
株式会社ベーシック マーケティング部 マネージャー
見山 悠妃
営業支援会社にて現場営業からマネージャーを経験。その後「1人マーケター」としてマーケティング部署を立ち上げ、サービスサイト制作・コンテンツ制作・ウェビナー施策・MA活用の基盤を構築。
2021年にベーシックに入社し、BtoBマーケサービス「ferret One」のインサイドセールス、フィールドセールス、イベント企画登壇などを経て、現在はマーケティングマネージャーとして、マーケティング・事業部を横断した戦略立案/企画/オペレーション設計を担う。

株式会社ベーシック マーケティング部 リーダー
後藤 大貴
2022年にベーシックに入社し、ferret Oneカスタマーサクセスとして顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援から関わり、担当社数は約100社にも及ぶ。製造業・ITサービスから人材業界まで幅広い業界を担当し、中長期的な戦略からサイト改善やコンテンツ制作までの、マーケ施策の提案と伴走支援を行う。
現在はマーケティング部に異動して、商材を横断したナーチャリングファネルの戦略立案/企画/オペレーション設計を担う。
商談が増えない理由は、2つに分かれる
このウェビナーのテーマを考えたのは見山です。MAを使っているのに商談が増えない、という相談を聞いていくと、多くは次の2つに分かれるといいます。
状態 | 考えたい打ち手 |
|---|---|
ハウスリストがまだ少ない(例:3,000件ほど) | まずはリードの数を増やす |
リストはあるのに、セグメントを切ってメールを出し分けられていない | データの質を上げる |
メルマガで成果を出すには、ハウスリストが1万件ほどは必要、という目安がよく言われます。業種やターゲットによって変わりますが、数千件の段階では、施策を打っても確率的に成果につながりにくいのが実情かもしれません。
一方、リストが十分にあっても、失注のタイミングや決算月の半年前といった条件で絞り込もうとしたときに、そもそもデータが入っていないケースがあります。
「データが入っていないから切れない、ということはよくある」
リストの数とデータの質、自社はどちらでつまずいているのかを見極めるところから始めてみてください。
つなぐ前に、使っているツールを棚卸しする
データを整える流れとして、ウェビナーでは「整える・補う・つなぐ」の3つが挙がりました。
後藤がCS時代に何度も見てきたのは、マーケと営業の間でデータが分断されているケースです。情報が共有されていないために、連携して商談を生み出そうとしてもうまくいかない。
では、つなぐときは何から始めればいいのでしょうか。見山がすすめる順番は次のとおりです。
自社で、どの業務にどのツールを使っているかを洗い出す
どのデータをどこに置いておくと、誰が動きやすいかを考え、つなぐかどうかを判断する
つなぐと決めたものについて、連携できる方法を調べる
たとえば、営業はスプレッドシートで管理しているのに、インサイドセールス(IS)は別の電話ツールを使っていて、通話の記録がどこにも残っていない。こうしたことは、洗い出してみて初めて見えてきます。最初から全部をつなぐ必要はありません。
見山は、ツール選びの条件として、APIやMCPで外部とつながるかどうかの重みが増しているとも感じています。
「つながらないツールは、数年後に自社が取り残されるリスクになると思う」
見山自身、同じくらいのコストでつながるツールに入れ替えた経験もあるそうです。腰は重くても、早めに手をつけておくと、いざというときに動きやすくなります。
忘れるなら、自動化する
ツールを入れたあとに待っているのが、運用を定着させる壁です。見山が大事にしているのは、自動で補い続けられる状態をつくることでした。
たとえば、営業に「SFAのこの項目を入力してください」とお願いしても、つい忘れてしまうことがあります。
「忘れるのが悪いというより、忘れちゃうもの。5分後には次の商談があるから」
いまなら、商談の録画から議事録を作ってSFAに反映させるなど、商談の終了をきっかけに自動化できる方法も増えています。
マーケの領域でも同じです。法人番号さえ分かれば、業種や従業員数といった情報は後から自動で補える場合があります。見山のチームでも、メンバーの一人がサイト、メール、分析まわりの作業の多くをAIで回せるようにしているそうです。
人は忘れる前提で、どうすれば自動化できるかを考えてみる。番組のタイトルにもなった、忘れるなら自動化せよ、という考え方です。
後藤は、自動化を考えるには、やりたいことを整理するのと同時に、各ツールで何ができるかをある程度知っておくことも大事だといいます。どうせできないと思っていたことが、ツールの組み合わせで実現できることもあるからです。
フォームは、その先の商談から考える
入力フォームの最適化(EFO)というと、項目を減らす話になりがちです。ただ、見山は少し違う見方をしています。
競合が7項目のフォームなら、自社が3項目に減らしても、それだけでCVRが大きく伸びるとは限りません。それなら、後から自動で補える項目は外し、ISがアプローチするときに知りたいことや、その後のセグメントに使える項目を置くほうが、商談につながりやすくなります。
「フォームの手前を直すだけで、CVRが伸びることもある」
後藤も、AIで情報収集が進んだうえでフォームにたどり着く人は、比較検討の段階に入っていることが多く、必要な情報は入力してくれる傾向があるのではないか、と話していました。
一人マーケは、味方を先につくる
とはいえ、データの整備やツールの選定には時間がかかります。施策を回しながら一人で進めるのは、簡単ではありません。
見山がすすめるのは、ISなど周りのチームを味方にすることです。データが整うと何が良くなるのかを伝え、整備に時間を使わせてもらう。
たとえば、問い合わせ10件が目標なのに、施策だけでは2件しか取れていないとします。ハウスリストが2万件あるなら、データを整えてセグメント配信をしたり、ISに架電してもらったりして、残りを埋められる可能性もあります。目標の立て方は会社によって違いますが、それくらいデータには力があるということです。
後藤も、マーケから前向きに働きかけると、ISのほうから「こうしていきましょう」と声が上がることがあるといいます。仕組みづくりと、一緒にやろうと声をかけること。その両方が大事なのかもしれません。
まとめ
アクション | ポイント |
|---|---|
リストの数とデータの質のどちらが課題かを見極める | 数千件ならリードを増やす。リストがあるならデータの質を上げる |
使っているツールを洗い出してから、つなぐ | どのデータをどこに置くかを決め、必要なものだけ連携する |
ツール選びでAPIやMCPの対応を確認する | 外部とつながるかどうかを選定条件に入れる |
人が忘れる前提で自動化する | 商談の終了や法人番号をきっかけに、データを自動で補う |
フォーム項目は商談から逆算する | 補える項目は外し、ISが知りたいことを聞く |
周りのチームを味方にする | データが整うメリットを伝え、整備の時間を確保する |
ハウスリストが1万件を超えてきたら、データの整え方が成果を左右する場面は増えていくはずです。まずは自社で使っているツールを書き出すところから始めてみてください。
人は忘れるもの。だからこそ、仕組みに任せられるところは任せて、人にしかできない商談や企画に時間を使えるようにしたいですね。
ferret Oneでも、APIやMCPでほかのツールとつなげられる仕組みの提供を進めています。データをつなぐ方法を検討する際の選択肢の一つとして、のぞいてみてください。
しごおわ!ゆるっと12分ラジオ ep75より













