ferret Oneの展示会施策、1年間の劇的ビフォーアフター
BtoB企業にとって、展示会は多数の新規リードを獲得できる大きなチャンスです。ferret Oneも2019年は下記の展示会に出展しました。
2019年5月 Web&デジタル マーケティング EXPO【春】
2019年6月 Web販促EXPO【夏】
2019年10月 Web&デジタル マーケティング EXPO【秋】
2020年最初の出展は、2月に開催された「Web販促EXPO」。Web・IT領域に特化したマーケティング・販促の専門展です。
この記事では、ferret Oneがこの1年間で取り組んできた展示会施策の変化をお伝えするとともに、2月の展示会での新しい取り組みをお伝えします。展示会出展を検討されている方の参考になれば幸いです。
■あわせて読みたい資料:“BtoBマーケティング”を本格的に行いたいという方向け
→BtoBマーケティング実践ガイド
お伝えするのはこの人!
野口 知佐(のぐち ちさ)
株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 イベントグループ
2016年に株式会社ベーシックに入社。ferret Oneのインサイドセールス、フィールドセールスを経験後、マーケティング部へ。現在は展示会やセミナーなどのオフラインマーケティングを中心に担当。
Twitterのアカウントは @amakokeshi
目次[非表示]
展示ブースは目に留まるデザインとコピーへ改善
ではさっそく、これまでの展示ブースの変化と、その理由についてご紹介します。
2019年 春・夏の陣(2019年5月・6月)
1年前の2019年5月・6月の展示会では、立て看板に事例情報をメインで載せ、成果を数字で表しました。こちらが当時のブースのイメージです。
しかし、今思うと全体として盛り込んでいる要素が多く、「何のサービスなのか」パッと見ただけではわかりづらい内容になっていました。
同じ展示会に出展していた他社と比較しても
- 色のコントラストが弱い
- 看板の文字数が多い
- 文字数や要素が多いのをデザインで解消できていない
といった課題があり、来場者の方に足を止めていただくことに苦戦。展示会1日目は、ブースが閑散としており、スタッフ一同焦っていました。
(閑散としているブースの様子)
そんな中、複数の訴求メッセージの中で「BtoB向け」というワードの反応してくださる方が多いことに気づきました。そこで、展示会の2日目からは「BtoB向け」というワードに絞ってキャッチでアピールしたところ、名刺をいただける数が増え、目標を上回るリード獲得につながりました。
▼当時の様子は、こちらの記事で詳しくご覧いただけます。
3日間で2,000件以上のターゲットリード獲得!ferret Oneが展示会で実施した「鬼速PDCA」とは
展示会に来場される方は、限られた時間の中で歩きながら看板を見ています。まずは興味を持ってもらい、立ち止まってもらうために「一瞬で頭に入ってくる」コピーとデザインが必要だったのです。
この反省を踏まえ、次回の展示会では、ブースに複数の要素を盛り込むよりも、「自分ごととして刺さるワード」をシンプルに大きく押し出した方がいい!という結論に。キャッチトークと合わせ、次回の看板も見直すことになりました。
2019年 秋の陣(2019年10月)
前回の反省を踏まえ、ブースのメインカラーを濃くし、1つの看板内の要素をできるだけ減らしました。また、反応がよかった「BtoB」というワードを、色を変えて多数の看板でアピール。
6月は1つの立て看板に
- 担当者写真
- 担当者社名
- テキスト
- イラスト
- グッドデザイン賞のロゴ
とたくさんの要素が入っていましたが
(2019年春・立て看板)
10月は
- テキスト
- イラスト
のみに要素を減らしました。また、BtoB企業としての信頼を得る狙いで「事例企業のロゴ」も掲載しました。
(2019年秋・立て看板)
しかし改善はしたものの、立て看板の「コンサルとツール」を見て立ち止まる人はほとんどなく、「どんなサービスか」を伝えるキャッチとしては弱かったのではないかと思います。
一方、ブース前で立ち止まってくださった方は、事例を見ているケースが多いことに気づきました。キャッチからデモブースに誘導する際も、「300社導入してるんですよ」「こんな企業さんがこんなお悩みを解消されてるんですよ」とお伝えすると、興味を持ってくださる方が多くいらっしゃいました。
