahoo! の方がより細やかにターゲティングできます。また、ターゲティングの内容は似ているものでも表記が異なる機能もあります。

具体的なターゲティングの違いは、以下の表でまとめましたので参考にしてください。

Yahoo! リスティング広告のターゲティングはユーザーの生活行動に紐づいた設定に長けており、Googleリスティング広告は検索行動へのターゲティング機能に優れているという特徴があります。

広告の配信先

リスティング広告の配信先は、GoogleよりもYahoo! の方が多いのが特徴です。

Yahoo! 広告は提携したパートナーや広告配信サービスが多く、より多くのメディアに出稿できます。

広告表示のオプション

広告表示オプションはYahoo! 広告よりもGoogle広告の方が豊富です。Google広告にしかない広告表示オプションもあります。

以下の表で広告表示オプションについてまとめましたので参考にしてください。

Googleリスティング広告では、テキストに加えて画像も表示できるのが特徴です。

広告出稿の表記ルール

リスティング広告には入稿する際の規定があり、Yahoo! 広告とGoogle広告では若干の違いがあります。

表記ルールは規定内容が細かいため、広告文を作成する際は注意しておきましょう。

▼文字、記号を使用する際のルール - ヘルプ - Yahoo! 広告
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/guideline/articledetail?lan=ja&aid=51338

▼編集 - Google 広告ポリシー ヘルプ
​​​​​​​https://support.google.com/adspolicy/answer/6021546?hl=ja

Yahoo! リスティング広告の費用感

Yahoo! リスティング広告の費用は1円から設定できるのが特徴です。Yahoo! リスティング広告は「1クリック当たりの料金×クリック数」で算出されるクリック課金制度を採用しています。

以下では、適切な費用設定をするために必要な考え方を解説します。

費用は1円から設定できる

Yahoo! リスティング広告の費用は1円から設定可能で、低予算でも利用できます。費用は日ごとに上限となる費用を設定でき、想定以上の広告費がかかるといった心配がありません。

ただし、広告予算の設定額が低すぎると集客機会を失う可能性もあるため、運用しながら都度見直しするのがおすすめです。

適切に費用設定するコツ

Yahoo! リスティング広告の費用設定を適切に行うためには、目標となるCPAを定めることが必要です。

CPAとは、広告費に対する費用対効果を表す指標です。目標CPAは、商品・サービスの単価から原価を差し引いた限界CPAから、残したい利益分を差し引いて算出できます。

計算式は以下のとおりです。

例えば10万円の自社製品の原価が4万円の場合、限界CPAは6万円です。目標利益額が3万円だと、限界CPA6万円から3万円を引いた3万円が目標CPAです。つまり、ひとつの製品のコンバージョンを取るのに、3万円の広告費をかけられるという考え方です。

また、広告運用後のCPAは【CPA＝広告費 ÷ コンバージョン数】で算出できるため、必ず結果の検証を行いましょう。

▼CPAについては、以下の記事を参考にしてみてください。
→CPA（顧客獲得単価）とは？CPOとの違いと計算方法

Yahoo! リスティング広告を始める4つの手順

Yahoo! リスティング広告を始める手順は、下記の4つです。

• Yahoo! JAPANビジネスアカウントを取得する
• 広告管理ツールにログインする
• 支払い情報を入力する
• 広告キャンペーンを作成して出稿する

以下では、各工程での操作を実際のキャプション画像を用いて解説します。

1.Yahoo! JAPANビジネスアカウントを取得する

まずは、Yahoo! JAPANビジネスアカウントを取得します。リンク先から以下の内容を入力してください。

• 会社情報
• 管理者情報
• 認証情報

お申し込み情報を入力したあと、入力した認証情報から本人認証を行う必要があります。メール認証とSMS認証を行い、アカウント登録は完了です。

2.広告管理ツールにログインする

登録後、入力したメールアドレスにログインIDとパスワードが送られてきたら、広告管理ツールにログインします。

アカウント登録完了直後だと以下の画面が表示されるため「検索広告をはじめる」をクリックしてログインしてください。

3.支払い情報を入力する

ログイン後はまず支払い情報の設定を行います。ログインした後の広告管理画面上部の「資金管理」をクリックすると、以下の画面に遷移するので、支払い情報を入力してください。

