コンテンツSEOとは?検索流入を増やすBtoB記事の作り方
(2021-03-30 更新)
「検索エンジンからの流入を増やすために、サイトにコンテンツを追加したい」
これは、ferret Oneをご利用いただいているお客様からもよくいただくご相談です。多くの方がつまずくのが「どうやってコンテンツを作れば良いのかわからない」というところではないでしょうか。
この記事では、SEOを意識した記事(コンテンツ)作りの手順を3ステップに分けて解説します。
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コンテンツSEOとは?
コンテンツSEOとは、良質なコンテンツを継続的に配信し、情報を積み上げることで、検索エンジンからの流入増加を狙う手法です。
コンテンツSEOでは、設定した検索キーワードに応じて、検索先となるコンテンツを整えることで、アクセス数の増加をはかります。
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングとの違い
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングでは、狙う目的が違います。コンテンツSEOが狙うのはアクセス増加。一方、コンテンツマーケティングで狙うのは、「購入やサービス導入に繋げる」「リピーターまたは継続者を増やす」といった、収益増加となります。
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のあるコンテンツを制作・配信することで、見込み顧客を育成し、購買を経て、最終的にはファン化することをめざすマーケティング手法です。
コンテンツSEOは、「有益なコンテンツ制作・配信」「Web上で集客」「アクセス増加」がポイントです。コンテンツマーケティングは、「有益なコンテンツ制作・配信」「Web上で集客」「購買に繋げる」「リピーターまたは継続者を増やす」とがポイントになります。
コンテンツSEOのメリット5つ
コンテンツSEOを行うときのメリットは、主に5つあります。どんなメリットがあるのでしょうか?
1.集客効果が長期間維持される
SEOにおける最大のメリットは、集客効果の持続力が高いことです。
広告を出稿すれば、集客力は高くなります。しかし、広告を止めると同時に集客力が落ち、効果は一時的です。
コンテンツSEOは、永続的に検索エンジンから潜在顧客や見込顧客を集客し続けます。継続した集客効果が得られることは、コンテンツSEOの大きなメリットです。
2.費用対効果が高い
コンテンツSEOは、コストをかけずに取り組むことができます。コンテンツ制作を自社で取り組めば、人件費のみで実施可能。
人件費のみで長期間集客効果が持続するコンテンツを制作できるため、ノウハウやリソースがある企業にとっては、費用対効果が非常に高いのです。
3.コンテンツの蓄積で、集客力も蓄積されていく
コンテンツのひとつひとつが集客力を持っているため、良質なコンテンツを増やせば増やすほど集客力が増加します。さらにサイト全体の検索エンジンからの評価が高まり、過去に追加したページの検索順位もつられて向上。
コンテンツの蓄積により、雪だるま式に集客能力が増していくのです。
4.企業のブランディングを高める
Webサイト内のコンテンツを充実させると、プロフェッショナルとしての知識・経験が検索者に伝わり信頼感を獲得できます。
充実したコンテンツは、顧客ロイヤリティ(顧客が抱く愛着や信頼感)を高め、受注につながりやすくなるのです。
コンテンツSEOは、企業ブランディングを高めることに貢献します。
5.SNSでの拡散による被リンクを獲得できる
面白いと思ったコンテンツや、良質なコンテンツはSNSで拡散されます。SNSで拡散されると、外部のブログやWebサイトで紹介される確率が高くなるのです。
自然な被リンクが増えると、該当ページの検索順位があがり、サイト全体の順位評価が高くなります。
コンテンツSEOのデメリット3つ
では、コンテンツSEOにはどんなデメリットがあるのでしょうか?
