コロナ禍でも成果を出せたセールス・マーケ施策を紹介!イベント「MARKETER MEETUP ONLINE #02」開催レポート
少人数の組織や立ち上がったばかりの組織では、マーケティングとセールスを兼務している人も多いのではないでしょうか。忙しい日々をお過ごしの皆さまに最新のセールス・マーケ施策をご紹介するため、あの大好評イベントが帰ってきました!
2021年1月27日に開催された「現役マーケター3名が語る 自社のセールス&マーケ施策」では、現役マーケター3名がそれぞれ自社で実施して効果のあった施策を紹介してくれました。昨年11月開催の#01では手の内を明かしすぎるぶっちゃけトークが好評でしたが、今回は果たして……?
コロナ禍でも順調に導入社数を伸ばす3社が実際に試してみて成功した施策ばかりなので、効果は実証済みです。このレポートでは、一部を抜粋してお届けします。
登壇者紹介
Baseconnect株式会社
140万件以上の企業・事業所データで法人営業の新規開拓を効率化するWebサービス「Musubu」を提供。情報収集と営業リスト作成の手間を省き、営業パーソン自身の力を活かす施策の実行を支援する。質の高い情報を安価に提供し、現在約58,000社が導入済み。
マーケティングチーム マネージャー
菅野 隼人(かんの はやと)氏新卒で入社した大手コンテンツ企業にて人事として新卒・中途採用を担当。その後Webマーケター向けのSaaS製品のカスタマーサクセスやコンサルティング業務を行い、さらにベンチャー企業にてVR・MRなどを駆使したエンタメの新規事業をプロデューサーとして推進。現在はマーケティング責任者として、販売戦略の構築からビジネスフロー全体の設計、集客施策の実施まで幅広く担っている。
カクトク株式会社
日本最大級のフリーランス営業職向けマッチングプラットフォーム「カクトク」を運営。1万人規模の営業パーソンが登録しており、企業は「リード獲得」から「商談・受注」まで、営業リソースの足りないファネルごとに外注先を探すことができる。クライアント登録している企業は300社以上。
Pro director事業部 事業責任者
出久地 旭(でぐち あきら)氏2019年3月にカクトク株式会社へ参画。ブライダル業界から人材業界へ転職し、地方拠点の立ち上げ経験などを積む。その後、デジタル業界で営業として大手企業の広告案件に携わる。カクトク入社後はフィールドセールスや、カスタマーサクセスを経験し、新規事業であるPro director事業部の事業責任者として事業立ち上げを行う。現在はカクトク株式会社の営業責任者として業務全般をこなしつつ、アライアンス関連業務、セミナー登壇など様々なポジションを担う。
株式会社ベーシック
サイト更新からLP作成・メール配信まで一括で行えるBtoBのWebマーケティングツール「ferret One」を提供。ノーコードでWebページの制作・更新ができるのが特長で、マーケティング部門自身でサイトを更新しながらPDCAを回したい企業を中心に、600社以上に導入されている。
マーケティング部 インサイドセールスG マネージャー
元木 雄介(もとき ゆうすけ)2015年CMS販売会社に新卒入社し、東京新卒年間売り上げ1位獲得。同社退職後、2017年ベーシック入社。BtoBのWebマーケティングツール「ferret One」に携わる。2017年からインサイドセールス、フィールドセールスを経験し、セールス部における10ヶ月連続の目標達成に貢献。2020年1月よりferret Oneのインサイドセールスマネージャーに昇進。現在はマーケティング業務、インサイドセールス推進を兼務。
(当日は、どの登壇者の話を聞きたいか、アンケートを実施しながら進めました)
コロナ禍の「マーケティング」にこの施策が効いた!
世の中の状況の変化により、ターゲットやリードの行動も大きく変わりました。マーケティングもそれについていけるよう、常識と現状認識をアップデートしながら常に新しい施策を考えなければなりません。
当日は、各社の現役マーケターが実際に試して効果があったマーケティング施策について話してもらいました。
本レポートでは、そのなかから抜粋し、以下の4つの施策をご紹介します。
営業からの一次情報とA/BテストでLPを改善(ベーシック 元木)
元木:
弊社のferret Oneは多機能なツールなので、LPもターゲットや訴求ポイントに合わせて数多く運用していました。それをさらに強化したのがこの施策です。
新型コロナウイルスの流行により、世の中は大きく変わりました。これまでにない事態ですから、マーケターが机上の空論で適応する最適解を見つけようとしても上手くいきません。
そこで、顧客と直接接している営業から生の声をヒアリングし、それを元にLPを改善してA/Bテストで確かめる……という流れを積極的に行うようにしました。顧客からの一次情報に勝るものはありません。LPはferret Oneで複製すれば、楽に量産できます。
営業からヒアリングしたのは、主に顧客の要望やよく聞かれる質問などです。すべての顧客の情報を聞くのではなく、一定以上まで受注確度が高まった顧客の情報のみ聞くようにしました。
これにより、LPからの受注につながるリード獲得数が大幅に増えました。
商談アポを自動化、電話をしなくてもアポを獲得できるように(ベーシック 元木)
元木:
これまで獲得リードには電話でコンタクトを取って商談のアポを設定していましたが、在宅勤務が増えたことにより架電してもつながりにくくなりました。
そこで行った施策が、アポ設定の自動化です。お問い合わせのサンクスページにカレンダーを貼り、参加者自身がその場で希望日時を選べるようにしました。
