広報について知りたい!【後編】ー「マーケと広報の共闘」が生む、「意味のある認知」とは?

「マーケと広報の共闘」が生む、「意味のある認知」とは?


先日公開した、「前編 マーケターが知らない広報の実態」では、広報の実務内容や、どんな視点で業務を行っているのか、一例をご紹介しました。

後編では、『ferret One』を運営する株式会社ベーシックの広報担当者とマーケティング責任者の対談を通じて、マーケと広報の共闘による、これからの顧客コミュニケーションの可能性を探っていきます。

奥田陽子(おくだようこ)

株式会社ベーシック 広報 奧田陽子

株式会社ベーシック 社長室 広報グループ

2018年、新卒で株式会社ベーシックに入社。「ferret One」のインサイドセールスに配属された後、入社1年目にして広報担当に抜擢される。現在は、社外・社内広報を一手に担う。マーケティング部との共闘体制を構築中。

川鍋裕輔(かわなべゆうすけ)

株式会社ベーシック マーケティング部部長 川鍋裕輔

株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 部長

新卒で入社した株式会社リクルートで営業として数々の賞を受賞後、web業界へ。2010年、株式会社ベーシックに入社し、アプリ関連事業を中心に複数の事業の立ち上げに携わる。その後、担当事業の事業売却を経て、2019年より『ferret One』のマーケティング責任者となる。


マーケ責任者と広報が考える、「これからの顧客コミュニケーション」

─前編では、奥田さんが新卒1年目で広報に抜擢された話をお聞きしました。今回は、川鍋さんのキャリアからお聞きしても良いですか?

川鍋:学生時代から、「いずれ自分で事業をやりたい」と思っていたので、起業を見据えて就活をしました。

新卒入社した株式会社リクルートで3年半営業を経験した後、スタートアップだった株式会社Speeeに転職したんです。その後、事業サイドを経験したいと思っていたところ、弊社社長の秋山に誘われて株式会社ベーシックに入社しました。

株式会社ベーシック マーケティング部部長 川鍋裕輔


入社後は新規事業開発室のメンバーとして、ひたすら新規事業を立ち上げていました。色々やりましたが、5つ目くらいで手がけた事業がハマり、子会社化することになったんです。子会社の役員として3年程事業を行い、事業売却まで経験しました。

ここ数年は、マーケティングツール、『ferret One』事業に携わっています。営業、カスタマーサクセスを担当して、今年からマーケの責任者になりました。今は、事業企画とマーケの兼任です。


奥田:川鍋は、私が『ferret One』のインサイドセールスにいたときの上司なんです。


川鍋:そうなんだよね。奥田が2018年秋に広報に異動になって、その後に僕がマーケに異動になって。

マーケ責任者と広報が考える、「これからの顧客コミュニケーション」


奥田:私は広報として独り立ちしたばかりなんですが、あらためて広報として何をすべきか考えていたときに、「広報と同じようにお客様に向けたコミュニケーションを取っているマーケと共闘しないことには、本当に意味のあるPRはできないのでは?」という結論に至ったんです。

そうしたアイデアも、以前の上司である川鍋がマーケの責任者になっていたので、気軽に相談できました。


川鍋: 僕自身、マーケの責任者として基本に立ち返って考えていたときに、奥田から話をもらって。「これからの顧客コミュニケーションは、マーケと広報のベクトルを合わせていかないと効果が出ない」と考えていたので、すごくタイムリーでした。

「マーケと広報の共闘」が生む、「意味のある認知」とは?


マーケと広報の共闘の第一歩

─川鍋さんは、マーケティング責任者として、どうして広報と一緒に動く必要があると思ったんですか?

川鍋:今年からマーケの責任者になり、「マーケが目指すゴールは何なのか、広報とは何が違うのか」を基本に立ち返って考えてみたんです。そこで気づいたのは、マーケと広報は同じ方向を見ているということでした。強いて言えば、お客様に対するコミュニケーションの右と左の両輪。つまり、見ている方向は一緒なんです。

あと、ちょうどその頃、自分がユーザーとしてBtoBツールを選ぶ機会があったんです。何社かに見積を取ったんですが、最終的には細かい価格の差は問題にならず、元々知っているところを選んだんですね。既に自分の中で、「このソリューションなら、この会社」というイメージが出来上がっていたから。

そのとき、「お客様に選ばれるかどうかは見積を出す以前、料金体系を見せる以前に半分以上決まっているんだな」と身をもって実感しました。なので、ターゲットとなる顧客にいかに知ってもらうかが、BtoB事業においても重要なのだ、と改めて認識することができました。

