リードの質を上げるプロセス|バナー広告で顧客ニーズを探る!「広告100本ノックテスト」
広告運用を行うなかで、「獲得するリードの質を上げたいけれども、何を行っていいかわからない」というマーケ担当の方もいらっしゃると思います。
獲得するリードの質を上げるための手段の1つとして、広告コピーの見直しがあります。
今回は、広告経由で獲得するリードの質向上のために、ferret Oneが行ったコピーの改善施策についてお伝えします。
■あわせて読みたい資料:広告の成果を上げたいなら、バナーと合わせて見直そう
→広告運用の重要なカギ!?ランディングページ改善ガイド
リードの質向上のために、広告コピーの改善に取り組んだ背景
「ferret One」の広告チームでは当時、広告経由で一定のCVはあるものの、受注につながっていないという課題がありました。
前提として、広告経由での受注が増えない理由には大きく2つが考えられます。
- 獲得するリードの属性が、自社サービスのターゲットとずれている
- リードは獲得できているが、インサイドセールス/フィールドセールスがうまくアポ獲得や商談を進められず、受注につなげられていない
2つのパターンのうち、今回ferret Oneでは、前者の理由を解決する方法の1つとして、広告コピーのテストでユーザーに響くニーズを探ることにしました。
取り組み過程
①ターゲットを整理
広告コピーの改善に取り組むにあたり、まず改めてターゲットについて情報の整理を行いました。過去に受注しているお客様のうち、Web広告経由で受注しているお客様の傾向の分析を進めたのです。
Web広告経由で受注しているお客様の解像度を上げたところ、チャネルによって、受注につながるお客さまの属性が異なることがわかりました。それにより、「Web広告に特化したターゲット」を設定することで、受注率が上がるという仮説が生まれたのです。
②過去受注企業の事例記事や基本情報から、ターゲット像を明確にする
「Web広告経由で受注した企業」のターゲット像を明確にするために、その条件に該当する企業の
- 事例記事
- データベースに蓄積されていた情報
の2つを改めて見直しました。
1. 事例記事
ferret Oneではこれまで、30社以上の導入事例記事を公開しています。
広告チームでは、お客さまの声を抽出して、ターゲットが抱えている課題をより具体化するために、事例記事の読み直しを実施しました。
過去に公開した記事の内容をもとに、お客さまがferret One導入時に抱えていた課題の確認を行ったのです。定量データだけではわからない顧客の声をもとに理解を深めたことで、今後Web広告で狙っていくターゲットの課題理解につながりました。
2. データベースに蓄積されていた情報
弊社ではSalesforceにお客さまの属性情報を蓄積しています。マーケ施策での活用のため、企業規模などの属性情報に加え、
・マーケティング予算
・導入時に抱えていた課題
など、セールスチームで取得した情報も一覧で確認できるようにしています。
今回の施策では、事例記事を読み込んだうえで属性情報をSalesforceで参照し、定性・定量の両面からターゲットの理解を深めました。
③Web広告で狙うペルソナを定義
ここまでの過程でのターゲット理解に基づき、改めてWeb広告で狙うべきペルソナを定義しました。
- 事業課題
- 事業課題(詳細)
- 企業規模
- 主な職種
- 役職
- 実現したいこと
- 組織課題
という7つの項目でペルソナ像を整理し、3種類のペルソナを定めました。
ペルソナの項目のうち、特に「組織課題」を広告コピーの「切り口」として利用しました。
④「100本ノック」でコピー案を出し切り、最適な広告コピーを選定する
次に実施したのが、ペルソナ情報に基づいた広告コピーの検討です。あらゆる角度からコピーを検討するために、「広告100本ノック」を行いました。
「広告100本ノック」とは、100本を目安にコピー案を出し、その中からペルソナに刺さるコピーを選定する取り組みです。名称は野球のノックにちなんでおり、「数を決めて広告コピーを出し切ろう」という意味で名付けました。「想定しうるあらゆるコピーを出し、最良の広告コピーを見つけること」を目標に、チームで施策に着手したのです。