これらを踏まえ、次回展示会のメインの看板は、事例企業のロゴを大きく並べ視覚的にアピールすることに。
今回(2020年2月)
前回の「目立たなさ」「印象の残らなさ」の反省を踏まえ、ブースのメインカラーをもう一段濃くしました。
その他、前回から下記の点を変更しています。
【タグライン】
タグライン「BtoBマーケするなら」が印象に残るように、全面に押し出しました。
【キャッチコピー(立て看板のワード)】
キャッチコピーも「もっとシンプルにし、頭に入りやすいように」と再考することに。
伝えたいことは同じでも、人によって用いる言葉は違う上、読む相手(来場者の方)が最初からその言葉を課題と捉えているとは限りません。そのため、キャッチコピーは毎回とても悩むポイントです。
改めて、展示会経由での受注企業の情報をまとめ、顧客のニーズから刺さるワードを探しました。セールスのメンバーもミーティングに巻き込み、当日のお客様の反応、刺さった説明などをもとに推敲を続けること数週間。
結果
- 端的に効果をイメージできるワード「BtoBサイトを 劇的に改善」と
- 運用しやすいツールであることを補足する「サクサク運用で Web集客が伸びる」
の2つに決定しました。
【事例の最大活用】
前回のブースでは、事例企業のロゴサイズが小さくわかりづらかったという反省がありました。そこで今回は、一番人通りの多い通路の立て看板に大きなサイズで事例企業のロゴを配置。また、知名度の高い企業さんが目立つようにしました。
上部看板の事例についても、前回は
- 事例企業名
- 企業ロゴ
- サイト画像
- 説明文
と、情報が多く見づらかったため
(2019年秋・上部看板)
今回はシンプルに
- 企業ロゴ
- サイト画像
の2つに絞り、説明文は企業全体をまとめたコピーに変更。
(2020年春・上部看板)
上部看板は高い位置にあるため、お客様が見上げなければならない上、照明が近すぎて見えづらくなってしまいます。そのため、興味をひきやすい「企業ロゴ」をできるだけ看板内の下部に配置しました。
前回と比べて、看板内の要素は減らしましたが、掲載する企業を3社から6社に増やし、企業ロゴをたくさん並べることでアテンションの取りやすさを狙っています。
パンフレットは「よく質問されること」を写真やイラストで追加
2019年 春・夏の陣(2019年5月・6月)
1年前は、表紙に「ferret Oneで解決できる3つの課題」、裏表紙には「対応する事例企業」を掲載しました。「どのようなお悩みがありますか?」という声かけから事例の紹介まで、キャッチ時点でスムーズにご案内できる構成となっています。
また、裏表紙にQRコードをつけて、無料資料のダウンロードが出来ることをアピール。ニーズが合わないお客様にお断りする時に「よろしければこちらの無料資料をご活用ください」などのトークとして使うことはできました。ただ、QRコードがあることでのブースでの反応率アップはそれほど実感できませんでした。
2019年 秋の陣(2019年10月)
6月の展示会で活用しやすかったため、基本的な構成は変えずに言葉を微調整しました。ブースとあわせ、複数社の事例企業のロゴを追加、色合いも濃くしました。
今回(2020年2月)
今回の展示会にあたり、セールス担当にヒアリングして下記を改善しています。
表紙:タグラインを追加
裏面:事例企業のロゴの数を増やし信頼性をアピール
(2020年春・パンフレット)
中面:
前回までは、「ノウハウの説明」についてシンプルにテキスト書いていましたが、
(2019年秋・パンフレット)
「実際何をしてくれるの?」と質問を受けるケースが多かったため、今回は、実際のサポート内容を項目ごとに並べ、写真やイラストを追加しました。
(2020年春・パンフレット)
また、ferret Oneの「立ち位置」が伝わる図を右ページに追加。MAなど他サービスを含め検討していらっしゃる方に、ferret Oneが何かを伝えやすくしました。
細かく1つ1つの機能やサービスを紹介するというより、ferret Oneの概念、立ち位置、ベネフィットなど、全体像を伝える構成にしています。
チラシは「自分ごと」と捉えてもらえる訴求に
前回まで
これまでの展示会では、来場者の方へ配布するのはパンフレットのみでしたが、今回、初めての試みとして「チラシ」を作成しました。
