「記事広告、やるべきですか?」 迷ったら読みたい、効果的なケースとQ&A
メディアで情報収集をしていると一度は目にしたことがあるであろう記事広告。「記事と一緒に並んでいてたくさん見てもらえそうだけど、うちもやるべきだろうか?」と気になっている方も多いでしょう。
この記事では、特徴やメリットから記事制作のポイント、「いくらくらいかかるの?」というよくある疑問まで、記事広告に関するあらゆる「知りたい」にお答えします。
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目次[非表示]
記事広告とは何か
記事広告とは、Webメディアや雑誌新聞などの媒体において、通常の記事と同様の体裁で掲載される広告のことです。「記事広」と略される場合や「タイアップ広告」と呼ばれる場合もあります。
【広告】や【PR】【Sponsored】などの広告であることがわかる表記がされており、体裁は記事同様でも通常の記事とは区別がつくようになっています。
記事広告の実例
記事広告がどのようなものか、実際の例を見ていただきましょう。
以下は、ferret Oneの開発元である株式会社ベーシックが運営するWebメディア「ferret」に掲載された記事広告です。
他の記事と同じ体裁になっていますが、タイトルの下に「Sponsored」という表記が入っているのがおわかりいただけるでしょう。
記事の内容は、ノウハウ・ナレッジ系記事のように「こんなことに困っていませんか?」「こんな課題を抱えている人も多いでしょう」という課題の提示から始まっています。そして、課題の解決手段として広告対象のサービスを利用したソリューションを提示するという構成です。
記事広告のメリット
記事広告には以下のような特有のメリットがあります。
「理解をともなった認知」を得ることができる
記事広告は広告であると同時に読み物でもあります。サービスの内容や強みの紹介をからめた読み物をじっくり読んでもらうことで、ただの認知ではなく「深い理解をともなった認知」を得ることができます。
ユーザー側に媒体で育んだ前提知識がある
メディアにはそれぞれ読者層があります。たとえばferretの読者ならば企業の経営者やマーケティング担当者が多いので、ある程度マーケティングの知識を持っていると推測できます。
このように読者がどの程度前提知識を持っているか推測できるので、読者の知識レベルに合った広告を展開することができます。さらに、継続的な記事閲読によって各テーマに対してどのような前提知識やコンテクストを持っているかを編集部サイドで推測できるので、その前提知識をフックにした切り口で広告のアプローチが可能です。
コミュニケーションスピードが早い
メディアを訪れる読者はすでに記事を読むモードになっています。「広告に目を止めてもらう→情報収集モードになってもらう」という工程を省くことができるので、コミュニケーションスピードが早まります。
記事広告単体で文脈が完結する
一般的な広告キャンペーンは、例えばCM1本という単体で文脈を作るのではなく、いくつかの広告のメディアミックスやUGC(ユーザー生成コンテンツ)を複数組み合わせて大きな文脈を生み出します。
一方、記事広告は、一本の記事の中で自由に文脈を作って完結させることができるので、単体で態度変容にまで持っていくことができます。
- 前段で商材・サービス登場前に、いくつかのベネフィットの共感に振り切り
- ユーザーが受容する気分を充分に作ってから商品を登場させ
- 前段で作っておいたベネフィット全てが1つのサービスで手に入る
という流れが、1本の記事広告の中で完結できます。
一般的な広告が数秒~15秒の単位でコミュニケーションを行う必要があるのに対して、数分間かけてじっくり記事を読ませられるのが記事広告の特長です。
記事広告について、よくある疑問
記事広告の特徴やメリットについてよくわかったところで、浮かんでくるであろうよくある疑問にお答えします。
Q.ステルスマーケティング(ステマ)とは何が違うのですか?
ステルスマーケティングは広告だとわからないように、気付かせないようにして宣伝を行うのに対して、記事広告は広告であることを明記しているのが一番大きな違いです。
Q.費用はどのくらいかかりますか?
