効果的なセミナーアンケートとは?マーケティングで活きる設問と作り方のポイント
セミナーを開催した後に取るアンケートは、効果的なものになっていますか?
参加者の属性情報や感想だけでなく、営業や販売など次につながるアクションを得ることが大切です。
そこで今回はferret Oneイベント運営チームに、セミナー終了後のアンケートについてインタビューを行いました。セミナー終了後のアンケートに盛り込むべき質問項目やポイント、セミナーアンケートに使えるテンプレートをご紹介します。
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目次[非表示]
セミナーでアンケートを取る目的とは?
──セミナー後にアンケートを取るべき理由を教えてください。
目的は3つあります。
まず1つ目は、どのようなお客様が商品やサービスを買ってくれそうなのかを把握するためです。
──客層を把握することのメリットは何でしょうか。
アプローチをするときの優先順位が決まります。アンケートで確度の高い参加者を把握し、優先的にアプローチすることで、素早く効率的な対応が可能となります。
──なるほど。セミナーの参加者全員にアプローチをかけるのは負担が大きすぎますもんね。他にはありますか?
2つ目の目的は、セミナー内容のブラッシュアップですね。セミナー内容のどの部分で参加者が「役に立った」と感じたか、逆に何を感じなかったのかを知ることで、次のセミナーに活かしていくことが大切です。
──良いセミナーにすることで、集客も伸びていくでしょうしね。
セミナーに来てもらわないことにはセミナーを開く意味がありません。集客を増やす工夫は大切です。そして、最後に自分が演じているスピーカー像と参加者が感じる印象に、大きな乖離がないかを把握する目的もあります。
──受け取る印象が違うと問題が生じる、ということですか?
セミナー参加者に自信を持ってもらうために「鼓舞するようなしゃべり方」を意識したけれど、参加者からは「生意気に見える」と受け止められてしまうと、セミナー自体がマイナスにしかならないからです。
──参加者のイメージとスピーカーのイメージを合わせる作業が必要ってことですね。
セミナーのアンケートに盛り込むべき項目とは?
──ここからはセミナーアンケートに必ず盛り込みたい項目について、具体的に教えていただけますか?
まずは参加者の属性がわかる項目を用意しましょう。名前や性別・所属会社名、電話番号などの情報です。さらに、メールアドレスを入力する項目は必ず用意してください。
──セミナー後にアプローチをしやすくするため、でしょうか?
それもありますが、一番は情報を紐づけしやすくするためです。セミナー参加者は、セミナー申し込み時に情報を入力しています。その情報とアンケートの情報を合わせ、さらに顧客情報を具体的にしていく。そのための紐づけにメールアドレスを活用するのが一番確実なんです。
──名前や会社名で紐づけするのではいけないんでしょうか?
もちろんかまいませんが、名前の場合だと、たとえば漢字の変換が違っていて合致しないとか、会社に株式会社をつける、つけない、㈱と書いている等、紐付けに意外と時間がかかるんです。
──なるほど、時短のためにメールアドレスが有効なんですね。
ただ、フリーメールなど、いわゆる捨てアドレスを入力されないためにひと工夫が必要ですね。「今回のセミナーをまとめた資料を送るために所属会社のメールアドレスを入力してください」とアナウンスするようにしてください。
▼ferret Oneのセミナーでは、アンケートにメールアドレスにセミナー資料を送付することを明記し、普段業務で使用しているメールアドレスでの登録を促している。
──ちなみに、商談に引き込みやすくなるような質問ってありますか。
ネクストアクションを問うことですね。たとえば、「商品やサービスについて興味がありますか」という設問に「はい」と答えた参加者は、すでに一歩(アクション)を踏み出していることになります。
──なるほど。つまり参加者の気持ちを後押しするわけですね。
そうです。また、「どのような提案を受けたいですか」の問いで、こちらがどのような行動を取れば満足してくれるのかを直接聞く方法も有効です。
▼ferret Oneのセミナーでは、実際に「ferret One」のサービスに興味があるかどうかを、ネクストアクションを問う形でアンケートをとっている。
──セミナーアンケートでよくあるのが「セミナー自体の満足度」を聞く設問だと思うのですが、これは盛り込むべきでしょうか?
セミナー満足度の項目は、はっきり言って不要です。セミナーの満足度を聞いたところで、売りたい商品やサービスの興味関心を知る指標にはならないからです。
──なるほど、意味がない設問、ということですね。
それに、セミナー運営側として大切なのは、満足度よりも商品やサービスを購入してくれそうな確度の高い見込み客の割合がどれくらいいるのか、ということです。
──それならば、見込み客かそうでないかを判断する設問の方がいいですね。
そうですね。満足度を図る設問より、「商品やサービスについて興味がありますか」を問う項目にしたほうが効果的なアンケートだといえます。
──他に、アンケートを取る際に作っておくべき項目はありますか?