1.効果が出るまでに時間がかかる
コンテンツSEOは、効果が出るまでに時間が必要です。検索エンジンは、コンテンツの内容だけでなく、各ページの訪問者の動きやクリック率・直帰率などのデータを加味しながら、検索順位を決定します。
評価が安定するまでに時間を要するため、すぐには効果が出てきません。
2.コンテンツの作成に労力と時間がかかる
コンテンツは、良質なものでなければなりません。検索エンジンは、検索ユーザーにとって有益だと判断したものを高く評価し上位表示するためです。
良質なコンテンツ作成には、「正確性」や「わかりやすさ」や「情報量」が求められるため、労力と時間がかかります。
さらに、継続して良質なコンテンツの配信を求められるため、担当者にとっては負荷がかかるでしょう。
3.コンテンツSEOを外注するとコストがかかる
コンテンツSEOは、外注できます。良質なコンテンツ作成には、技術と経験が必要です。良質なコンテンツを作成できる業者は、発注費が安くありません。
コンテンツSEO業者の多くが、月20万円前後の費用でコンテンツプランニングや作成を請け負っています。
全てを外注するとなると多額のコストが必要となるため、部分的に発注すると良いでしょう。
コンテンツSEOのための記事づくりのステップは大きく分けて3つ
コンテンツSEOのための記事づくりのステップは、大まかに分けると以下の3つです。
ステップ1 キーワード選定
ステップ2 アウトライン作成
ステップ3 ライティング
まずSEOで上位表示を狙うキーワードを選定し、次にそのキーワードを元に「記事内にどのような内容をどういう順番で配置するか」というアウトラインを作成します。そして、アウトラインに沿って実際にライティングしていくという流れです。
ここからは、ステップごとに手順やポイントを詳しく解説していきます。
ステップ1:キーワード選定
まず、どのようなキーワードで検索エンジンの上位表示を狙うかを選定します。
これはただ単に狙いたいと思うキーワードを挙げるのではありません。次のような手順で、自社サービスの特性やペルソナ、市場の状況を考慮した上で選定します。
キーワード選定の方法
キーワードの選定は以下の手順で行います。
1. ペルソナを設定する
2. キーワード(元素ワード)を抽出する
3. 検索ボリュームを確認
4. キーワードの拡張
5. キーワードの精査
1.ペルソナを設定する
自社サービスのターゲットを具体的な人物像にした「ペルソナ」を設定します。ペルソナの設定方法は以下の記事を詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
BtoBマーケティングのペルソナ設定で、押さえるべきポイントとは?
サイトリニューアルを成功に導くペルソナ設定とは?BtoBのペルソナ設定のコツと注意点
2.キーワード(元素ワード)を抽出する
設定したペルソナが検索しそうなキーワードのうち、自社サービスに関係するものを抽出します。この、すべての元となるキーワードを私達は「元素ワード」と呼んでいます。一般的にビッグやミドルと言われる規模の単一キーワードです。
3.検索ボリュームを確認
まずは50ワードほどリストアップしながら、Googleキーワードプランナーで月間平均検索ボリュームをチェックしていきます。明らかに検索ボリュームが少なすぎるワードはここで除外し、整理していきます。
4.キーワードの拡張
次に、集めた元素ワードをもとにキーワードの量を拡張していきましょう。
検索エンジンで情報を検索するときには「Webマーケティング ツール」や「サイトリニューアル 事例」のようにキーワードを組み合わせて検索することが多いと思います。
検索エンジンのサジェスト機能を利用して、元素キーワードとよく組み合わせて検索されるキーワードのセットを収集します。
サジェストキーワードを一括で取得できるツールは、キーワードリストを作成するのに便利です。
■ Googleサジェストキーワード一括DLツール
https://www.gskw.net/
■ goodkeyword
https://goodkeyword.net/
5.キーワードの精査
検索ボリュームのチェック
元素ワードと関連ワードを組み合わせた拡張したキーワードについて、3と同様に検索ボリュームを確認します。検索ボリュームが少なすぎる組み合わせは除外します。
NGワードの除去
また、明らかに自社サービスと関係ないものや、単語が異なる意味で使われているものも除外しておきます。
検索エンジンは、同音異義語の識別ができません。例えば「インバウンド」というキーワードでも以下の2つの意味があります。
・マーケティング手法である「インバウンドマーケティング」という意味
・訪日外国人による経済効果「インバウンド消費」という意味
この作業は目視でのチェックが必要です。元素ワードに同音異義語が含まれることが多いので、元素ワードに注視しながら探していくと効率的です。
このようにして、コンテンツSEOで上位表示を狙うキーワードを絞り込んでいきましょう。
BtoBサイトのキーワード選定のポイント