一方で、弊社の『ferret One』は、マーケティングツールを列挙したまとめ記事に載っていないことがある。つまり、お客様に選んでもらうための土俵にまだ上がれていないんです。認知が十分でない、ということです。


奥田:認知を取るのは、広報の使命です。でも、広報だけで動いていると、情報を届けたい相手に届けられていない、ということも起こります

弊社のようなベンチャーの場合、短期間でサービスの方向性やユーザーターゲットが変わることがあり、ターゲットの変更に追い付いて行けてないことがあるんです。そうすると、せっかくメディアに取り上げられても、マーケから見ると、「ターゲットじゃない層の認知が取れてもなあ…」となってしまいます。

マーケ×広報で描く未来図


─マーケと広報が共闘するにあたって、何から始めたんですか?

川鍋:実は、これまではリリース原稿の確認のときくらいしかコミュニケーションがなかったので、マーケと広報のミーティングを月次の定期ミーティングに変えました。お互いにどういう目標を課されているのかを共有するところから始めています。


奥田:定期ミーティングにしただけで、情報共有の精度とスピードがガラッと変わりましたよね。「マーケが取りたい認知」を含めて情報のタイムラグがないので、無駄がありません。


川鍋:やっぱりコミュニケーションは大事だよね。たまにミーティングをするだけだと、「認知を取ってください」で終わってしまうから、「どんな認知が欲しいのか」まで深掘りすることが難しい。だからと言って、PRの結果を広告換算されても、それはそれで腑に落ちないし。

定期的にコミュニケーションを取ることでお互いの認識のずれが修正されて、「どんな認知を取るか」という議論が、一歩進んだ感があります


奥田:広報がコミュニケーションを取る相手は、将来のユーザー。ユーザーが何を求めているかによって、露出するメディアも切り口も変わって来るので、誰にどう届けるかを、これまで以上に意識するようになりました。

同じ認知を取るなら、マーケチームが欲しい認知が取れることがベスト。マーケと共通の基準や意図を持って、切り口やメディアを選べるようになったのは大きな一歩です。


川鍋:マーケとしても、以前は、「認知取れましたか」という確認だったのが、今は、「こういう文脈で出せましたか」と、より深い確認が取れています。あと、広報と議論を重ねていくなかで、僕自身もどんな認知を取りたいのか突っ込んで考えるようになりましたね。

マーケと広報の共闘の第一歩


「マーケ×広報 共闘企画」第1弾を大公開!

─早速、共闘企画が動き出したと聞きましたが?

川鍋:マーケと広報で合同調査した内容をデータにまとめ、先日プレスリリースを出しました。マーケ担当が日々の業務にどれだけ時間をかけているかを調べて、グラフで見せています。


マーケターの働き方調査


プレスリリースはこちら

  20〜50代のマーケター471名を対象に「マーケターの働き方調査を実施」 7割のマーケターが 「戦略 / 施策を考える時間」を増やしたいと回答! オールインワンマーケティングツール「ferret One」を提供する株式会社ベーシック(本社:東京都千代田区、代表取締役:秋山勝、以下ベーシック)は、5月28〜31日、20〜50代のマーケター471名を対象に、マーケターの働き方調査を実施しました。 マーケター不足が叫ばれる昨今、実際にマーケティング業務に従事しているマーケターがどのような業務に時間を費やしているのか調査した結果、日々、施策の実行に追われるマーケターの姿が見えました。 株式会社ベーシック(basic)

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奥田:今回は、まず広報視点で案を出し、マーケによりよいものを選んでもらうという流れで進めました。お互いの視点から意見を出し合うことで、より良いものになったと思います


川鍋:いろいろな企業のマーケ担当者と話していると、毎日とても煩雑な作業に追われていたり、幅広い業務をひとりでこなしていたり、皆さん結構ヘビーな環境にいるんですが、それが当たり前になっているマーケターが多いんです。でも、調査結果をきっかけに、「マーケターが日常的にこれだけ煩雑な作業をやっているのは、問題だよね」と気づいてもらえれば良いなと。

そのためには、マーケからの発信ではなく、広報から発信した方が良いだろうと考えました。


─マーケ×広報の共闘で感じているメリットは何ですか?