すると、問い合わせや資料ダウンロードのうち10~15%が自動でアポ化され、電話をしなくてもアポを獲得できるようになったのです。
注意点は、お問い合わせや資料請求など顕在層の参加者からのアクションのサンクスページのみに貼る、ということです。ニーズが顕在化されていないホワイトペーパーダウンロードなどのサンクスページに貼ったとしても、受注に遠いリードばかり取れてしまい、かえって対応が大変になってしまいます。
徹底的にA/Bテストを繰り返し、メールを最適化する(Baseconnect 菅野氏)
菅野氏:
新型コロナウイルスの拡大により着電率が下がり、今までのインサイドセールスがリードに架電してアポを設定する流れが上手く機能しなくなりました。そこで、マーケとしてもっとダイレクトに売り上げに貢献できないかと始めたのが、メールによるアポ獲得施策です。
メールの内容は、徹底的にA/Bテストを繰り返して最適化しました。件名や文面はもちろん、送信時間や送信先の従業員数、CTAのリンク数など、様々なパターンで3か月間に渡り検証しました。
始めのうちは反応が悪く、数千通送ってもほとんど反応がありませんでした。しかしテストを繰り返して最適化したことで、今では毎月平均10アポをメールから獲得できています。
最適化までに3カ月と時間はかかりましたが、一度最適なメールが出来上がってしまえば、あとはリストの精査や送る時期に合わせた文面の調整程度の手間しかかかりません。数時間の作業で月10件のアポが取れるのは大きいと思います。
自社メディアの他社事例コンテンツを積極的に活用(カクトク 出久地氏)
出久地氏:
弊社では自社メディアに様々な他社事例記事を掲載しています。たとえば、営業組織の構築に成功した企業の事例や、「カクトク」を使ってくれている企業や「カクトク」経由で活躍する営業パーソンのインタビューなどです。
これらは営業に課題を抱える企業向けのお役立ちノウハウや、「このプラットフォームを使いたい」「この人に依頼したい」と思ってもらえるコンテンツとして、ファン作りやリードナーチャリングに役立っています。さらにSNSでも共有・拡散することで、より大きな効果がありました。
コロナ禍の「セールス」にこの施策が効いた!
今回の登壇者3名はセールス領域にも関わっています。マーケティング施策と同様、実際に試してみて効果があったセールス施策についても話してもらいました。
本レポートでは、そのなかから抜粋し、以下の3つの施策をご紹介します。
インサイドセールスのスキルを言語化し、レベル分け(ベーシック 元木)
元木:
現在は基本的にフルリモート体制なので、周りにいるセールストークが上手い人を参考にすることができません。新卒や外部スタッフは商材を売るための王道トークやコツがわからず、レベルアップに時間がかかってしまいます。
個人のインサイドセールスのスキル・力量を「可視化」するために、新たに「レベル評価」を設けました。レベルは全部で4段階あり「レベル1の人はホワイトペーパーからのリードにしか電話をかけられない」、「レベル4の人はお問い合わせの対応をしてもよい」のように、レベルによってできることが異なります。
レベルの基準は「〇〇について話すことができる」「〇〇についてヒアリングできる」のように言語化されており、納得感のあるレベル分けにしています。自分に足りていないスキルが何で、次は何を身に付けたらよいかも分かりやすいので、教える方も教わる方もやりやすくなりました。
リードの質に合わせてアポ取りの対応を分けて効率化(Baseconnect 菅野氏)
菅野氏:
新型コロナの流行をきっかけにオンラインでできる施策を探していて弊社を知っていただくのか、ありがたいことに問い合わせ件数は増えています。少人数のチームのため、問い合わせ対応のために外部スタッフの手も借りることにしました。
その際、質の高いリードやホットリードは社内の人間が対応したいので、リードのランクごとに優先度をつけて対応しています。
この手法により、ホットリードへの対応の質を担保しながら、外部スタッフの手を借りてアポ取りを効率化することができました。
外注営業スタッフの商談ログを確認、定期的にFBを行う(カクトク 出久地氏)
出久地氏:
弊社ではフリーランスの営業チームに営業を外注しています。その際、オンライン商談のログはマネージャーがすべて確認し、定期的にフィードバックを行っています。ブラックボックス化を防ぎ、営業のクオリティを統一するためです。
昨今はオンライン商談が主流になり、ログや録画を手軽に残せるようになりました。外注するにせよ内製化するにせよ、商談のログを徹底的にとり、チェック・フィードバックするのが重要だと思います。
ちなみにオンライン商談で使うツールは、ベルフェイスとZoomです。ベルフェイスはログの重要な箇所にマークをつけられるので見返したときに分かりやすく、Zoomは複数人のミーティングに適しているという特長があるので、用途や状況によって使い分けています。
最新のマーケ・セールス施策をぜひ試してみてください!
視聴者から登壇者への質問も多く、活発なイベントになりました。
Q&A機能で寄せられた質問は「ABテストの期間の目安は?」「大企業のリードを取るためのコツは?」など。司会進行のベーシック・河村からは、「ぶっちゃけ、コロナでお問い合わせは減りました? 増えました?」というぶっちゃけイベントならではの質問も投げかけられました。
一から施策を考えようと悩んでばかりいるよりも、他社で試して既に実績がある施策を取り入れてみるほうが、手っ取り早く効率的です。ぜひ今回ご紹介した施策を自社に合うようアレンジして取り組んでみてください!
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