SMARTの法則とは? 成功する目標設定の方法と3つのポイント


「目標を立てましょう」と上司からと言われたものの、適切だと思える目標設定ができずに困った経験はありませんか。

実現不可能な目標は意味がなく、かと言って達成が容易過ぎるものも目標とは呼べません。

「SMARTの法則」を活用すると、適切な目標を立て、達成しやすくなると言われています。
目標達成によって自身の能力や評価が高まることにもつながるでしょう。

この記事では、SMARTの法則を用いた目標設定の方法と、達成に導く3つのポイントについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.SMARTの法則とは
  2. 2.SMARTの法則を使った目標設定の方法
  3. 3.SMARTの法則を活用する3つのポイント
  4. 4.「時代遅れ」と言われるSMARTを応用した新たな目標設定法
  5. 5.SMARTの法則を活用した事例3選
  6. 6.SMARTについて学べるおすすめの本
  7. 7.まとめ:SMARTで立てた目標設定で事業の最大化を目指そう


SMARTの法則とは


SMARTの法則とは、1981年にジョージ・T・ドラン博士が提唱したもので、世界中のビジネスパーソンが目標を立てる際に使われています。

「SMART」は、次に挙げる5項目の頭文字を取ったものです。

  • Specific … 具体的
  • Measurable … 計測できる
  • Achievable … 達成可能性
  • Relevant … 関連性
  • Time-bound … 明確な期限

これらの5つの要素に沿って明確なゴールが設定されることで、常にモチベーションが維持され、成功の確率が高まると言われます。

「立てた目標は適切なものか」「達成できる水準にある目標か」など、様々な角度から目標をチェックできるのです。


SMARTを活用する目的

SMARTの法則を正しく用いると、成長が加速すると言われています。適切な目標が作れると、人のモチベーションは高く維持されます。
その結果、目標達成の確率も高まるということです。

個人としても、組織としても、成長を続けるためには目標設定は欠かせません。
「何を成し遂げたいのか」という目標が決まっていれば、行動計画を作り、検証や改善も行えます。

このため、適切な目標設定をサポートするSMARTは、今もビジネスの現場で多く使われています。


SMARTの法則を使った目標設定の方法

SMARTの5要素でどのように検証するのか、ひとつずつ解説します。


Specific(具体性)

SMARTの法則の「S」は「Specific」で、具体性と訳されます。

目標は誰が読んでも分かる具体的なものでなければなりません。
具体的かどうかは「明確に定義できているか」をチェックしましょう。

例えば、「安心して仕事を任せられるようになる」という目標では、「安心して」が何を指しているのか、どのような仕事を指しているのかが曖昧です。
具体的に何を行えばいいのか分かりません。

この目標を「企画書を1人で作れるようになる」「顧客からのクレームをゼロにする」と定義すると、その実現のために日々の行動も決められます。


Measurable(計量性)

「M」はMeasurableです。これは計量できるという意味で、「数値化できること」と置き換えてもいいでしょう。
目標は数字で測れるように設定することが重要です。

例えば「営業としてナンバーワンになる」では、何をもって一番とするのか、定義がないために曖昧です。
セールスパーソンの能力を競うなら、売上額、新規契約数、顧客のリピート率といった数字から選ぶのが一般的です。

仮に「新規契約の件数」を目標と決めた場合、

  • 「前年のトップは30件だった」
  • 「自身の成績は10件だったので、3倍に伸ばす必要がある」
  • 「そのためには1週間で5件の新規顧客の訪問が必要だ」

などと、行動計画が決まり、PDCAサイクルも回せるようになります。


Achievable(達成可能性)

「A」はAchievableを表します。達成可能性という意味です。

非現実的で達成不可能な目標は、意味を持ちません。
このような目標を設定してしまうと、途中で「達成不可能」だと気づき、急速にモチベーションが低下するものだからです。

一方、すぐ到達できる目標も、達成しても成長につながらないため不適当です。
「背伸びをして手を伸ばせば届く」ようなイメージで、現実的な目標を掲げましょう。


Relevant(関連性)

「R」はRelevantの頭文字です。これは「組織の目標と関連しているか」という意味です。

自分の掲げた目標が、部課や会社全体の目標と関連しているかをチェックします。
個人目標が組織の方向性と大きな乖離があるものは注意が必要です。

例えば国内マーケティングの部門に配属され、新製品の国内シェアを10%アップさせようという中で、「TOEICのスコアを800点達成する」という目標は、業務・業績とは関連が薄いと言わざるを得ません。