支払い情報の設定は管理者権限を持つユーザーのみ可能なため、権限がない場合は付与してもらいましょう。

クレジットカードは以下の5種類が利用可能です。

• VISA
• Master Card
• JCB
• American Express
• ダイナース

支払い方法は以下の3つが利用できます。

• 自動入金：アカウント残高が減少したタイミングで自動入金
• 自動入金（月定額一括入金）：毎月1日に指定額が入金
• 手動入金：必要なタイミングで都度入金

また、銀行口座から支払いをする場合はアカウント残高に反映されるまで約3営業日かかるため、広告を運用する際に急な状況に対応できない可能性があるので注意が必要です。

4.広告キャンペーンを作成して出稿する

支払い情報まで設定できれば、実際にキャンペーンを作成して広告を出稿していきます。広告出稿ではキーワードや予算を設定し、約3営業日ほど広告審査が行われて、配信が開始されます。

なお、Yahoo! 広告には広告運用の経験が少ない方向けに「かんたんDAS」というサービスもあります。かんたんDASは広告配信に必要な設定を簡易的に行えて、初心者でも簡単に広告出稿できる機能です。

かんたんDASは、以下の画像のようにログイン後の管理画面下部に表示されています。

広告運用がはじめての方であれば、まずかんたんDASから広告出稿を経験してみるのもおすすめです。

Yahoo! リスティング広告の設定手順6つ

Yahoo! リスティング広告の設定手順は以下の6つです。

1. キャンペーンを作成する
2. 予算を設定する
3. ターゲティングを設定する
4. 広告グループを作成する
5. キーワードを選定する
6. 広告文を作成する

Yahoo! リスティング広告は「キャンペーン → 広告グループ → キャンペーン → 広告」と4つの構造が順番に構成されています。各工程でどのように設定するのかを詳しく解説します。

1.キャンペーンを作成する

広告管理画面にログインした後、以下の画面のように「キャンペーン管理」から「キャンペーンを作成してください。」をクリックします。

クリック後、キャンペーンを作成する画面に遷移します。キャンペーン作成では、予算やターゲティングの設定が必要です。

2.予算を設定する

予算設定は、100円〜4億円までの金額で設定可能です。

入札方法では手動入札と自動入札で分かれており、全7種類から選択できます。Yahoo! リスティング広告を初めて利用する際は、まず「個別クリック単価」を選択して「拡張クリック単価」を有効にしておいてください。

3.ターゲティングを設定する

ターゲティングの設定では、以下の設定を行います。

• デバイス
• 地域
• 曜日・時間帯

ターゲティングは実際に広告が配信されるユーザーの属性を決定する要素のため、ターゲットユーザーに最適化するように設定しましょう。

設定が完了したら「保存して広告グループ作成へ」をクリックしてください。

4.広告グループを作成する

広告グループの作成では、広告グループ名を入力して入札価格を設定します。

広告表示の細かなオプションなども広告グループで設定可能です。広告グループ作成の設定が完了したら「保存してキーワード作成へ」をクリックします。

5.キーワードの選定をする

リスティング広告で重要なポイントであるキーワードの選定を行います。新規でキーワード作成する場合は、広告管理画面の下部の「新規作成」から「キーワード作成」で作成可能です。

キーワード選定では、まず対象とするキャンペーンと広告グループを選択します。

キャンペーンと広告グループを選択した後は、右側の「キーワード候補」から追加したいキーワードを入力して「候補を表示」をクリックします。その後、下に表示されるキーワードから、広告出稿するキーワードを追加していきます。

マッチタイプの設定では、選択したキーワードと一致するタイプを選択します。追加キーワードと完全に一致したキーワードを選定する場合は「完全一致」、一部の単語が同じキーワードを選定する場合は「フレーズ一致」を選択しましょう。

