ターゲティング広告の仕組みとは?種類別の仕組みと効果
「効率的な広告運用」は、広告運用担当者であれば、誰もが目指す目標ではないでしょうか。
効率的に行うには、ターゲットを絞り、適切な広告を配信する「ターゲティング広告」が重要です。この記事では、ターゲティング広告の種類や仕組み、得られる効果を紹介します。
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ターゲティング広告の種類と仕組み
ターゲティング広告とは、ユーザーの属性やWebサイトの閲覧履歴といった情報を元に、ユーザーのニーズにあった内容を配信する広告です。広告出稿側が特定の条件を指定することで、配信するユーザーを絞ります。
ターゲティング広告は大きく分けて4つに分類されます。
①オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングとは、「◯◯に興味がある人」のように、人を対象にターゲットを絞って広告を配信する方法です。どのようなサイトで、どのような情報を見ていようと、ターゲットの条件に当てはまれば広告が配信されます。
オーディエンスターゲティングは、Cookie・アプリの広告識別子・ブラウザの識別情報などの閲覧データを利用してユーザーを識別します。個人を特定している訳ではないので、自社の保有する個人情報と併用することで、高い精度のターゲティングが可能です。
ターゲット層がはっきりしている場合に効果的な広告手法です。
オーディエンスターゲティングには具体的に以下のようなものがあります。
行動ターゲティング
サイトの閲覧履歴や行動履歴・成約履歴など、顧客の行動を元に配信するターゲットを絞ります。ユーザーのサイト上での行動を追いかけるため、関心の高い分野を把握可能です。
サイトターゲティング
特定のサイトを狙って広告を表示する方法です。サイトにアクセスするユーザーが、興味を持ちそうな広告を配信します。サイトにアクセスするターゲットの属性がバラバラではなく、まとまっている場合に有効です。
リターゲティング
自社のサイトに1度でもアクセスしたことがあるユーザを対象に、別サイトで自社の広告を掲載する方法です。サイトから離れてしまったユーザーに広告を配信することで、成約意欲が再度高まります。コンバージョンに繋がりやすく、費用対効果が高いのが特徴です。
▼リターゲティング広告については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→リターゲティング広告の仕組みとは?BtoBでのメリットとCookie規制による今後の動向
サーチキーワードターゲティング
指定したキーワードで検索したユーザーを対象に広告を配信する手法です。検索をしているユーザーなので、ニーズが高く、集客効果が期待できます。
類似ユーザーターゲティング
企業が求める人物像を設定し、その人物像に類似した人をターゲットにして広告を表示します。「以前自社のサービスを成約したことがあるユーザー」に類似した人をターゲットにすれば、コンバージョンにもつながりやすくなるでしょう。
属性ターゲティング
広告配信するユーザーを、性別や年齢・地域といった属性情報を元にターゲティングします。女性向けツール・若年層向けサービスなど、自社のサービスが人の属性に関係する場合は効果的です。
②コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングは、コンテンツ単位でターゲティングを行います。
ユーザーが閲覧しているサイトに掲載されているコンテンツがどのような内容か判断し、関連性の高い広告を配信する方法です。オーディエンスターゲティングで利用するようなユーザー情報は利用しません。手動やシステムによって分類されたコンテンツに合わせて広告を表示します。
例えば、AサイトでMAツールの比較コンテンツを閲覧していた場合、コンテンツ内容に合わせて、Aサイトに自社MAツール紹介の広告を掲載すれば、ユーザーの興味を惹きつけられます。
サイトのコンテンツが、いくつかの属性で構成されている場合に効果的です。
③ジオターゲティング
ジオターゲティングとは、ある特定の場所にいるか、その場所にいく予定がある人にターゲットを絞る広告手法です。
オフラインのお店にオンラインから集客する際などによく利用されます。ジオターゲティングは、企業の認知度合いを広げることが目的です。
新規企業が、特定のエリアに所在する企業に、自社がどのような会社か・どのようなサービスを提供しているのかを知ってもらうのに有効です。
ジオターゲティングはIPアドレスやGPS、Wi-Fi、Bluetoothから取得できる位置情報を使って、ターゲティングを行います。
④デバイスターゲティング
デバイスターゲティングとは、デバイスを指定して広告を配信する方法です。パソコン、スマートフォン、タブレットなど、ユーザーが閲覧時に利用するデバイスに合わせて、最適な内容の広告を表示します。
