
「PVは増えたのに受注ゼロ」を解決|BtoBコンテンツマーケの効果測定で見るべき3つの指標
この記事は株式会社ベーシック、ferretソリューションお役立ち記事の転載記事です。
「コンテンツが売上にどう貢献しているか、経営層にロジカルに説明できていますか?」
PVや資料ダウンロード(DL)数といった表面的な指標だけでは、BtoB特有の複雑な投資対効果(ROI)を証明するのは困難です。特にエンタープライズ開拓においては、獲得後の「リードナーチャリング」や「インサイドセールス連携」の成否こそが商談化の鍵を握ります。コンテンツ制作はあくまで「手段」です。最終的なKGI(売上・商談)から逆算すれば、制作後の運用とナーチャリング設計こそがコンテンツマーケティングの本番と言えます。
このまま「なんとなく」の運用を続ければ、マーケティングは社内で単なる「コスト」と見なされ、予算確保すら危うくなりかねません。
本記事では、6,650社以上の支援実績を持つferretソリューションの知見に基づき、売上直結のKPI設計とMA/SFAツールを活用した成果の可視化プロセスを解説します。場当たり的な施策を脱し、再現性のある「勝ちパターン」を構築するための手引きとしてご活用ください。
この記事の要点
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成果が出ないBtoBコンテンツマーケティング、3つの失敗要因
BtoB企業の多くが、効果測定で「本質的ではない指標」を追いかける罠に陥っています。売上貢献を証明するには、まず次の3つの失敗を避けることが重要です。
1. 実行指標をKPIにしてしまう
PV数や資料ダウンロード数といった指標は、施策の「実行状況」を示すに過ぎません。
10万PVを達成しても、問い合わせにつながらなければ事業成長には貢献しないのです。
実行指標の達成自体が目的化すると、社内で「リソースを浪費しているコスト部門」と見なされ、予算の維持が難しくなります。
2. 戦略不足で「計測すべき指標」が定まらない
「誰に・何を伝え・どう動かすか」という初期戦略が曖昧なままでは、正しい測定はできません。カスタマージャーニーが設計されていないと、「どのコンテンツが商談につながったか」という重要な問いに答えられなくなります。
結果として、MQL(Marketing Qualified Lead)の定義が定まらず、営業に引き渡すリードの判断基準が担当者ごとにバラバラになってしまいます。
3.営業・経営層との「共通言語」がない
(経営陣は財務指標で判断しているため、マーケ側はPV・CV数などで報告してもそれだけでROI説明としては足りなくなってしまう)
マーケティング側が「PV・DL数」で報告しても、経営層や営業が求めているのは「商談数・受注数・LTV」といった財務指標です。現場と上層部で追うべき数字がズレていると、投資対効果を説明できません。
施策の価値が正しく伝わらなければ、マーケティング予算の拡大や組織強化への合意は得られなくなります。
事業貢献に直結するKGI/KPI設定フレームワーク
「実行指標」の追求から脱却し、事業成長に直結するKPIを設計するためのフレームワークを解説します。
1. KGIの再定義:マーケティングを「投資」に変えるLTV視点
すべての施策は、KGI(売上・利益・LTV)から逆算して設計されるべきです。 特にBtoBでは商材単価が高く、検討期間も長いため、LTV(顧客生涯価値)を基点に置くことが重要です。LTVを共通言語に据えることで、マーケティング活動を「消費されるコスト」ではなく、「将来の収益を生む投資」として社内に認識させることが可能になります。
2. KGI/KPIの逆算ロジック(シミュレーション例)
「年間売上1.2億円」を目標とする場合、以下のように各フェーズの数値を分解し、構造化します。
KGI(最終目標):年間売上 1億2,000万円
受注目標:年間60件(LTV200万円と仮定)
有効商談数(SQL):月間20件(案件化率50% / 受注率25%と仮定)
リード獲得目標(MQL):月間200件(商談化率10%と仮定)
3. ロジックを明確にするメリット
このように数値を連鎖させることで、以下の2点が明確になります。
許容CPAの算出: リード1件の獲得にかけられるコストの上限がロジカルに決まる。
投資の妥当性: どのフェーズ(歩留まり)を改善すれば最もインパクトが出るか、経営層に根拠を持って説明できる。
【ファネル別】コンテンツが追うべき3つの重要指標
コンテンツの成果を正しく評価するには、購買ファネル全体を網羅する3つのKPIが必要です。
1. MQLの質(リードの成熟度)
定義: 獲得したリードが「商談化の可能性が高い状態」にあるか。
測定方法: MAツールのスコアリング機能を活用。導入事例の閲覧や料金表のダウンロードといった「キラーコンテンツ」への接触を基準に、商談への熱量を可視化します。
2. 商談化率(MQLからSQLへの転換)
定義: コンテンツ経由のリードが、営業へ引き渡された後に商談(SQL)へ発展した割合。
測定方法: MAとSFA(Salesforce等)を連携し、商談化率をトラッキング。この数値が低いコンテンツは、「ダウンロード数は稼げても、商談には繋がらない」と判断し、施策を修正する根拠になります。
3. LTV(顧客生涯価値)
定義: 特定のコンテンツが、最終的な受注単価や継続期間にどれだけ寄与したか。
測定方法: SFA/CRM内の受注データと接触履歴を紐づけます。高単価・長期間契約に繋がっている「真に事業貢献度の高いコンテンツ」を特定し、投資の優先順位を決定します。
💡 ポイント: ferretソリューションでは、組織のマーケティング成熟度(STEP)に応じて、追うべき指標の優先順位を最適化することを推奨しています。
