営業を受ける担当者100人に聞きました!社内稟議で決裁されるために必要なこと


BtoBでは、商品やサービスを使用する担当者が決裁者ではないケースが多くあります。BtoBに衝動買いはなく、導入を進めるためには担当者に稟議書を書いてもらわなければなりません。

稟議書を書き社内稟議を通すという作業は、お客様にとってもなかなか面倒なもの。どうすれば、担当者は重い腰を上げて稟議を通してくれるのか……。

「実際に営業を受ける方に聞いてみよう!」

One Tip編集部では「上司へ稟議書を通した経験のある社会人」を対象に100人アンケートを敢行しました。
アンケート結果を見ながら、BtoBマーケティングのヒントを探していきましょう。

【調査概要】
・調査方法 :WEBアンケート
・調査エリア :全国
・調査対象者 :上司に稟議書を通したことのある男女100名
・有効回答数 :100
・調査期間 :2021年7月12日~7月13日


目次[非表示]

  1. 1.稟議に関する「書類作成」を手助けする施策が有効
  2. 2.料金表やデータ、導入事例が求められている
  3. 3.「予算」の明確化は決裁を通す上でもっとも重要
  4. 4.数字の見えない導入事例は活用されにくい
  5. 5.担当者は「導入価値の説明」に苦労している
  6. 6.11万円ほどの金額から担当者は決裁に苦労する
  7. 7.決裁が面倒な作業である理由とは?
  8. 8.なかなか決裁が通らず困ったエピソード
  9. 9.まとめ:担当者以外に伝わりやすいかが鍵!


稟議に関する「書類作成」を手助けする施策が有効

Q.どのような方法で決裁の連絡は行われていますか(複数選択可)

書類(企画書など)

84

会議

28

口頭

23

メール

11

チャット

5

その他

11


社内で決裁に関する連絡を行う手段は、圧倒的に「書類」と回答する人が多い結果となりました。

つまり、担当者は自分が選ぼうと思っている商品やサービスを社内の人間に情報共有する書類作成の業務を持っているのです。

書類作成業務は日常業務とは違うイレギュラー業務なので、担当者が時間をつくるのは困難だということも多々。

だからこそ、担当者の書類作成を手助けするような資料を提供するのは、担当者の重い腰を上げさせる一助となるのです。


料金表やデータ、導入事例が求められている

Q.決裁を通そうとするときに、あると助かるものを選んでください(複数選択可)

料金表

55

資料作成用データ

48

導入事例

45

商品パンフレット

35

活用ノウハウ

33

企業パンフレット

4

営業担当者の自己紹介

2
その他
4


決裁を通そうとするときにあると助かるものとして、もっとも回答が多かったのは「料金表」でした。

営業する側としては、明確な料金を見せることは躊躇してしまいがちですが、稟議を通す側としては助かるのでしょう。見積もりを早く明確に出すことが重要となります。

次に多いのが「資料作成用のデータ」で、やはり稟議を通すための書類作成が面倒な業務であることがうかがえます。

担当者が決裁者の上司に説明するときに助けとなるような、サービス内容のわかりやすい説明、統計データや導入事例も分かる運営実績、内訳が明確にわかる料金表などを付加するのがおすすめです。


「予算」の明確化は決裁を通す上でもっとも重要


Q.上司に決裁を通す上で、もっとも決め手となる情報はどれですか 

予算

64

活用メリット
18
使い方
12
企業情報
3
導入事例
1
その他
2


当然といえば当然なのですが、決裁を通す上でもっとも重要となるのが「予算」です。

とにかく担当者段階では「予算」が重要視されているので、商品やサービスの料金体系は明確にしておくことが重要となります。料金の明示を後回しにしている商品やサービスは、選ばれない可能性が高いのです。

決め手となっているのは「予算がいくらかかるか」という情報です。「安ければ安いほど良い」ということとは違うので注意しましょう。値下げ合戦が重要なのではなく、料金の内訳などに疑問を持たない状態をつくることが大切になるのです。


数字の見えない導入事例は活用されにくい


Q.導入事例を見るときに一番重要視しているポイントはどこですか

成果の数字

64

似た課題解決

12
同業種の事例
11
件数の多さ
9
その他
4


導入事例を見るときに重要視しているポイントは、圧倒的に成果の数字であることがわかりました。もはや、導入事例とは「導入成果」なのかもしれません。

導入成果が明確にわからない事例は、企業の担当者にとっては、有益な情報になりづらいようです。

事例は文章だけで示すのではなく、数字で示せる成果を明確に示せるようにすることが最優先となるので、今一度導入事例の資料を見直してみてください。


担当者は「導入価値の説明」に苦労している


Q.決裁を通そうとするときに、苦労するポイントを選んでください (複数選択可)

導入価値の説明

55

上司の時間確保
38
内容の説明
35
資料作成
24
値引き交渉
19
自分の時間確保
10
企業の説明
3
その他
1


担当者は決裁を通そうとするときに、上司に「導入価値の説明」をすることに苦労していることがわかりました。担当者が上司に説明しやすいように、導入価値を数字で示すデータを数多く提供することが重要となりそうです。

「上司の時間確保」でも多くの人が苦労している点を見ると、限られた時間で導入価値を正しく伝えるのが重要なることがわかります。

社内で商品・サービスの魅力が担当者以外にも伝わりやすくなるように、さまざまな仕掛けを考えることが重要となりそうですね。まずは数値で示せるデータを探してみましょう。