例えば、パソコン用マーケティングツールの広告ならば、スマートフォンよりもパソコンに配信した方が、流入効果は期待できます。
BtoBの商材はパソコンで検索されることがほとんどなので、広告の配信先をパソコンに絞った方が効率的な場合もあるでしょう。
デバイスターゲティングは、デバイスの指定だけでなく、OS・OSのバージョンなど細かい設定も可能です。
ターゲティング広告運用の仕組み
ターゲティング広告の運用方法は「自社で運用する」か「運用代行会社に依頼する」かの2つがあります。
①自社で運用する
1つ目の方法は担当者を配置し、自社でターゲティング広告運用を行う方法です。インハウス運用と呼ばれています。
運用コストを抑えられ、ターゲティング広告のノウハウが自社に蓄積されていく点がメリットです。
広告運用にはマーケティングの知識が必要です。自社に十分な知識を持った人材がいなければ、運用が上手く行かない可能性もあります。
コストをかけ、人材を育成する必要があるでしょう。
②運用代行に依頼
運用代行会社に依頼し、ターゲティング広告を運用してもらう方法もあります。
1番のメリットは、分析作業などの時間がかかる業務の手間が省けることです。高いスキルと豊富なノウハウで運用してもらえるので、成果が現れやすく、費用対効果も高くなります。
しかし、手数料が必要な分コストがかかることや複数の企業を抱えているため、自社への対応が遅くなってしまう場合があることがデメリットです。
運用代行を選ぶ際には、運用スキルや費用、取り扱っている媒体の種類などに注意しながら、比較検討してみてください。
また、自社と同じ業界・業態の企業の広告運用代行を行っているかも重要です。すでに自社と同じような会社の運用代行で実績が出ている場合、その業界・業態への知見を持っている可能性が高く、運用を依頼した際に成果が出るかどうかを見極めるポイントの1つになってきます。
ターゲティング広告運用のメリット・デメリット
ターゲティング広告には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
ターゲティング広告のメリット
ターゲティング広告は、ユーザーの興味がある内容の広告を配信するため、コンバージョンにつながりやすく、費用対効果が高くなります。
広告は闇雲に配信するよりも、関心の高いユーザーにターゲットを絞って配信した方が効果的です。
ユーザーにとっても興味がない広告の配信を減らせるメリットがあります。
ターゲティング広告のデメリット
ターゲティング広告最大のデメリットは、運用の仕方を間違えると、ユーザーに不信感を与えてしまうことです。何度も同じ広告が表示され追いかけられると、ユーザーは不快に感じてしまい、企業のマイナスイメージにつながってしまいます。
また、ターゲティング広告は、ターゲティングの方法が多様です。広告運用の知識、マーケティングの知識が不足していると、効果的な手法が分からず、失敗する危険性があります。
ターゲティング広告とプライバシー問題
ターゲティング広告には、プライバシー問題も関係しています。以下の点に留意して運用しましょう。
ターゲティング広告は不快に思われやすい?
ユーザーの個人情報保護に関する意識は高く、ユーザーの属性やサイト閲覧履歴などの情報を元にユーザーを追いかけるターゲティング広告は、不快に思われがちです。
そのため、AppleもGoogleもターゲティング広告で利用されるCookieを制限・廃止しようとしています。IDFAと呼ばれる端末識別情報を取得する場合も、あらかじめユーザーの許可を取らなければならないと、Apple社は義務化しました。
CookieやIDFAによる情報の入手が困難になることで、ターゲティング広告の精度が低くなってしまうのです。
ターゲティング広告は停止できる
広告事業者は、ターゲティング広告を停止する手段をユーザーが選択できるように準備しています。オプトアウトを実行することで広告の配信を停止できるのです。
オーディエンスターゲティングなど、Cookieから得た情報を元にターゲティングした広告は、オプトアウトの対象です。
オプトアウトすることで、Cookieの仕組みを利用したユーザー情報の収集を停止します。
ターゲティング広告の仕組みを知り、効果をあげよう
ターゲティング広告は、ターゲットを特定の条件で絞り、関心の高い内容の広告を配信する広告手法です。費用対効果が高く、上手く運用できれば広告コストも抑えられるでしょう。
しかし、何度も同じ広告が配信され、不快感を与えてしまうため、ユーザにとってあまり良いイメージはありません。正しくターゲティングを行い、必要としているユーザーに広告を届けることが重要になってきます。
ユーザーをしっかり分析し、最適なターゲティング手法を選択して、効果的な広告運用を始めましょう。
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