ウェビナー(オンラインセミナー)を開催するなら? ferret Oneの取り組みを大公開
ferret Oneでは、「BtoBマーケティング」についての無料セミナーを定期的に開催しています。
弊社(株式会社ベーシック)のイベントスペースにて、下記のような集合型セミナーで行うのが通常パターンです。
(株式会社ベーシック イベントスペース)
最近では、遠方にお住まいの方や、どうしても時間の都合がつかない方から「参加したい」という声をいただくようになり、2019年12月からはウェビナー※(オンラインセミナー)を並行して開催するようになりました。
また、新型コロナウイルスの広がりを受けて、2020年3月からは全てのセミナーをウェビナー形式での開催を行なっています。
このタイミングで、新たにウェビナーの実施を検討される担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、ferret Oneでこれまで取り組んできた「ウェビナーを開催する上でのポイント」をお伝えします。少しでも、皆様のお役に立てば幸いです。
※ウェビナーとは
ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた造語です。インターネット上で実施するセミナーや講演会・講義、研修のことを意味します。
お答えするのはこの人たち!
河村 和紀(かわむら かずき)
株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 マーケティングマネージャー
新卒で入った外資系人材紹介会社から、創業期の株式会社ベーシックに転職。サイト運用・商品企画・新規事業立ち上げなどに幅広く携わるなか、イチから手掛けたイベントが、累計来場者数70,000人を超える日本最大級の規模に成長。社長のムチャ振りで担当することになったBtoBセミナーは、今や開催250回以上を数え、気が付けば月に何度も登壇する日々を送っている。
Twitterのアカウントは@Kawamura_KZK
野口 知佐(のぐち ちさ)
株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 イベントグループ
2016年に株式会社ベーシックに入社。ferret Oneのインサイドセールス、フィールドセールスを経験後、マーケティング部へ。現在は展示会やセミナーなどのオフラインマーケティングを中心に担当。
Twitterのアカウントは @amakokeshi
Q.ferret Oneがウェビナー開催に使っている配信ツールと、その選定理由は何ですか?
ferret Oneでは「コクリポ」という配信ツールを使っています。
カスタマーサクセスチームでも、既存顧客向けウェビナーを開催する際に使っており、次の点でメリットを感じています。
1.参加者がログインしやすい
ログイン方法が複雑だったり、アプリインストールが必要だったりすると、途端に「ウェビナーに申し込むまでの敷居」が上がってしまいます。
その結果「お申込みが増えない」「ログイン方法に関するお問い合わせが増え、対応が煩雑になる」といった、いわゆる「ウェビナーの壁」にぶつかります。見込み顧客となる方のネットリテラシーがよほど高くない限り、まずはログインのしやすさで選定することをおすすめします。
コクリポは「名前」「メールアドレス」さえあれば、個別ログインが可能なので、アプリのインストールは不要です。
2.参加者へのリマインドメール機能がある
指定された会場に向かうセミナーと違い、ウェビナーは場所を移動する必要がありません。気軽な気持ちでお申込みができる一方で、不参加の割合も多くなりがちです。予定を忘れられないようにしたり、モチベーションを保ってもらったりする工夫が必要となります。
コクリポには、自動でリマインドメールが送られる機能があるので便利です。
3.参加者管理がツール内で完結する
コクリポでは、ツール内で参加者情報が管理できることに加え、当日の参加状況もツール上でわかります。申し込みをされた方が「参加したか」「いつ入室・退出したか」がリアルタイムで見られるので、プレッシャーもありますね。(笑)
また、これらの情報をCSVファイル形式で抽出することが出来るので、ウェビナーが終わった後に参加状況などが分析がしやすい点でも、助かっています。
4.チャット機能がある
参加者の方との距離感を縮めるために、チャット機能があることも魅力。リアルタイムで話している感覚になり、距離感が近くなります。
チャットの利用を活性化させるために、ウェビナーの最初に参加者の皆さんに「僕の声が聞こえますか? 聞こえていればチャットに『聞こえている』と書いてください」とお伝えしています。これにより、参加者の通信状況を確認すると共に、まず「チャットを使う」という行為に慣れていただくことができます。
ウェビナー中は、チャット機能で随時質問を受けつけています。ただし、その場ですべてお答えすると話が脱線してしまうこともあり、時間もかかってしまうので、基本的には質問はウェビナーの後半にまとめて答える形式を取っています。
5. ウェビナー完了画面で任意のWebページが表示できる
デフォルトのWebアンケート以外に、自分たちで指定したWebページを完了画面に表示できるカスタマイズ性も魅力です。弊社では、自社のフォーム作成ツール「formrun」で作ったWebアンケートのページに飛ばしています。
Q.ウェビナー開催の準備は、どんなことをしていますか?