BtoBマーケティングでは、組織の成熟度によって追うべき指標が異なります。フェーズを無視して高度な指標だけを追い求めると、現場の混乱を招きかねません。
以下の表を参考に、貴社がいま注力すべき
を特定してください。
成長ステップ | 状態のゴール(目標) | 最優先で追うべき指標 |
STEP1: 土台作り | 顧客起点のサイト構築とPDCAができている | サイト訪問数、CV数 |
STEP2: 獲得最大化 | リード獲得の勝ちパターンが見えている | リード獲得数、CVR |
STEP3: 育成最大化 | リスト育成から商談獲得のPDCAができている | MQL獲得数、商談化率 |
STEP4: 営業連携 | スコアリングや顧客管理基盤が構築されている状態 | 受注数、LTV、ROI |
施策の初期段階(STEP 1〜2)では、まず「バケツの穴を塞ぎ、CV数を最大化する」ことが鉄則です。
具体的には、受け皿となるサービス資料やホワイトペーパー(WP)をサイト内に整備し、アクセス数とCVR(コンバージョン率)の向上を最優先で追いかけます。
この土台が整った段階で、KPIを「リードの量」から「リードの質」へとシフトさせます。MQLの充足度や商談化率へと指標を移行させ、獲得したリードを効率的に商談へ繋げる「育成(STEP 3)」のフェーズへと進むのが、BtoBマーケティングにおける王道のプロセスです。

【稟議・社内説得】コンテンツ投資のROIを証明する
BtoBマーケティング担当者の最重要ミッションの一つは、コンテンツ投資の費用対効果(ROI)を明確に言語化し、経営層から継続的な予算を勝ち取ることです。
単なる「情報発信のコスト」ではなく、「将来の商談を安定的に生み出す資産」であることを、LTVや商談化率に基づいた数値で語る必要があります。現場レベルの実行指標(PV等)ではなく、経営視点の「商談・売上への寄与度」を提示することで、マーケティング活動は初めて社内で正当に評価されます。
経営層を納得させるROI試算のフレームワーク
以下の4つの指標を順に算出することで、コンテンツ1件にかけられるコストの妥当性を導き出せます。
項目 | 計算式 | 目的 |
LTV(顧客生涯価値) | 購買単価 × 購買頻度 × 継続期間 × 利益率 | 1顧客が生み出す収益の上限を設定 |
許容CAC(獲得コスト) | LTV ÷ 3 (ユニットエコノミクス) | 収益とコストの健全なバランスを定義 |
目標CPA(リード単価) | 許容CAC × 受注率(リード→受注) | コンテンツにかけられる単価の上限を特定 |
コンテンツROI | (LTV × 受注数)÷ 制作・集客費用 | 投資に対する最終的なリターンを算出 |
BtoBマーケティングにおける平均的な投資対効果と期間の目安について
6,650社以上のBtoB支援実績から導き出された、コンテンツ施策における「現実的な成果の目安」を整理しました。
マネージャークラスが経営層へ「いつ、どれほどの成果が出るのか」を正しく報告するための、ロジカルな判断材料としてご活用ください。
BtoBコンテンツマーケティング:成果の目安と投資基準
1. 成果が出るまでの「期間」の目安
BtoBマーケティングにおいて、コンテンツ施策が本格的に機能し始めるまでには6か月〜12か月の期間を要する傾向があります。
短期施策(広告): リスティング広告などで即効性のあるリード獲得を狙う。
中長期施策(SEO): 記事コンテンツなどは「中長期的な資産」と位置づけ、腰を据えた投資を行う。
戦略的な社内説明: 「数か月で結果が出ないのは計画通りであり、将来の売上貢献に向けた土台を築いている」と初期戦略に基づき提示することが、社内の信頼維持に繋がります。
2. 成果を分ける「目標設計」のインパクト
目標設計(KGI/KPIの逆算ロジック)を明確にしている企業とそうでない企業では、成果に圧倒的な差が生まれます。
CV数の差: 目標が明確な企業は、月間CV数において2.1倍の差をつけています。
成長ステップ: 最初はサイト訪問数やCV数(STEP 1〜2)を追い、最終的には受注数やLTV(STEP 4)へとKPIをシフトさせていくことが重要です。
3. 成果を出すための「最低限のコンテンツ量」
6,650社のデータから導き出された、成果の「分岐点」となるボリュームは以下の通りです。
成果を出すためのBtoBコンテンツ本数
SEO記事:最低60本以上
導入事例:最低12本以上
ホワイトペーパー:最低3本以上
まずは「勝てる領域」で導入事例(12本)を揃え、商談化率の底上げを図ります。並行してSEO記事を蓄積することで、中長期的なリード獲得単価(CPA)を低減することで、LTVを基点とした健全なユニットエコノミクスの実現を目指します。
【まとめ】PV・DL数に縛られるほど、コンテンツマーケティングは「コスト」になる
本記事では、PVやDL数といった表面的な「実行指標」ではなく、MQLの質・商談化率・LTVといった事業貢献に直結するKPIを設定し、成果を最大化する手順を解説しました。
コンテンツマーケティングが停滞する根本原因は、初期戦略の曖昧さにあります。戦略が不透明なままでは「計測すべき真の指標」を見失い、リソース不足の常態化や社内合意の欠如といった負のサイクルから抜け出せません。
このサイクルを断ち切り、事業成長を牽引するマーケティング基盤を構築するには、6,650社以上のBtoB支援実績から体系化されたノウハウに基づき、「戦略の土台」を再構築することが不可欠です。
貴社のマーケティングを「仕組み化」するために 「初期戦略の構築」「リソース不足を補うプロ人材の活用」「既存SFA/MAツールの最適化」など、現在のフェーズに応じた課題解決が必要です。
貴社の事業成長を加速させる具体的な戦略設計について、まずはferretソリューションの専門家にご相談ください。













