既存顧客とは?売上拡大のために関係を維持・強化する4つのコツ
売り上げと収益を拡大するためには、新規顧客の獲得と並行して既存顧客との関係を強化することが重要です。特に既存顧客とはすでに関係ができているため、新規顧客より新商品や追加サービスの提案がしやすくなります。
今回は「既存顧客」に焦点を当て、売り上げと収益を拡大するためにやるべきことを紹介します。
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既存顧客とは?新規顧客との違い
既存顧客は新規顧客とは違い、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。
既存顧客とは?
既存顧客とは、商品やサービスを購入したことがある、すでに取引のある顧客のことを指します。売り上げを拡大するためには、既存顧客のリピート率を上げることが不可欠です。既存顧客への効果的なアプローチとフォローに注力し、関係を強化することが重要です。
既存顧客と新規顧客との違い
新規顧客とは、これまでに自社のサービスや商品を購入したことがなく、新たに取引するようになった顧客を指します。
新規顧客にも2種類あり、顧客の状況により「潜在顧客」と「見込み顧客」に分けられます。
- 潜在顧客:自社の商品やサービスを知らないが、認識すれば使用する可能性が高い顧客のこと
- 見込み顧客:自社の商品やサービスを知っていて、すでに興味を持っている顧客のこと
既存顧客の関係維持・強化が重要である理由
なぜ、既存顧客との関係維持や強化が重要だと言われるのでしょうか。その理由をまとめました。
既存顧客を維持するコストは低い
新規顧客獲得の難しさを示す「1:5の法則」があります。新規顧客の獲得は、既存顧客を維持するより5倍の費用が掛かることを示しています。
また、べイン・アンド・カンパニーのフレデリック・ライヒヘルドの調査によると、顧客維持率をわずか5%増加させると、利益が最大で95%増加するとのことです。
より既存顧客の維持・関係強化にコストと時間を費やすべき、ということがわかります。
新たなサービスの紹介やアップグレードの提案が容易
一般的に、新規顧客への販売成功率は5~20%で、既存顧客への販売成功率は60~70%です。既存顧客の販売成功率が高いのは、新たなサービスの紹介やアップグレードの提案がしやすいからです。
営業成功の鍵は、ニーズに合った「アップセル」や「クロスセル」を提案できるかにかかっています。「アップセル」とは、当該の商品やサービスからアップグレードを促すことであり、「クロスセル」は、関連する商品やオプションを勧めることです。
顧客の課題にあった解決法を適切なタイミングで提案することが、営業成功のカギです。
既存顧客からの紹介で新規顧客を獲得できる
既存顧客の高い満足度を維持できれば、紹介による新規顧客の獲得が期待できます。
企業のWebサイトやソーシャルメディアよりも、インターネット上のリアルな口コミや知人・友人からの紹介の方が信頼ができる、と感じる方も多いのではないでしょうか。
また、昨今は新型コロナウイルス感染拡大により、営業活動が制限され、新規顧客との接点を持つ機会が少なくなってきています。営業するチャンスはあっても、訪問での対面営業ではなく、オンラインでのコミュニケーションを求められることがあります。
信頼関係が築けていない新規顧客へのオンラインでのアプローチは、難しい場合があります。しかし、既存顧客から紹介された新規顧客は、ある程度の信頼を持っているため、オンライン商談が成り立ちやすいのが特徴です。このような時代だからこそ、顧客紹介の重要性は増しています。
既存顧客が紹介をしてくれることにより特典を得られるキャンペーンを用意するなど「紹介したくなる仕組み」をつくることも有効です。
既存顧客との関係を維持・強化する4つの方法
既存顧客との関係を維持するだけでなく、より強化させるにはどうすればよいでしょうか。
効果的なアプローチとは
前提条件として、顧客から「この人は信頼できる」と思われなければなりません。
新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、オンラインでのやり取りを希望する顧客が増えています。今後も続くと予想されるオンラインによる顧客との関係構築について考えてみます。
信頼関係ができていない顧客に対してはオンラインでの提案は難しくなるため、普段から親密度を上げておく必要があります。提案を試みるばかりでなく、見返りを求めず顧客に寄り添った「真のサポート」を心がけましょう。
また、顧客に特別感を与えることも有効です。「特別なご案内を、○○様にはいち早くお伝えしたい」などとアプローチするのもおすすめです。
顧客のニーズと課題を具体的に知る
顧客が抱えている課題を具体的に理解しましょう。そして解決に役立つ提案をすることで、商談をスムーズに進められます。
顧客から聞きたいことを具体的に聞き出すために、信頼を得ておかなければなりません。売り込むことばかりを考えず、顧客に信頼感と安心感を与えましょう。また、顧客の課題や関心ごとを正確に掴めるような質問の仕方と顧客の返答を想定し、どのように切り返すか事前準備をしておいてください。
ヒアリング後は、部署間で情報を共有しやすいようにデータベースを作成しましょう。顧客にとって、よりよい商品やサービスを特定し、将来のニーズを予測するのに役立ちます。
顧客の満足度を検証する
優れた商品やサービスであれば顧客を維持できるかというと、そうとも限りません。優れたものでも売りっぱなしでは、顧客はアフターフォローがないことに不満を感じ、解約を検討する可能性が高まります。サービスは充分だったか、期待に応えられたか、コストに見合っていたかなどをアンケートでヒアリングすることは有効な手段です。
うまくいっている分野と、改善が必要な分野を洗い出し、満足度を検証しましょう。満足度の検証は、よりよいサービスのために使えるのはもちろんのこと、アンケート自体を顧客とつながるコミュニケーションのツールとしても活用できます。
アフターフォローでリピートにつなげる
アフターフォローをしっかりすることで、顧客の新たなニーズをつかみ、追加の契約につながる可能性が高まります。売りっぱなしにせず定期的に連絡を取り、不満がないか、使い勝手はどうかなどを確認するフォローをしましょう。顧客が連絡を取りたいときに、スムーズに連絡が取れ、対応できるように整えておくことも必須です。
また、定期的に顧客の役に立ちそうな情報提供をすることも効果があります。新機能や新商品などの紹介は、顧客にとって適切なタイミングで行うことを意識してください。顧客が導入しやすい仕組みにしておくのも重要です。
既存顧客を売上拡大につなげよう
既存顧客を維持するのは、ビジネスの成長と成功に不可欠です。自社の商品やサービスに時間やコストを費やしている既存顧客は、新規顧客よりも利益を生み出す可能性が高くなります。
既存顧客の維持・関係強化に焦点を当て、売上拡大につなげましょう。
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