BtoB商材を扱うサイトでのキーワード選定には、以下のようなポイントがあります。BtoCとの違いに注意してください。
「CVに近いキーワード」と「情報収集キーワード」を分けて考える
キーワードは検索するユーザーの検討段階によって大きく2つに分類されます。
- CVに近いキーワード
- 情報収集キーワード
です。
CVに近いキーワードとは、「◯◯ 比較」「◯◯ 外注」のようにすでにサービスや業者の選定段階にあるユーザーが検索するキーワードです。
一方、情報収集キーワードとは、「Googleアナリティクス 設定」「Web広告 種類」のようにまだ情報収集をしている段階のユーザーが検索するキーワードです。
コンテンツSEOによってどのような層を獲得したいかによって、狙うキーワードをどちらにするかが変わってきます。これから始める場合は、まずは成果につながりやすいCVに近いキーワードから狙うのがおすすめです。
検索ボリュームに惑わされない
一般的にBtoBでは、BtoCと比べて検索キーワードの月間検索回数が少ない傾向にあります。キーワード選定の過程で検索ボリュームを確認しますが、BtoCの基準で検索ボリュームの大小を判断してしまうと、十分有効なキーワードまで除外してしまう可能性があります。
また、検索ボリュームが大きいからといって自社サービスからはずれたキーワードを狙うのは本末転倒です。ロングテールを意識しつつ、BtoBの検索ボリュームが全体的に小さめなことを踏まえた現実的な流入目標を元にキーワードを選んでいきましょう。
ターゲットのニーズを満たすキーワードを発見するためのコツ
ペルソナが検索しそうな元素ワードが思い浮かばない場合、ペルソナに需要がありそうなコンテンツから逆算してキーワードを考えるという方法もあります。つまり、ペルソナがどんなコンテンツを必要としているか、どんなコンテンツがあったらペルソナに喜ばれるかを考え、そこから「そのコンテンツを探すにはどのようなキーワードで検索するか」を考えるということです。
ペルソナのニーズを満たすコンテンツを考えるには、次のような手法があります。
ターゲット属性に近い人にインタビューをする
対象顧客や顧客像に近い人たち数名に、意思決定のプロセスをインタビューしてみます。すると、プロセスの途中でどういうデータや情報が必要となるかが見えてくるでしょう。
営業現場で質問されたことをコンテンツ化する
商談中に質問されることは、ターゲットが明確に知りたがっているニーズが高い情報です。同じことを知りたがっている顧客はほかにもいるはずです。
提供しているソリューションの一部をコンテンツ化する
有料提供しているノウハウやソリューションがあるならば、質の高いコンテンツになるはずですし、市場からニーズがあり検索される可能性も高いでしょう。一部を無料公開することも視野に入れて考えてみましょう。
ステップ2:コンテンツSEOのアウトライン作成
執筆に入る前に、記事のアウトラインを作成します。アウトラインとは、記事のタイトルや概要、どんな内容をどういう順番で配置するかという大まかな流れを表したものです。
アウトラインを作成する方法
アウトラインは全体を俯瞰するためのものです。あまり時間をかけすぎず、大まかなストーリーライン を確認するつもりで作成しましょう。
1. タイトル(仮)
2. 概要
3. 目次
上記の3つを網羅すれば、アウトラインは作成できます。
1.タイトル(仮)
執筆前の段階では、タイトルは仮のもので構いません。想定しているコンテンツに対し、どのようなタイトルなら「読みたいと思ってもらえるか」「必要な情報がここにあると伝わるか」を考えて決めます。
仮ならばつけなくてよいのではないかと思うかもしれませんが、タイトルをつけることで記事の軸が定まります。まずは、タイトルを一度つけてみてください。
2.概要
記事の大まかな内容を「誰に」「何を」「どんな形式で」伝えるのかを決めます。形式には以下のようなタイプがあります。
- 基礎知識系:初心者向けに情報を解説し、理解を促すもの
- ハウツー系:実務で役立つ有効なノウハウを紹介するもの
- 事例系:使用効果や導入事例など、商材を利用した場合の実例を紹介するもの
3.目次
概要を元にどのような内容をどういった順番で書くかを考え、見出しを並べます。目次が決まると、記事全体の流れや構成がより鮮明になります。
ステップ3:コンテンツSEOを意識したライティング
アウトラインができたら、目次の見出しごとに内容を執筆していきます。先頭から順番に執筆しなくても構いません。書きやすいところ、書けるところから書き進めていきましょう。
ライティングの際に気をつけたいこと
ライティングの際は以下のポイントに気をつけると、わかりやすく、SEO効果の高い記事になります。
見出しやタイトルで「ターゲットにとって有益な内容である」ことを伝える
記事の中で目立つタイトルや見出しには、検索キーワードや、ユーザーにとって魅力的なキーワードを入れましょう。
検索キーワードはユーザーの知りたいことです。そのキーワードをタイトルなどに含めることで「知りたいことについて書かれていそうだ」と伝わりやすくなります。