Time -bound(期限)

「T」はTime-boundの頭文字で、「期限が定められていること」という意味です。

あらゆる目標には達成の期限が欠かせません。
「いつの日か、売上1億円を達成する」では、今日からの行動計画が決まらなくなってしまいます。

年間、半期、クォーター、月間、1週間、1日など期限を複数設定しておくと効果的です。

「年間1億円の売上を達成するには、今月800万円の売上、そのためには1週間で10件受注が見込めるフェーズを作る」などと、ブレイクダウンできるからです。


SMARTの法則を活用する3つのポイント


SMARTの法則を使って目標を立てるコツを学んだら、次の3つのポイントを実践してみましょう。
さらに目標の達成確率を高め、自身の成長につなげるチャンスが広がることでしょう。


1.成果目標と行動目標を設定する

目標には成果目標と行動目標の2種類があり、いずれも目標設定の中に取り込むようにしましょう。

  • 成果目標→「このような成果を出したい」という最終的な姿を目標化したもの。外的な要因を含むことが多く、自身の行動だけでは達成できないことがある。
  • 行動目標→「毎日顧客に5件メールを送る」「週に3回筋トレする」のように、自身が行動を起こせば達成できるもの。


通常は成果目標ばかりが選ばれる傾向にあります。しかし行動目標を設定すると、目標の達成確率が上がります。
それによって、成果目標の達成にも近づくと言われています。

例えば「今年中に営業マネージャーに昇格すること」を成果目標とした場合、それを実現するための行動目標の設定が重要です。

「部下とも毎週、数字の進捗確認を行う」「マネージャー向けのを10冊読む」などが、具体的な行動目標です。
これらを達成できれば、自ずと成果目標の達成にも近づけるのです。


2.PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルの4つのステップを繰り返し、目標の達成に向かって前進できているかを検証することも重要です。

  • 計画した行動は、目標達成に向けて効果を生んでいるか
  • 数値は順調に進捗しているか
  • 目標を決めた時と比較して、大きな外的要因の変化はないか
  • より成果につながる行動は何か


そのために、頻繁に「Check」する必要があります。
常にチェックしていると、高いモチベーションの維持にもつながります。


3.競合や自社の経営状況に応じて活用する

目標そのものが変化していくことも考えられます。

市場や競合企業の環境、また自社の置かれた状況は常に変化することを忘れてはなりません。
そうした変化によって必要とされる目標もまた変わっていきます。

こうしたとき、SMARTの法則を活用すれば、新たな目標も手軽に検証できるのです。

当初の目標が必ずしもふさわしいわけではないという発想のもとで、SMARTの法則を使って、柔軟に変化に対応していくのが良いでしょう。


「時代遅れ」と言われるSMARTを応用した新たな目標設定法

SMARTの法則は現在も広く使われている一方、発案から40年が経過しており「すでに時代遅れ」という指摘もあります。

しかし、SMARTの法則は、その後も新たな概念を取り入れることで、頭文字を変化させた派生版が多く提唱されています。


SMARTER

SMARTERは、SMARTに「E」と「R」が追加されたものです。
それぞれ「Evaluated(他者の評価)」と「Recognized(認められた)」という意味です。
すなわち、目標設定のポイントとして、上司から評価、承認されたものかを指標に取り入れています。


SMARTTA

SMARTTAは、「T」と「A」が加わった言葉。
「T=Trackable(追跡できる)」と「A=Agreed(合意がある)」という意味です。

これまでの行動を追跡できると、最終目標に対し、現在どのレベルまで到達しているか、取った行動がどう結果に結びついたかを検証できます。

また、Agreedの「合意」とは、目標に関わる社内のメンバー間の合意を指し、誰もが納得し、コミットしているものかどうかを指標に加えたものです。


SMARTの法則を活用した事例3選

SMARTの法則は、様々な立場、場面で活用できます。実例を通して詳しく解説します。


1. 経営者のSMART活用事例

はじめの例として経営者を取り上げます。
「経営全般」ではテーマが広すぎるので、ここでは売上目標と利益目標を目標にしてみましょう。

経営に関わる重要数字を目標とするときは、設定する際は、単なる前例踏襲や理想主義的な目標ではなく、現実的な数値を設定することが大切です。

目標例:今年度の売上10億円、利益率10%を達成する

  • Specific(具体性)
    売上目標は誰が見ても誤解しない明確さがあります。
    様々な数値の中から売上を目標に選んだ理由も補足すると良いでしょう。