川鍋:マーケが情報発信をしようとすると、「~に困っていませんか?」といった、ニーズが顕在化している人に向けた直球メッセージになりがち。でも、広報の視点から発信してもらうと、「別に困ってはいないけど……」という潜在層に対しても情報提供ができるという実感があります。

今回のプレスリリースも、広く情報提供できる内容にまとまったのは、広報の視点が入ったからこそ、ですね。

▼プレスリリースの、詳細レポートはこちら

Webマーケター働き方調査レポート


奥田:情報の内容や見せ方によって、誰のどんな認知を取るのかが大きく変わるので、背景や文脈を意識した発信を心がけていきたいと思っています。

例えば、弊社のマーケティングツールである、『ferret One』の認知を取る場合、ユーザーとなる現場のマーケターに対しては、「ルーティン作業をこれだけ効率化できる、スピーディーに対応できる」という点が訴求ポイントですが、決裁権限のある経営者に対しては、細かい話よりも、「社員の生産性向上」を訴えた方が響きます。

そこで、広報の視点、マーケの視点、プロダクトの事業部の視点、ユーザーや読者の視点など、さまざまな視点を切り替えながら、物事を俯瞰して見るように気を付けています。


川鍋:広報と定期的にコミュニケーションをとっていて思うのは、マーケはどうしてもプロダクトアウト的になりがちなところ、「今はこういう時流なんで、こういう伝え方をしていくと良いんじゃないですか」という別視点からのアドバイスをもらえるのが凄くありがたい。マーケからは出てこない発想がありますね。

マーケ担当者は数字を深掘りする仕事。それぞれの数値はプロダクトと直結しているし、そこにこだわるのが正解だと思っています。

でも、マーケ担当者だけでひたすら数字を深掘りしていくと、どんどん視野が狭くなってしまう。そこで、安心して目の前の数値に集中するには、いろんな視点を持つ広報の存在が欠かせないんです。


奥田:広報の仕事は万人に向けてプロダクトの良さを伝えること。常に、どう伝えようかを考えています。理想は、プロダクトを中心に据えて、360°プレゼンができることです。


川鍋:広報の視点が入ることで、アプローチできなかったターゲットに対してアプローチできるようになることもあります

自分自身で拾っているニュースはどうしても偏っちゃうんで、記者さんからどんな質問があるのか教えてもらうだけでも意外な発見がありますね。


マーケ×広報で描く未来図とは?

─先ほども少し話に出ましたが、マーケティングと広報はそれぞれどんな領域でどんな仕事をするべきだと思いますか? また、こうなりたいという理想像があれば教えてください。

奥田: 私は今、やっとマーケとラフな感じでコミュニケーションが取れるようになってきたところ。マーケの指標は把握していますが、指標の追い方までイメージできるようにならないと相談相手にはなれません。広報として、マーケが見ているその先を見られるようになることが、ひとつの課題です

また、優秀な広報の方にお会いすると、社内との関係が密だなと実感します。事業部が何について悩んでいるかまで、知っているんです。私もそんな風に、自分から中に入っていく広報になりたいと思っています。

マーケ×広報で描く未来図


川鍋:会社もサービスも表面的に語れる人はいますが、事業のことをしっかりわかっている、他部署の課題を押さえている広報はやっぱり凄いと思います。奥田には、そういう広報になって欲しいし、なれると思っています。

マーケについて言えば、マーケは数字を求められるし、数字を掘り下げて行く仕事。でも、本来やらなきゃならないのは、お客様を増やすこと。目の前の指標に満足しているだけじゃダメです。

もっと言えば、プロダクトを磨くのもマーケの仕事です。お客様にプロダクトを使ってもらい、成果を出してもらって、初めてマーケの仕事が完遂するんだと考えています。


─今後、マーケと広報の共闘によって、どんなことを仕掛けていきたいですか?

奥田:今回は調査結果のプレスリリースを出しましたが、今後はプレスリリース以外にもイベントなどのアプローチをしていきたいです。

ユーザーイベントだけでなく、プロダクトを知ってもらうためのイベントができたら良いですね。メディアを巻き込むことで、広く知ってもらいたいです。


川鍋:イベントの企画や開催はマーケでもできますが、マーケだけでやると狭いコミュニティの中で完結してしまうので、広報と共闘することで、いかにメディアを巻き込むかがポイントですね。


─最後にマーケ担当者に対して、広報から一言どうぞ。

奥田: 広報は、マーケ担当と同じ方向を見ている仲間だと思って欲しいです

「広報って、何をやっているのかわからない」という場合は、何をやっているのか聞くことがコミュニケーションのきっかけになるかもしれないので、ぜひ広報に直接聞いてみてください。

広報は、マーケと同じ方向を見ているはずなので、一番共闘できる仲間になれるんじゃないでしょうか。

広報は、マーケ担当と同じ方向を見ている仲間

川鍋さん、奥田さん、ありがとうございました!


取材・文 松山あれい / 編集 清水久美子

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