セミナー申込時点で流入元が取れていない場合や、複数の集客方法の中でどの方法が一番ユーザにヒットしたのかを知りたい場合は、どの広告や媒体から応募したのかを聞く項目を作るのも有効ですね。
──申し込み数の多い広告が分かれば、広告の最適化ができますもんね。
それに加えて、個人情報を集めることになるので、プライバシーポリシーに同意する項目は必ず盛り込みましょう。
効果的なセミナーアンケートを作るためのポイント
──ここからは、質の高い情報を得られるようなアンケートについて話を伺いたいと思います。セミナー参加者から具体的な回答を得るために何かいい方法はありますか?
セミナーについての項目でよくあるのが「一番印象に残ったことを教えてください」みたいなものだと思うんですが、さらにピンポイントに聞きます。
──たとえばどのような感じに聞けばいいんでしょうか?
「一番印象に残った『言葉』『考え』は何ですか?」という感じです。
──「言葉」とか「考え」のように質問の内容を狭めて聞くんですね!
そうすることで参加者も頭で考え始める。その結果、具体的な情報を聞き出せるんですね。
──参加者のどのようなところに気づきがあるのか、運営側が把握して次のアクションに繋げられそうですね!
そうですね。それに、セミナー参加者が受け取ったメッセージと、セミナー運営側が伝えたかったメッセージとにズレが起きていないかを確認する作業にも役立ちます。そのため、弊社ではこの質問項目については意図的に、プレイスホルダー(回答例)を入れていません。これは回答例を入れることで、ユーザーの気づきを意図せずに誘導してしまう事を回避するためです。
▼実際にferret Oneのセミナーアンケートでも聞いている項目。
意図的にプレイスホルダー(回答例)が書かれていない。
──なるほど。そもそも参加者がアンケートに答えてくれないということもよくあると思うんですが、アンケートの回答率が上がるような工夫があれば教えてください。
Webセミナーでの手法にはなるのですが、まずは、セミナー開始冒頭に「今日はアンケートがあって、回答してくれたらセミナー資料を全て送るので、事前に別ブラウザで開いておいてくださいね」って言ってしまいます。
──はじめにセミナー資料が手に入ると言われるとアンケートに答えたくなりますね!
Webセミナーだと最初に参加者との掛け合い(通信チェック)をすると思うんですね。その時の通信確認の名目で、チャットにアンケートのURLを送ってしまうと、自然な流れでアンケート入力サイトに誘導できますよ。
──アンケートを取る際に、紙かWebかで悩まれる場合もあると思うんですが。
絶対Webがいいですね。鉄は熱いうちに叩けと言いますが、セミナーも性質的に似ているところがありまして、やる気になっている人に対して早くアプローチをかけたいんですね。
──気持ちが冷める前にアクションをかけたいですよね。
紙でアンケートを取ると情報の集約に時間がかかってしまう。だからWebアンケートの方が商談確度は高まると思います。
──リアルセミナー(Webセミナーでないセミナー)でもWebアンケートがいいですか?
リアルセミナーもWebアンケートがいいですね。以前実施したリアルセミナーでは、Webアンケートに誘導するQRコードを渡すといった工夫をしました。
──回答しやすいアンケートにするために項目の順番で工夫していることはありますか?
セミナーの対象が日本人の場合、キーボードの入力が全角ローマ字入力になっていると思うので、名前や会社名の入力項目を先に用意します。
──半角英数字に変更させる手間を減らす、ということですね。
そうです。その次に、半角英数字入力の電話番号やメールアドレスの項目を用意。その後は、ずっと全角ローマ字入力の項目が続きます。
──アンケート記入の手間を最大限減らす工夫は、アンケート回答率を上げるために大切ですね。ちなみに、アンケート送信後の大切なアクションはありますか?
アンケートを送信すると、同時にサンクスメールが届くような設計にしてください。
──「アンケートご協力ありがとうございます」っていうメールですよね?
はい。そのサンクスメールの中に「次回のセミナー案内」や「商品デモやサービス情報のパンフレット」など、次のアクションにつながりそうな情報を盛り込んでください。
──セミナーの目的は商品やサービスの顧客になってもらうこと、ですもんね。
そうですね。アンケート回答がゴールではなく、あくまで商品・サービスの契約に繋げることが目標です。その目標につながるような導線設計をしましょう。
──本日は貴重なお話をありがとうございました。
次回のセミナーに価値を発揮するアンケートをつくろう
最後にferret Oneイベント運営チームが使っているセミナーアンケートで、効果の高かったフォームを見せていただきました。
セミナーでアンケートを取る意味は、商品やサービスの顧客になってもらうことです。セミナー参加者が次のアクションを起こしやすくなるような設問を心がけましょう。
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