今回(2020年2月)
ブース近くまで来た方に「自分ごと」と捉えていただくため、6種類の導入事例チラシを作成し、ラックに配置します。
【ラックでも目立つデザイン】
(チラシ表面)
ラックに入れたときに一目でわかるように、トップには大きく業種名を掲載。さらに、色を業種ごとに色を変えたデザインにしました。
表面は該当業種のお客様の実際の声を、裏面にはパンフレットには載っていない、細かい機能紹介を載せました。
(チラシ裏面)
【訴求は業種別】
当初は、チラシの訴求を「ノウハウの悩み」「集客力の悩み」「スピードやコストの悩み」といった「課題別」で作成する案が出ていました。多くのお客様が、この3つのいずれかには当てはまるケースが多かったためです。
しかし、今回は「たくさんの人を呼ぶ」よりも、「ferret Oneをいいなと思ってくれる人にしっかり足を止めてもらう」作戦に舵を切り、「業種別」の訴求にしました。極端に言えば、ブースに立ち寄る方が10名で、受注も10件だったらその方がいいわけです。そこで、「誰にでも該当するチラシ」ではなく、ピンポイントで「これは私のことだ」と思ってもらえるチラシにすることにしたのです。
ノベルティは「接触回数」と「インパクト」を重視
前回まで
これまでの展示会でお渡ししていたノベルティは、「ペン」と「コースター」でした。実用的なものの方が、受け取ってもらいやすいと考えたためです。実際に受け取ってくださる方は多く、ブースまで来てくださるきっかけ作りになっていました。
今回(2020年2月)
今回は、ノベルティによって、ターゲットとなる企業の担当者の方に「ferret Oneとして認知してもらう」ことを目的にしました。そのため、受け取ってもらうことのみを重視するのではなく、他社でよく見かけるノベルティを避け、「接触回数」と「インパクト」に注目して選定することに。
検討を重ねた結果、今回のノベルティは「付箋」と「飴」に決定しました。
付箋には、ロゴとタグラインを印字。
飴はferret Oneのアイコン「fO」と、「BtoBマーケ」の文字を入れてもらいました。
飴の製造工程は迫力満点です!
また、飴を受け取ってくださった方がSNSに投稿してくださることを期待して、ハッシュタグの案内を封入しています。(ぜひ、受け取った方は投稿していただけると嬉しいです!)
手持ち用ポスターで存在感をアピール
前回まで
これまでの展示会では、手持ち用ポスターは用意していませんでした。今回が初めての試みです。
今回(2020年2月)
展示会は多数の企業が出展しているため、遠くから歩いてくる方に自分たちのブースの存在を認知してもらうことが大切です。そのため、今回から手持ちのポスターを用意しました。
ブースの看板と同じ内容を横型ポスターにしてキャッチで持ち、存在をアピールします。隣のブースの配置によっては、自社のポスターが見えにくいときがあるのですが、手持ちポスターならばどこからでも見えるので、その心配がなくなります。
ミニセミナー開催は回転率を改善する運用に
前回まで
これまでも展示会中にセミナーを開催したことはありましたが、1時間おきに15〜20分程度のセミナーで、お客様はブースに長めに滞在する必要がありました。そのため、回転率が悪くなったり、参加人数が多い場合は全員をブースにご案内できなかったりと、キャッチや商談のオペレーションもスムーズに行かないことがありました。
(2019年秋・ミニセミナー)
今回(2020年2月)
今回は、オペレーションを改善するために、5分程度のミニセミナーを20分おきの開催に変更。手持ちポスターと併せて使用し、アテンションをとり、都度キャッチや商談担当者がフォローする運用を試みます。
以上、ferret Oneが取り組んできた展示会施策の変化をお伝えするとともに、今回の展示会での新しい取り組みもお伝えしました。小さな改善を進めてきた結果、1年を振り返ると大きな変化となりました。展示会出展を検討されている方の参考になれば幸いです。
ferret Oneは、BtoBに特化したマーケティング支援を行います。自社で運用できるようになる運用支援はもちろん、人材が不足している場合は運用代行も承っております。ぜひ資料をご覧ください。
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