開催の2カ月前に、テーマ決めをします。テーマが決まったら、情報収集と資料作り。これが開催の1ヵ月前になります。ウェビナーの時間は40分で、スライドは40~50枚を目安に準備しています。
3週間ほど前から、FacebookをはじめとしたSNSやメール等で外部告知し、募集開始。3日前、2日前、3時間前には、コクリポから自動でリマインドメールをお送りしています。
Q.ウェビナーに向いている、開催テーマの決め方はありますか?
ウェビナーに特化した内容を新しく作る前に、まずはいつも使っているセミナー資料で、ウェビナーそのものに慣れていくのがおすすめです。
既存の人気セミナーを、ウェビナー用に短くまとめた「サマリー版」から始めるのがいいでしょう。
ウェビナーに参加される方は、時間や距離の関係でこれまでセミナーに参加できなかった方がほとんどです。人気のセミナーに手軽に参加できることは、十分魅力になります。
Q.ウェビナー開催に向いている、資料の作り方はありますか?
一言でいうと「紙芝居形式」です。アニメーションは極力使わないのがおすすめです。ページはなるべく減らして、音声で伝えるようにしましょう。
ウェビナーは、電波状況によって、資料の動き・音声にタイムラグが生じます。場合によっては途中で内容が飛んでしまうこともありえます。細かなアニメーションを多様した資料を用いると、参加者が内容についていけず、置いてけぼりになってしまう危険があるからです。
Q.ウェビナー開催当日の注意点はありますか?
電波状況の確認はマストです。可能ならば、無線ではなく有線を使いましょう。開催中に参加者の方の気が散らないように、ウェビナーで使用しないWebページ・ツール類は閉じておいてください。SNSやチャットツールのお知らせ機能もすべて切っておきましょう。
また、登壇者以外に最低1名は近くにいるようにしましょう。ひとりでウェビナーを実施すると、いざ何か問題が生じた際に、登壇者はその場を離れることができないので、対応できる人がいません。
例えば、「ウェビナーで使っている会議室の隣の声がうるさい」といった際に、登壇者ひとりだけだと注意しに行くこともできません。万が一の場合に備えて、参加者の見えない位置にサポート役の人に待機してもらいましょう。
Q.開催したウェビナーに参加された方への後追いは、どのようにしていますか?
サービスへの興味度合いを「ネクストアクション」で質問
ferret Oneでは、ウェビナーに限らず、セミナー後のアンケート結果に基づいてインサイドセールスが後追いをしています。サービスへの興味度合いを「ネクストアクション」で質問し、下記の2つを後追いの指標としています。
● ferret One にご興味はございますか?
- 詳しい説明が聞きたい
- 無料デモ体験希望
- 製品資料が見たい
- 興味がない
- 導入済み
「詳しい説明が聞きたい」「無料デモ体験希望」「製品資料が見たい」という行動を上位アクションと呼び、上位アクションを選択したお客様を、後追いの対象としています。
また、ウェビナーに参加されたお客様を、より角度の高いハンズオン型のセミナー(ワークショップ)へと誘導する質問も設けています。
● ワークショップへの申し込みを希望しますか?
