マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入する前に、確認すべきポイントとは

マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入する前に、確認すべきポイントとは


「マーケティングオートメーション(MA)」は、ここ数年、Webマーケティングに関わる方の間で認知が広がり、急速に市民権を得てきたキーワードです。

その名が「マーケティング」+「オートメーション」ということで、そのままとらえてしまうと「自動的にマーケティングができる」ものだと受け取ってしまいそうですが、実際にはシナリオを作ったり、Webサイトとの連携設定をしたりとそれなりの作業が必要になります。

とはいえ、一度設定してしまえば、煩雑なオペレーション業務を省略できるというメリットは大きなものです。メール配信やアクセス解析、CMSなど複数のツールを組み合わせつつ、都度人力で運用している方からすれば、それらの業務から解放されることの恩恵は計り知れないほど大きいと言えるでしょう。

この記事では、そんなMAツールのメリットをお伝えすると共に、MAツールの導入を検討されている方へ向けて、導入前にチェックしていただきたいポイントをお伝えします


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目次[非表示]

  1. 1.MAツール活用のメリット
  2. 2.MAツール導入前にチェックすべきこと
  3. 3.MAツールが向いている企業・向いていない企業の特徴
  4. 4.MAツールが使いこなせそうにない場合の選択肢


MAツール活用のメリット

MAツールのメリットは、効率化だけではありません。

今までは、とりあえずWebサイトに設置したお問い合わせフォームから届いたお問合わせに対して、とにかくまずコンタクトを取って検討度合いを確認するというものでした。感触が良ければそのまま提案に入るというもので、とにかく聞いてみなければわからない、というものでした。

そんな、言わば出たとこ勝負となっていたお問い合わせ対応の効果的な方法として、MAツールが登場しました。ユーザーのサイト内での行動や属性、流入経路などから、ユーザー毎のトラフィックレベルでどんな人がどんなニーズを持っているかを把握し、最も適切なコミュニケーションを行うことで検討度合いを上げるというものです。

ここで、MAツールで実施できるマーケティング手法をおさらいしましょう。細かい機能はいろいろありますが、代表的な機能としては以下の2つがあげられます。


リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、見込み顧客が持つサービスへの興味/検討度合いを高めるための活動を指します

見込み客と初めてWeb上で接点を持つところからお問い合せや資料請求といったアクションの促進、継続的なコミュニケーションによる検討段階のマネジメントまでをMAツール上で行うことができます。具体的にはWebサイト上のコンテンツを見込み客の状況によって変化させたり、状況や属性に合わせたメール配信を行うことが一般的です。


リードスコアリング

日々発生するリードをあらかじめ設定したルールで点数化し、サービスへの興味度や受注確度を把握する手法です。具体的には、サイト訪問回数や流入チャネル、サイト内行動といったWeb上での行動内容に加え、企業規模や役職(決裁権)、業種といったスペック的な情報によりリードに点数を付与していきます。なおこのスコアなどにより営業活動の優先度をつけることをリードクオリフィケーションと言います。

どんなユーザーも初回の接触時にはスコアが低い状態ですが、上述のリードナーチャリングを実行することでスコアを上げていくことができ、スコアの高い見込み客から優先的に営業活動することで受注確度を上げることができます。


MAツール導入前にチェックすべきこと

このように見ていくとMAツールは魔法のようなツールのように見えますが、冒頭でも述べたとおり、導入するだけで期待通りの成果が出るわけではありません。

では成果を出すために必要なのはどのようなことか。まず導入する前にポイントとなるのは、導入の目的や自社のアセット/Webリテラシーを見極めることです。この見極めのハードルが高いということがMAツールのデメリットと言えます。

MAツール導入前に見極めるべき点として、具体的には主に3つあります


1.自社に高いリテラシーがあるか

MAツールは、Webマーケティング関連のツールとしては最高レベルの難易度であるといっても過言ではないでしょう。様々な専門用語の理解、シナリオ設計や外部ツールとの連携の際にプログラミングの基礎知識が必要である、UIが英語表記である、など乗り越えるべきハードルがいくつもあります。

経験のあるスタッフが1人でも居れば一気に活用が加速するようなケースもありますが、そのような人材はまだまだ少ないという現実もあります。


2.効果が出るまで粘り強く続けられるか

広告出稿などと違い、基本的には自社のWebサイトなどの資産をベースとして見込み客は発生します。たくさんの来訪者がいるサイトであれば問題ありませんが、そもそも人が来てくれる状態にするまで時間がかかることもあります。


3.投資効果を正しく評価する術を持っているか

MAツールは営業担当による営業活動の手前までのプロセスを担うケースが多く、MAツール単体のCPAや受注コストの算出が難しい場合が多いです。ツール自体が高価であるということもあり、高い費用を投じている割には売上へのインパクトが小さいと感じられてしまうことも多いようです。

これらのデメリットの側面が表れたものとして、MAツールへの期待値とその利用実態にギャップがある、という調査結果もあります。

引用:【2017年11月】BtoBマーケティングオートメーション意識調査-エムタメ!