  • Measurable(計量性)
    すでに数値化されており、達成率も計測できます。
    仮に数値化が難しい定性的な目標の場合は、達成度などを定義して算出する方法が取られます。

  • Achievable(達成可能性)
    前年比プラス何%を達成する道筋、どの商品でいくらずつ売るのかなど、即座に説明できれば「達成できるかもしれない」という説得力が生まれます。
    なお市場動向や競合の状況など外的要因も考慮します。

  • Relevant(関連性)
    その目標が、経営課題に直結しているか検証します。
    売上、利益は誰が見ても重要な数値目標です。
    ​​​​​​​
  • Time-bound(期限)
    売上や利益の期限は年間、クオーター、月間などが一般的です。


2.人事のSMART活用事例

人事部門でもSMARTを活用できます。例として、新卒採用を取り上げてみます。

■目標例:来年度の新卒を10名採用し、そのうち技術職を最低3名とする。

  • Specific(具体性)
    「新卒採用で10名」は具体的です。ただ数値だけではどんな人材かが曖昧なので「技術部門を強化する」という目標が明確になっています。

  • Measurable(計量性)
    人数という絶対的な数値指標があるので、適切な目標と言えるでしょう。
    例では、具体的な職種を並列に並べましたが、内訳は「1段階下の目標」とすることもあります。

  • Achievable(達成可能性)
    前年の新卒採用が1名だったならば、10名はかなり高いハードルです。
    その場合は「紹介制度の活用」「採用側の人員強化」などの具体的なビジョンも示しましょう。

  • Relevant(関連性)
    採用が人事部のミッションというのは誰が見ても納得感があり、経営を安定させるには重要だと想像できます。

  • Time-bound(期限)
    新卒なので「来年4月の段階で」というのが自然な流れです。もちろん「年間」でという定義でも問題はありません。


3.自主的なスキルアップを目指すSMART活用事例

個人が自らの力でスキルアップを目指すときもSMARTは有効です。
例として、英語力を個人としてアップさせたいときは、このような目標を設定しましょう。

■目標例:1日30分の英語学習を続けて、年内にTOEIC800点を達成する。

  • Specific(具体性)
    英語力の定義として、TOEICテストのスコアを設定したので妥当と言えるでしょう。

  • Measurable(計量性)
    学習時間、得点ともに数値化されています。学習時間を計測して検証できることが望ましいと言えます。

  • Achievable(達成可能性)
    人目標では検証が難しい部分です。はたして30分で十分な勉強時間なのか、ただ時間を増やすと、行動の達成が困難になります。
    実際に英語が話せるようになった人の事例を調べて参考にします。

  • Relevant(関連性)
    「海外で勤務したい」など、個人の将来進みたい方向とマッチしていればOKでしょう。

  • Time-bound(期限)
    「年間」続けるというのは行動に起こすと大変なものです。ただ、期限が長い方が高くてやりがいのある目標を掲げられます。
    持続させるために「半年で600点」などと中間目標を追加するのも有効です。


SMARTについて学べるおすすめの本

「これだけ! SMART」著:倉持 淳子

『これだけ! SMART』は、SMARTによる目標設定に特化した一冊です。
「目標を達成できるかどうかは、実は目標を設定した時点で9割決まっている」という本書では、SMARTの実践方法を詳しく解説しています。
立てた目標がなかなか達成できないと悩むリーダー向けに、自身が営業職で目標達成を繰り返したコツが語られています。

参考:これだけ! SMART


まとめ:SMARTで立てた目標設定で事業の最大化を目指そう

実現可能な範囲での高い目標を設定し、達成に向かうことは、成長のための原動力となります。ひとりひとりが成長を重ねれば、チームや会社としてはさらに大きな推進力になるでしょう。

SMARTの法則の活用で、常に「適切な目標」になっているかをチェックして、1日1日の自身の確かな成長につなげていくことをおすすめします。

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