整理したペルソナをふまえ、1人10本ずつコピー案をを持ち寄り、会議で絞り込むことにしました。
(コピー候補を並べたシート)
会議では、各自で考えてきたコピー案をチームメンバーで見ながら議論し、「より刺さりそうだ」と判断したものに色をつけながら選定していきました。
⑤選定したコピーで広告を配信し、効果を検証
選定したコピーをもとにバナーを作成し、広告の配信を開始しました。掲載開始から1ヶ月半を検証期間とし、各バナーの「クリック率/CV数」、「CVした人が狙っていたペルソナと一致しているかどうか」を確認しました。
以下は、実際にferret One ※ で実施した広告100本ノックのバナー別評価です。
(2020年実施)
※ferret Oneとは:弊社で提供しているオールインワン型BtoBマーケティングツールです。非エンジニアでもノーコードで簡単にページ編集できる「CMSツール」と、「BtoBマーケティングのノウハウ」をセットで提供しています。
今回は、検証したバナー20本のなかでも、「高い成果の出たバナー」と「思ったような効果を得られなかったバナー」をピックアップして解説します!
<高い成果が出たバナー>
①「社員の代わりに営業してくれるサイトが年間300万円〜」
反応と見解:
「社員の代わりに営業してくれるサイトが年間300万円〜」というコピーでは、ペルソナ通りのお客様からのお問い合わせが生まれました。具体的な金額を載せたことで、すでに社内で施策の予算を確保している担当者に反応していただけたと考えています。
<思ったような効果を得られなかったバナー>
①「サイトリニューアルするだけでは問い合わせは増えません。」
反応と見解:
「〜〜するだけでは、○○は増えません。」というような、読者に気づきを与えるコピーも試してみました。
しかし、煽りが強い文言は、思うようにCVに繋がらないことがわかりました。
②「年間300万円の投資で営業効率が劇的にUP!」
反応と見解:
ferret OneはWebマーケティングの支援サービスですが、「営業の効率化」を目的として導入される企業様もいらっしゃいます。そこで、営業寄りの広告コピーもいくつか検証しました。しかし、クリック率はよかったものの、CV数は振るわず......。
営業効率とサービスのつながりがわかりにくい点が敗因だったのではと予想しています。
③『これからの「サイト制作」はアップデート型』
反応と見解:
「これからのサイト制作はアップデート型」というコピーでは、トレンド感やキャッチーさを意識しました。しかし、想定外にクリック率が伸び悩む結果に……。顧客にとってはイメージしづらい表現だったのではと考えています。
上記のように、「この広告コピーが予想以上に刺さった」「意外とこの広告コピーは刺さらなかった」など、見込み顧客のリアルな反応が分かりました。そして、それ以降の広告訴求検討に活かせるデータも多く集めることができました。
よりよいリード獲得のためには、「ペルソナの理解」と「コピーの徹底した検討と検証」が重要
以上、ferret Oneが広告経由でのリードの質の改善のために取り組んだ「広告100本ノック」についてお伝えしました。
よりよいリードの獲得のためには、ペルソナを正しく捉え、コピーを考え切り、検証することの繰り返しが重要だと考えています。ferret Oneチーム自身、今後もこの施策を通じて、広告経由で獲得するリードの質向上に取り組んでいく予定です。
広告コピー改善に取り組みたい方は、ぜひ弊社の施策を参考に取り組んでみてください。
【関連資料】
BtoB向け!リスティング広告からリード獲得を増やす、改善の糸口
弊社の提供する『ferret One』では、Webサイトをノーコードで誰でもスピーディに更新できるCMSツールと「BtoBマーケティングのノウハウ」を合わせて提供しています。
広告でよい反応を得たコピーを、サイトにスピーディに反映することを希望されている方は、ぜひ無料の資料をダウンロードしてみてください。