媒体によって大きく異なります。記事広告を掲載したい媒体の広告出稿ページを確認しましょう。参考までに、マーケティング業界の平均は1記事あたり100万円程度です。
一般的に規模の大きい媒体ほど価格は高くなりますが、その分PVも増えます。出稿先を検討する際は、単純な価格だけではなく1PVあたりのコストも計算してみるとよいでしょう。
ちなみにferretの場合は、1記事あたりの費用が80万円で想定PVが3,000なので、1PV=266円となります。
> ferretの記事広告掲載について詳しく知りたい方はこちら
Q.掲載する媒体はどのように選べばよいですか?
大は小を兼ねるといいますが、大きな媒体は小さな媒体を包含しているので、媒体の規模は大きいに越したことはありません。ある程度大きなメディアで記事広告を継続的に展開すると、読者が常にリフレッシュしていくのでリーチも広がります。
ただし、規模が大きければそれでよいわけではなく、「読者層が自社のターゲットと合致しているか」「読者の情報感度は高いか」も重要な検討要素です。
Q.記事の企画や内容はどのように決めるのですか?
掲載したい媒体に広告出稿を申し込み、打ち合わせを重ねながら内容を作っていきます。広告の意図や目的を事前に固めておき、しっかり伝えるのが大切です。
企画は媒体側の担当者から提案がある場合もありますし、やりたい企画があれば依頼することもあります。
こんな場合、記事広告は向いていない
記事広告には苦手なシチュエーションもあります。以下のような目的がある場合は、記事広告ではなく別の手段を考えたほうがよいでしょう。
とにかく認知を拡大したい
記事広告はリーチ効率がそれほどよいわけではありません。「なるべく多くの人に社名を知ってもらう」など、深い理解がともなうかどうかよりも認知の拡大を第一目的にする場合には向いていません。この場合はCMやバナー広告のほうが向いているでしょう。
顕在層を効率的に刈り取りたい
記事広告は、広告対象と接点がなく課題に気付いていない潜在顧客に、記事を読むことを通じて課題に気付いて「自分ゴト化」してもらう=「ニーズを顕在化させる」のに向いています。
つまり、既にニーズが顕在化している顕在層を効率的に刈り取りたいならば、他にもっと効率的な方法があるはずです。この場合はリスティング広告やリターゲティング広告などのほうが向いているでしょう。
記事広告の種類
メディアの記事にさまざまな種類があるように、記事広告の中身にも色々あります。サービス内容や目的によって使い分けましょう。
BtoBでよく使われる記事広告例:
- インタビュー(自社内、ユーザー)
- サービスの使用レポート
- サービスの利点や魅力を解説する紹介記事
- 求人広告(企業の魅力やノウハウ、考え方を記事化し、賛同する仲間を募る)
- 診断系(複数サービスを展開している場合、ケース別におすすめサービスを提示する)
ferret式、記事広告のノウハウ
実際に記事広告の制作を担当しているferretの担当者に、ferretの記事広告の特徴と記事広告を制作する際に気をつけていることを聞いてきました。
お答えするのはこの人!