特にタイトルは検索結果に表示されるので、「読んでみたい」「自分にとってメリットがありそうだ」と思ってもらえるような内容にすることが大切です。
キーワードを詰め込みすぎて不自然な表現にならないようにする
コンテンツSEO用の記事なので、狙うキーワードを記事内に入れることはもちろん大切です。しかし、キーワードを入れることを意識しすぎて不自然な文章になってしまっては元も子もありません。
読みづらい記事ではユーザーの支持を得られず、結果として検索エンジンからも評価されません。自然な表現の範囲でキーワードを入れることを意識しましょう。
ページ全体での「読みやすさ」に配慮する
ざっとスクロールしてページ全体を見渡したときの「読みやすさ」を意識しながら執筆しましょう。読みづらい記事は途中で離脱されやすく、そもそも読んでもらえない可能性も高まります。
読みやすくわかりやすいコンテンツはユーザーにとって価値の高いコンテンツです。検索エンジンからも高く評価され上位表示されやすくなるので、結果としてSEOにも有利に働きます。
具体的には、以下のようなところをチェックするとよいでしょう。
- 1文の長さや段落ごとの分量(1文章は40~60文字程度、1段落は4〜5行程度までに抑える)
- 冗長な表現を避ける
- 漢字を使いすぎず適宜ひらがなに開く
- 重要な部分を太字やハイライトで目立たせる
最初から完璧に書こうとしない
初稿段階ではまず「書き始める」ということが何よりも大切です。第二稿、第三稿と手直しを進めるうちに、わかりやすい表現や書いておいたほうがよいことが思い浮かぶこともあります。まず書き始めなければ手直しをすることもできません。
一度で完璧な原稿を書き上げようとせず、はじめはざっと書いて後から詳細を詰めていくつもりで書き始めると、すんなり書き始められるでしょう。
コンテンツSEOにおすすめのツール4選
キーワード選定や上位表示されているサイトを分析するためになツールをご紹介します。無料でも利用できるものをピックアップしましたので、参考にしてみてください。
1:Googleキーワードプランナー
キーワード選定や競合サイトの分析に必須の無料ツール「Googleキーワードプランナー」。
Googleキーワードプランナーでは、検索キーワードを選定するだけでなく、競合のURLを入力すると関連性の高いキーワードを取得できます。実際に、広告を出稿していなければ、詳細な検索ボリュームが出ないので注意が必要です。
シンプルな仕様で、検索ボリュームを手軽に調査できるので、ぜひ活用してみましょう。
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
2:Ubersuggest
調べたいキーワードに関連するサジェストワードを抽出できる無料ツール「Ubersuggest」。
サジェストワードの検索ボリュームや、検索結果上位表示の難易度、競合サイトの分析や調査ができます。Googleキーワードプランナーで詳細表示されなかった検索ボリュームを見れるのがポイントです。
さらに、Ubersuggestには内部施策状況を表示してくれる「サイト監査」という機能があります。HTMLタグ関連や、リンク、リダイレクト状況を確認できるので、自社サイトの内部調査に活用してみてはいかがでしょうか。
https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/
3:ラッコキーワード
検索キーワードに関連するQ&Aサイトの質問も一括表示できる「ラッコキーワード」。
五十音順、アルファベット順にサジェストキーワードが表示され、csvでエクスポートも可能です。サジェストキーワードのGoogle検索結果へワンクリックで移動可能なので、調査もはかどります。
話題の記事や、Googleトレンドの検索結果も一括表示が可能。ラッコキーワードを活用すればスムーズにユーザーニーズを把握できるでしょう。
4:ラッコツールズ「見出し抽出」
検索キーワードのhタグを一括で抽出できる「ラッコツールズ」。
競合サイトの見出しのを把握することで、記事の構造やどんな内容に言及しているのかを把握できる便利なツールです。自社のコンテンツ制作の際の、参考にすると良いでしょう。
抽出したデータをCSVとしてダウンロードすると「ディスクリプション」も抽出されます。競合の記事が何を重視したSEO対策を施しているのか分析するのに役立つでしょう。
重要なのはユーザーのニーズを満たすコンテンツを作ること
キーワードの選定→アウトライン作成→ライティングという、コンテンツSEO用の記事を作るための一連の流れを解説しました。このように記事を作成し、蓄積していくことで、ユーザーにとって有益なサイトになり、検索エンジンからの評価も高まっていきます。
SEOというと狙ったキーワードで上位表示することに目が行きがちですが、コンテンツSEOの本質はユーザーのニーズを満たす良質なコンテンツを蓄積していくことです。キーワードを意識した記事づくりを意識しつつも、「ユーザーの検索ニーズを満たす」という記事の役割を忘れないようにしましょう。