11万円ほどの金額から担当者は決裁に苦労する


Q.どれくらいの金額から決裁に苦労しますか 

5万円未満

8

5万円〜10万円
6
11万円〜30万円
24
31万円〜50万円
13
51万円〜100万円
12
101万円〜300万円
15
301万円〜500万円
1
500万円以上
5
金額は関係ない
16


決裁を通す上で重要な情報は「予算」ということでした。

実際にどれくらいの金額から決裁を通すのに苦労するのかを尋ねてみたところ、一番多いのが11万円〜30万円という結果となりました。この金額は、BtoBの商品・サービスとしてはけっして高いものではありません。

あまり金額に関係なく、「決裁を通す」という作業は担当者にとって、面倒な業務であることがわかります。


決裁が面倒な作業である理由とは?

なぜ決裁はそれほど面倒な作業なのでしょうか。アンケート結果から、理由が見えてくるので、ご紹介しましょう。


決裁が面倒な理由①関わる人数が多い

Q.ひとつのサービスの契約を決定する際、決裁にかかわる人数はおおよそ何人ですか

1人

4

2人
16
3人
37
4人
8
5人以上
35


決裁の話を通すときには、3人以上の話を通さなければならないケースが多いようです。

5人以上であることも珍しくなく、いかに社内で多くの人に商品・サービスの導入価値を理解してもらうかが重要になるかわかります。


決裁が面倒である理由②比較が面倒

Q.商品、サービスを契約する時、何社くらいを比較することが多いですか

2社

38

3社
34
4社
3
5社以上
5
比較しないことが多い
20


商品やサービスを契約するときに「比較しない」と答えたのは100人中20人で、残りの80人は比較をすることもわかりました。

商品やサービスを比較し、上司にも比較内容を説明するのは大変です。予算や成果など数値で示せるデータが求められがちな理由がわかります。


決裁が面倒である理由③時間がかかる

Q.上司に提案してから、決裁が通るまでにどれぐらいの時間がかかりますか

1日以内

7

2〜3日
41
4〜7日
35
2週間
10
3週間〜4週間
3
1か月以上
4


担当者がサービスを決めたところで、決裁そのものに多くの時間がかかる点も「決裁が面倒」と感じられている原因です。

社内でありながら、2〜3日、4〜7日かかることはザラで2週間はおろか、1ヶ月以上かかってしまうという会社もありました。

いかに決裁者にわかりやすい情報を提供して、担当者が仕事をしやすくするかが重要となります。


なかなか決裁が通らず困ったエピソード

採用を決めた商品・サービスが、決裁者に魅力が伝わらず、なかなか決裁が通らなくて困ったエピソードを集めてみました。いったい担当者はどんなことに困っているのでしょうか。


説明してもわからないので値下げで納得

サービスや商品が良いことは担当者レベルでは十分理解できるが、新しい企業のため上司への説明・プレゼンなどで納得してもらえる利用できるデータが少なく、結局は金額を下げてもらうことが一番の早道で、担当者に無理をしてもらった。(サービス業・経理部・課長)

サービス・商品のメリットがわからないので、とにかく値下げをすることになるというのは避けたいものですね。それだけ「明確にわかるもの」が求められていることがよくわかるエピソードです。


前例がないものを理解してもらうのは大変

過去に導入の事例がない設備を導入しようとしたときに必要性を伝えるときに困りました。(製造業・製造部・一般社員)

既存のサービスよりも内容の良いものを導入しようと稟議をかけたが、変化することを嫌がっているためか素直に応じてもらえず、都度説明を行いようやく稟議を通してもらった時が特に大変でした。(不動産業・営業部・課長)

社内で前例がないものだからこそ、導入する価値があるはず。しかしながら、前例がなければ、価値が伝わりにくくなるのも当然な話です。担当者以外でも、一目瞭然に導入価値が分かるような伝え方を工夫する必要があります。

担当者にどんなデータを提供すれば、決裁が円滑にできるようになるのかを考えてみると良いでしょう。


数字で示す重要性

実績のないものは、想定数字を持って作成することがあり、そこの信ぴょう性をどう証明するかの部分はまあ議論になる。ただ、明らかにコストメリットが見えているものであれば通るし、あまり通らなかったことがない。(不動産業・営業部・課長)

明確な効果を説明しづらいものが多い上に、上司からは具体的な効果(数字)の提示を求められる。(その他・営業部・主任)

現場ではとにかく「数値」が求められます。結局、サービスの魅力は理屈ではなく、数値がなければ信用されないのが実情なのです。

数字で示すことのできるデータを集め、担当者に伝えてあげるようにしましょう。


まとめ:担当者以外に伝わりやすいかが鍵!

社内稟議に悩む担当者のアンケートを見ていくと、社内で導入価値を理解してもらうのに苦労している担当者の姿が見えてきました。

衝動買いのないBtoBの商品やサービスには、決裁にかかわる人にもすぐに伝わるような状況を構築することが何よりも重要になるようです。

担当者が説明しやすくなるような資料提供はもちろんのこと、タクシーCMなどの宣伝広告を活用して、決裁担当者への認知を高めるような活動も有効になるでしょう。

ぜひこのアンケートを議論のきっかけにして、より決裁しやすい商品・サービスの提供を目指してみてください。

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One Tip編集部
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