- ◯月◯日のワークショップに申し込む
- 別日程があれば希望する
- 興味がない
ハンズオン型セミナーは「ferret Oneを使ったワークショップ」としてセミナー内でも告知しています。申込み希望の方や、別日程での参加希望の方には後追いのお電話をしています。
後追いは素早く
後追いのタイミングは、これまでは集合セミナー同様、セミナーの翌日からコールを開始していました。しかし、ウェビナーは潜在的なお客様が多く、気持ちがすぐに冷めやすいと予測されること、また、セミナー直後が一番お電話が繋がりやすいと予測されることから、今後は「セミナー直後」にコールすることにしています。
Q.通常のセミナーと比べて、ウェビナーを開催するメリットは何でしょうか?
- 遠方の方にもお申込みいただきやすい
- 忙しい方にもお申込みいただきやすい
- 潜在層のお客様にもお申込みいただきやすい
- リモートワーク中でも開催が可能
- 会場の設営、受付、片付けなどが不要
- セミナーの様子が録画として残るので、後から振り返りやすい
- 直接お客様のサイトに映し出されるので、資料が綺麗で見やすい
- チャット形式で質問がくるので、お客様がどこで疑問を感じたかわかりやすい
- 質問をリアルタイムでセミナーに盛り込める、テキストにも残る
メリットは色々とありますが、一番は「ユーザーの選択肢が増える」ことです。往復3時間かけて頑張って「参加するか」「しないか」の選択しかなかった中にもう一つ「30分だけなら見てみよう」という選択肢が増えるのは非常に大きいと思います。
Q.逆に、ウェビナーを開催するのデメリットは何でしょうか?
- 回線の状態が不安定だと、タイムラグが生じたり、セミナーが中断したりしてしまう
- 参加のハードルが低いぶん、課題感の薄いお客様がお申込みされるケースもある
- 通常セミナーでは終了後にその場で個別相談・商談ができるが、ウェビナーでは難しい(=素早い後追いが大事)
ウェビナーを「通常セミナーとまったく同じように活用しよう」とすると、無理が生じてしまうことがあります。双方向性かつアドリブが必要とされるワークショップの場合、動きや音声にタイムラグが生じやすいウェビナーとはあまり相性がよくありません。
ウェビナーは完璧なものではないので、「使い分ける」という視点で取り組むのがいいでしょう。
Q.これからウェビナーを開催される方へ「これはやらない方がいい」「これはやった方がいい」というアドバイスがあればお願いします
セミナーの資料はいつも通り、登壇者のテンションはいつも以上にあげる。これに尽きると思います。
はじめてのウェビナーだからと言って、はりきって「ウェビナー専用の資料」を作ると、失敗する可能性が高くなります。なぜなら「慣れない配信ツール」「お客様の顔が見えない状態で話す」という2つの不確定要素が既に入っている上に、わざわざ3つ目として「新しい資料作成」が加わるからです。
それよりも「カメラや音声のオン/オフはちゃんとしているか?」「 チャットで何か起こっていないか?」といった、ウェビナー特有の部分に目を光らせてください。
その上で、テンションはいつも以上にあげてください。ウェビナーはお客様の顔が見えないので、一方的に淡々と話しているだけになりがちです。また、パソコンに向かって話していると前傾姿勢になり、声の大きさが小さくなってる場合もあります。
うるさければ、参加者側で勝手にボリュームを落としてくれます。意識的にテンションをあげて、ハキハキと話すように心がけましょう!
ウェビナーを開催・運営するための8つのポイント
以上、これまでお伝えした「ウェビナーのポイント」をまとめると次の8つになります。
- 参加しやすいツール
- リマインドを忘れず
- 人気セミナーの「サマリー版」から始める
- アニメーションは極力使わない
- 質問は随時受付
- サポート役を近くに配置
- 後追いは素早く
- 意識的にテンションをあげる
以上、ferret Oneでこれまで取り組んできたウェビナーを開催する上でのノウハウをお伝えしました。少しでも、皆様のお役に立てば幸いです。
BtoBマーケティングに“課題”を持つ企業様に向け!
ferret Oneのノウハウ提供型セミナーを開催予定です。ぜひご参加ください。
▼セミナー情報はコチラ
https://ferret-one.com/seminar