対象者の約半数となる47%の人がMAツールを知っていると回答していることから、やはり市場での認知度は進んでいることがわかります。


引用:【2017年11月】BtoBマーケティングオートメーション意識調査-エムタメ!


引用:【2017年11月】BtoBマーケティングオートメーション意識調査-エムタメ!

一方で実際に導入している企業に勤める人へのアンケートでは、その効果を(あまり)感じられない、あるいはわからないとしている人が37%と、こちらも見過ごせない水準となっています。

その理由としては、計測方法がわからない、機能が使いこなせないなど、やはり自社のアセットやリテラシー不足に起因するものが多くなっています。


MAツールが向いている企業・向いていない企業の特徴

「MAツールの導入は、自社にはまだ早いのかもしれない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、世の中にはMAツールで成果を上げている企業もたくさんあります。MAツールがマッチする企業やチームであるなら使えばいいですし、そうでなければ無理に使っても意味がないということです。

そこで今回は、弊社が過去様々な企業のWebマーケティング環境をヒアリングしてきた経験から、MAツールが向いている企業/向いていない企業の特徴を整理してみました。


MAツールが向いている企業

・MAツールを専任でオペレーションできるメンバー/チームを持っている。
・ニーズの顕在化したリードに対してすぐに対応できるだけの営業リソースがある。
・Webサイトはもちろん、ランディングページやSNSアカウント、オウンドメディアなどWeb上の資産がたくさんある企業。最初から見込み客が発生しやすいので、MAツールの効果を実感しやすい。


MAツールが向いていない企業

・そもそもWeb上に自社の資産がほとんどない。サイトのトラフィックやリードが発生しなければ、ナーチャリングやスコアリングといった施策のしようがない。
・リードに対してすぐ営業対応できない。営業部門とマーケティング部門が分断されていて個別に活動しているようなケース。
・自社のリソースを確保せず、制作企業や代理店など外部のリソースだけで何とかしようとしている。

これを単純化し図にすると以下の4つに整理できます。

①に該当する企業:今にでもMAツールを導入して成果を出せる企業です。

②に該当する企業:リードの評価方法を工夫しながら、効率的な営業体制をつくることで成果を得やすくなります。CRMやSFAなどのツールを併用することで効率化できるかもしれません。

問題は③や④に該当する場合です。そもそもWeb上での見込み客との接点が少ない状態なので、MAツールはもちろん、広告などの施策でも成果を出しにくいという状況です。

ではそんな③や④に該当する企業は何から始めるべきなのでしょうか?それはまず「Webマーケティングができる環境を整える」ということに他なりません。次の章で解説します。


MAツールが使いこなせそうにない場合の選択肢

「Webマーケティングができる環境を整える」というと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、心配は不要です。要はシンプルに「きちんとユーザーとコミュニケーションできる状態」を作ることができれば問題ありません。

そこで本章では、ユーザーとコミュニケーションできる状態を作るために有効な、CMSツールをピックアップして紹介します。


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WordPressなどのオープンソース系CMS

無料で使えるのと、カスタマイズ性が高いため、特にWeb制作企業で多用されます。表現力とコストのバランスが良いため事例は豊富ですが、一度作った後は修正や追加がしづらかったり、定期的なアップデート作業が必要というデメリットもあります。標準ではお問い合わせフォームやメール配信などの機能もありません。


JimdoやWixなどのデザイン性に長けたCMS

WYSIWYG的なUIが特徴で、ページを直感的に編集できます。多くの場合無料から利用でき、デザインの知識がなくてもクオリティの高いページ作成が可能です。しかしCMSが充実している一方で、メール配信機能やお問い合わせ管理機能などのマーケティング機能が貧弱な場合も多く、Webマーケティングの実行環境という視点では不十分である場合が多いです。


ferret Oneなどのマーケ機能つきのCMS

Cloud CMO、b-dash lite、弊社で提供しているferret Oneなど、従来のCMSに加えてブログなどのコンテンツ機能やリード管理、メール配信などWebマーケティングに必要な機能を充実させたものです。基本的なWebマーケティングに必要な施策はこれ一つできるということが特徴で、必要に応じてMAツールなどとの連携も可能になっています

「要はCMSがあればいいということか」という風に思われるかもしれませんが、とりあえずサイトがあればなんでもいいや、と軽い感覚でCMSを選択してしまうと、後で拡張性や追加コストに悩まされることになる可能性が高いです。自社の状況に合わせて、最適なCMS選びをオススメします。

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小竹 泰誠(コタケ ヤスマサ)
小竹 泰誠(コタケ ヤスマサ)
マーケティング部 マーケター 2017年1月、ferret Oneにジョイン。Web広告/ソーシャルメディア/メールなどのマーケティング施策の他、コンテンツライティング/編集まで幅広く行う。

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