神保 康介(じんぼこうすけ)
株式会社ベーシック ferret編集部 ディレクター/ライター
大手広告代理店でのアカウントプランナーを経て、メガベンチャーの女性メディアにて、ナショナルクライアントを中心に120本のタイアップ広告制作を経験。「広告のコピーライティング発想」と「編集目線」の掛け合わせにより、平均の反響数を5倍にするライティングメソッドを開発。
新規製品の「翻訳」と既存製品の「捉え直し」
ferretの記事広告の特徴は、新規製品の「翻訳」と既存製品の「捉え直し」を提案していることです。
■翻訳
新商品を記事広告で紹介する場合、商品概要をそのまま文章にしても伝わりません。気づきを与えるレトリックが必要です。商品の特性や強みを一度噛み砕いて分析し、その魅力やユーザーにとってのメリット、どんな独自のポジションをとりうるかまでが伝わる文章を作っていく作業を、我々は「翻訳」と呼んでいます。
■捉え直し
既存製品を紹介する場合は、既に皆が知っている製品ですから、これまでと同じ伝え方をしても「ああ、知ってる」と思われてしまいます。これまでにない新たな面を見せることでブランドの鮮度が上がり、「名前は知っていたけど、そういうことなら使ってみようか」と思ってもらえるのです。
既存製品の捉え方の新たな切り口を見つけて価値の転換を図る作業を、我々は「捉え直し」と呼んでいます。
広告はただの説明になってはいけない
「翻訳」や「捉え直し」を行わずに記事広告を制作すると、広告ではなく説明になってしまいます。ferretの記事広告ではただ説明するだけではなく、製品やサービスの捉え方を変え、新たなスタイルを提案することを心がけています。
記事広告掲載後はしっかり効果測定を
記事広告は記事でもありますがあくまで広告なので、掲載した後は他の広告と同様に効果測定を行います。測定の指標とポイントは以下の通りです。
成果指標と適切な効果の目安
- PV → 目安は媒体により異なります。各媒体の平均PVを確認してください
- 遷移率 → 目安は1~3%
- 読了率 → 30%くらいが普通。50%いけば上々、80%いったら大成功です
CTAの置き方
ferretの記事広告では、通常1つの商品を3通りくらいの切り口で翻訳します。そして、切り口ごとにCTAを用意し、どの提案が読者に刺さったのかをCTRで測定しています。
<記事構成の例>
どのCTAが多くクリックされているかを見ると、どの切り口の訴求力が高かったか分かります。
「CTAが多いと読了率が下がるのでは?」と心配されることもあるのですが、データを取ってみると実はそんなことはなく、読了率は逆によい傾向にあります。つまり、クリックする人は記事内容にも興味を持っていて最後まで読み進めてくれているのです。「クリック=かなり前向きなアクション」であると言えます。
数値のよかったCTAの切り口を広げて、2回目の記事広告を展開したりもします。
思うように成果が出なかったら?
記事広告を掲載しても、思うような成果が出ない場合もあります。どの成果指標に問題があったかのケースごとに推測される原因と対策を紹介します。
■PV
よほどの事がない限りそのメディアの平均程度のPVは出るはずです。どうしても上手くいかないようならば、タイトルをより興味を引きやすいものに差し替えることを検討しましょう。
■遷移率
遷移率がよくないとまずCTAの部分に手を入れたくなりますが、CTAをいくら改善しても本文の内容に問題があっては遷移率は上がりません。ターゲットに刺さる切り口になっていたかを先に確認しましょう。
タイトルと違って本文を丸ごと差し替えるわけにはいかないので、どこがよくなかったのかを分析し、次に活かします。
■読了率
ターゲットの興味に合った内容になっているかを確認するのはもちろんですが、そもそも読者の興味や集中力が続く時間内に読み切れる分量になっているかどうかも重要な要因です。長すぎる記事は途中で飽きられてしまうか、ざっと眺めて読む気をなくされてしまうので読了率が下がります。
スマホ主体のライフスタイルメディアの平均読了時間は60〜90秒、ferretのようなビジネスメディアは3〜4分です。この時間内で読める記事ならば最後まで読んでもらえると考えてよいでしょう。
人間が1分間に読むことができる文字は約400文字といわれています。ビジネスメディアならば2000文字以内、長くても3000文字以内に収めるのが理想です。
得意不得意を見極めて出稿判断を
通常の記事と同様の体裁でメディアに掲載される記事広告について、概要やメリットから記事制作のポイントまで要点をおさえながら幅広くご紹介しました。
記事広告は、メディアに情報収集をしに来ている読者にアプローチできる効果的な広告手法です。ただし、広告の目的によっては相性の悪いケースもあります。
「うちの会社は記事広告を出したほうがよいのだろうか?」と迷ったら、この記事が判断材料になれば幸いです。
最後に弊社サービスのご紹介です。
ferretは、BtoBに特化したマーケティング支援を行います。自社で運用できるようになる運用支援はもちろん、人材が不足している場合は運用代行も承っております。ぜひ資料をご覧ください。
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