マッチタイプの設定まで完了したら「保存」をクリックしてください。

6.広告文を作成する

最後に広告文を作成します。広告タイプはユーザーがスマートフォンをよく利用するのかパソコン中心なのかで選択してください。選択後は広告名を入力します。

次に、広告文のタイトルと説明文を入力します。タイトルは3つまで、説明文は2つまで設定可能です。誘導先のURLと広告表示時のURLを設定して完了です。

広告の設定が完了したら「保存」をクリックしてください。

Yahoo! リスティング広告の効果を高める運用のコツ

Yahoo! リスティング広告の効果を高める運用のコツは、以下の4つです。

• キーワード選定を効果的に行う
• 除外キーワードを設定する
• 自動入札機能を利用する
• 広告文をターゲットに応じて作成する

具体的にどのように運用すればいいのか、詳しく解説します。

キーワード選定を効果的に行う

Yahoo! リスティング広告で成果を出すために最も重要なポイントが、キーワード選定です。

難易度が高いと感じる初心者の方であれば、Yahoo! 広告が提供する「キーワードアドバイスツール」の活用がおすすめです。キーワードアドバイスツールは、出稿するキーワードの選定を自動的にサポートする機能で、初めてリスティング広告を出稿する場合に最適なツールです。

キーワードアドバイスツールは、以下の手順で利用可能です。

1. 広告からの誘導先URL・候補となるキーワードやフレーズを入力
2. 希望入札額を入力

入力した情報に関連するキーワードに加えて、推定クリック単価や推定掲載順位・クリック率なども表示されるので、効果の仮説立てもできます。

キーワード選定については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→リスティング広告キーワードの選定手順とは？掛け合わせの方法とおすすめツール

除外キーワードを設定する

除外キーワードとは、出稿するキーワードのなかで除外対象とするものを選ぶ機能です。除外キーワードを効果的に活用すると余計なコストを削減でき、適切なユーザーへ広告出稿できます。

例えば、弊社サービスの「ferret One」に興味がある企業にリスティング広告を打ち出す場合で考えます。そこで「ferret One 機能」「ferret One サービス」などのキーワードの他に「ferret One 採用」も含めてしまうと、サービスの見込み顧客だけでなく入社希望者にも広告を出稿してしまいます。「ferret One 採用」で出稿してクリックされると課金されてしまうため、無駄なコストがかかるため除外キーワードに設定しておく必要があります。

リスティング広告の成果をより効率的に高めるためには、除外キーワードの設定は不可欠です。

自動入札機能を利用する

自動入札機能は、登録した特定のキーワードをリスティング広告の広告文に自動で挿入する機能です。広告文の設定は広告ごとに作成する必要があるため、自社の商品・サービスが検索キーワードの場合や、地域が限定される事業だと効果的に活用できます。

参考：[キーワードの自動挿入機能]でクリック数アップ - Yahoo!広告 公式 ラーニングポータル 

広告文をターゲットに応じて作成する

広告文は必ずキーワードやターゲットユーザーごとで最適な文章を作成しましょう。複数の広告文を作成する際に同じような広告文で出稿しても成果はうまく出ません。

それぞれのキーワードやユーザーごとに刺さる訴求は異なります。どのようなユーザーがキーワードを検索して、どのような悩みを抱えて検索したのかをきちんと考えたうえで、最適な広告文を作成するようにしましょう。

まとめ：Yahoo! リスティング広告を正しく設定して広告効果を高めよう

Yahoo! リスティング広告は、Googleリスティング広告と並ぶWeb広告の代表的な媒体です。Yahoo! 広告は独自の便利ツールが利用できるため、広告運用初心者でも比較的簡単に使えます。また、Yahoo! リスティング広告で成果を高めるためには、キーワード選定と目標CPAの設定が重要です。今回の記事を何度も読み直して、Yahoo! リスティング広告を正しく設定して広告効果を高めていきましょう。

▼リスティング広告の運用については、こちらの資料も参考にしてみてください。
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